AIによる変化とSERP分析の重要性 – 日本でのプレゼン内容をご紹介

4月は日本とイギリスに出張し、慌ただしい月となりました。日本には多くの素晴らしい顧客とパートナーがいらっしゃるので、今後も頻繁に訪問したいと思います。今回の訪日では2つのイベントで講演を行いました。当社が主催する「FoundMeetup Tokyo」と、バイリンガルマーケターが集まる「Tokyo Digital Marketers Meetup」です。どちらも参加者の熱量に圧倒されつつも、みなさまとの交流を楽しむことができた素晴らしいミートアップでした。本記事では、私 レイ・グリセルフーバーのプレゼン内容をご紹介します。

日本のカスタマーサクセスチーム

コンテンツの未来を語り合った、FoundMeetup Tokyo

FoundMeetup には3名の著名なゲストをお招きすることができました。改めて御礼申し上げたいと思います。

宗像 淳 氏(イノーバ):日本で最初にコンテンツマーケティングを広めたイノベーターです。おすすめの書籍を教えてくれる良き友人です。

伊東 周晃 氏(JADE):日本でトップクラスのウェブコンサルティング企業をリードされています。伊東さんはコンテンツマーケティングに造詣が深く、海外のカンファレンスにもよく参加されています。

まこりーぬ 氏(LIG):コンテンツマーケティングを実践する企業として知られ、まこりーぬさんは以前から私たちの支援をしてくれている仲間です。

3人のゲストによるパネルディスカッションは非常に興味深い内容で、コンテンツ戦略からAI、日本のSEOおよびコンテンツマーケティングの未来まで、幅広いテーマを語っていただきました。パネルディスカッションは大成功で、聴衆からは多くの質問が寄せられました。

冒頭はカントリーマネージャーの室屋とともにミニパネルを行い、アメリカ市場の最新情報や私たちの業界で見られるマクロトレンドについて話しました。プレゼンテーションのスライドは Speakerdeck に共有していますが、ここでその概要を少し説明しましょう。

左から室屋、レイ

最初にとりあげたトピックは、グローバルな流動性に関するものです。FRB が金利を引き上げ始めて以降、ZIRP(ゼロ金利政策)が、テック業界でよく話題になっています。かつての手厚い福利厚生や高い給料、安定などはテック業界から失われています。お金はもはや安くないのです。なぜ経済の話をするの?と思った人もいるかもしれませんが、これは企業のマーケティング予算に影響し、 Google の広告収入にも反映されるのです。

パネルでも盛り上がったのは、Google がコンピューティングコストに対する不安を抱えているということです。情報を収集するのにも、それをクエリするのにもコストがかかるからです。広告が伸び悩む中、インフラ費用は増え続けるのです。

Google のゲイリー氏が「クロールを減らしたい」と言及したことについても紹介しました。参加者の方もこの投稿を見ていたとのことで、とても関心のあった出来事だったと言えます。実際、すでにクロールが減っていると感じている参加者の方も少なくないようでした。

また、Google がランキングシステムでユーザーメトリクスを確実に利用していることが最近の裁判から明らかになったことも重要なトピックでした。ここで興味深い例を紹介しましょう。HCU /スパムアップデートとユーザー行動が相反するケースです。

後日別のメディアでも取り上げられていましたが、”Best Printer 2024″ という検索で1位のサイトがワードサラダのようなタイトルになっています。これは、The Verge というテックメディアによる皮肉であり、昨年は ChatGPT で同テーマの記事を作りました。今年は Gemini で記事を作成し、多くの読者がこれを面白がったのです。中身のないコンテンツでも、上位表示されてしまうのです。

最後のトピックは、AIコンテンツの爆発的増殖について。私の発表内容は、経済政策の話から続くひとつのストーリーになっています。Google はクロールを減らすことになり、アップデートを実施しても検索品質が改善されない負のループに突入する。中身のないAIコンテンツでも上位表示されてしまう中、Google は今後も検索界のリーダーで有り続けられるのでしょうか。そのような問いかけがみなさまにも伝わっていれば幸いです

いずれにしても、最も損失を被るのは普通のインターネットユーザーなのではないでしょうか。それだけは不安でなりません。

私は AIコンテンツに反対しているわけではなく、むしろ人一倍研究しています。最近は ProseVector というコンテンツ生成ソリューションをリリースし、お客様に満足いただけるコンテンツが作成できました。しかし、AI生成コンテンツは人間のモノマネにすぎず、本物を超えたりユニークになることはできません。ですので、むしろコンテンツマーケターはさらに価値ある仕事に専念できるようになると思います。単にコンテンツを書き換えるだけの悪質なSEOはまだ完全には終わっていませんが、その終点は急速に近づいています。

新たな技術の登場とともに、私たちは真剣に戦略を練り直すいいタイミングなのかもしれません。

SERPデータの重要性を紹介した、Tokyo Digital Marketers Meetup

Tokyo Digital Marketers Meetup では SERP の重要性についてご紹介しました。参加者の 50% はSEOの専門家でしたが、それ以外は全般的なデジタルマーケティングを担当されている方でした。そのため、まずは依然として重要なトラフィック源である自然検索についてご説明しました。

SEO は古いイメージもありますが、今まさに投資先として注目されているチャネルでもあります。SEOを専門としないデジタルマーケターのみなさまも強い関心をお持ちだとおっしゃっていました。

2005年頃以来、ワードクラウドを作成したことはありませんでしたが、これは良い機会でした。SEOをやるためには様々な活動を網羅せねばならず、「SEOだけをやる」というマインドではいけないのです。

プレゼンテーション全体は brightonSEO でのプレゼンテーションとも共通しているため、興味がある方はそちらのスライドもチェックしてみてください。

東京にお住いの方は、Tokyo Digital Marketers Group への参加をお勧めします。私は今回初めての参加でしたが、レベルの高い参加者たちと楽しい時間を過ごすことができました。今後も日本に来る際は、できるだけ参加したいです。

また、私が東京に行くときには毎回イベントを開催しますので、私たちのウェブサイトやSNSをチェックして、メルマガも受け取るようにしてください。必ずまたお会いしましょう。