コンテンツマーケティング実施のポイントの一つとして、「Like a publisher」と言われることがあります。
編集者のように思考し、活動する。自社視点ではなく、顧客/ユーザー目線でそれらの方が求める情報を発信する。この考え方の必要性は、コンテンツマーケティングを進めようとする方の中で徐々に広まっているように感じます。
その延長として、雑誌や新聞等の紙メディア、ネットメディアでの編集業務の経験者を、自社メディアの編集長に据えたり、外部アドバイザーとして活用するケースも増えてきました。
ただ、ここまで進めたら進めたで、当初想定しなかった壁にぶつかるケースも見られるようになりました。
ここで失敗するのはすごくもったいない。そうならないよう、雑誌・ネットメディア編集者がコンテンツマーケティングを担当して、失敗する3つの理由と、その回避策をまとめます。
■編集者/ライターあるある
コンテンツマーケを推進する意思決定は行った、予算も確保した、やる人(雑誌・ネットメディア編集出身者)もアサインした。さあ、あとはうまくやるだけだ!
新しい取り組みを進めるのは何でも骨が折れます。
ここまで来るのに、周到に社内啓蒙をし、様々な調整をクリアし、しかるべき判断をしてきたことでしょう。
雑誌・ネットメディアの編集出身者を、わざわざ採用したり/アサインしたのは、その “編集経験” に期待してのことですよね。もちろん、編集経験者の能力やスキル、人脈をうまく活用することで、よりスムーズに施策を進めることができます。
しかしながら、編集者/ライターの経験が長いが故に、その思考や行動のクセが、企業のコンテンツマーケティング/オウンドメディア企画・運営にそぐわなかったり、悪影響を与える場合もあります。
まずは、どういう悪影響があるか理解しましょう。
① 読み手は誰が連れて来るのか、考えていない
編集/ライター経験のある方は、良いコンテンツを作る必要性は、誰に言われずとも強く認識しています。
その一方で、読み手は誰が連れてくるか、考えていないことが少なくありません。特に紙メディア出身の方にこの傾向があります。
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例えば新聞の編集者や記者からすると、自分が何も考えなくても、毎日数十万数百万部が国民に配達されています。誰がいつ注文を取っているか、気にしたこともありません。
雑誌も同様で、自分がその出版者に入社した時には、各取り次ぎや書店とのパイプは既に出来上がっていますし、そこに出入りするのは、別の部署の誰かです。
新聞でも雑誌でも、読み手を連れて来るのは誰か他の人の仕事であり、少なくとも編集者の仕事ではないため、
自社のコンテンツマーケ・オウンドメディアにおいて、読み手を誰がどうやって連れてくるか、考えていないケースがあります。(それを考慮すべき観点であると、認識していないことも)
② 読者が具体的にどういう人か、あまり考えていない
編集経験のある方は、メディアコンセプトの重要性を強く認識しています。
その一方で、読み手が具体的にどういう人かしっかり考えている方は、あまり多くないように感じます。
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読み手が具体的にどういう人か考えていない、ということは、自社のマーケティング観点で接点を得たいユーザー、自社サイトに来てもらいたいユーザーがどういう人か、意識が乏しいとも言うことができます。
読者を具体的に考えることの重要性は、こちらのLINE田端さんの記事にわかりやすくまとまっていますので、ご参照を。
「
読者の「ペルソナ」設定が、メディア作りにおいて重要な理由〜メディア編集者は、対象読者の「イタコ」となれ!〜」
③ 指標はPVとUU以外、気にしていない
ウェブメディア出身の方は、PV、UU至上主義な考え方をする方が多いように感じます。
もちろんPV、UUが大いに越したことはありません。ただ一方で、誰でもいいから見てもらえば良い、というわけでもないでしょう。
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企業はそれぞれ自社のビジネスの領域がありますから、自ずと自社サイトに誘引したい、接点を持ちたいユーザー像もあるはずです。
そのようなことを視野に入れず、PV、UUをチェックしていると、「ユーザーに見られているけど、で、それでいいんだっけ?」となってしまいがちです。
編集者/ライターあるある = 失敗する理由
この編集者/ライターあるあるの3つの点が、メディア編集者がコンテンツマーケティングを担当して失敗する3つの理由でもあります。
① 読み手は誰が連れて来るのか、考えていない
② 読者が具体的にどういう人か、あまり考えていない
③ 指標はPVとUU以外、気にしていない
■失敗を回避するための方法
この3つの失敗理由を回避する方法は、非常にシンプルです。以下のようにするだけです。
① 読み手は自分が連れてくる、どう連れて来るか考える
② 読者が具体的にどういう人か、しっかり考える
③ PVとUU以外で気にすべき指標を検討し、それらを気にする
この3点についてどうすれば良いか、具体的な方法続編記事にて説明します。
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メディア編集者がコンテンツマーケティングを担当して、失敗する3つの理由とその失敗を回避する方法(下)