コンテンツマーケティングの日米比較

コンテンツマーケティングの日米比較

ウェブマーケティングの領域では、新たなトレンドや技術の多くはアメリカで生まれ、日本は2〜3年アメリカに遅れを取っていると言われます。ご多分に漏れずコンテンツマーケティングもその傾向にあります。 日米のBtoC企業のコンテンツマーケティング調査の比較を通じて、コンテンツマーケティングへの意識やまた実際の取り組みの違いについて説明します。  

BtoC企業のコンテンツマーケティングの日米比較サマリー

まずは、2つのコンテンツマーケティング調査に見る、日本とUSのコンテンツマーケティング実態の違いのサマリーです。
  • 【施策の目的】 日本ではコンバージョン獲得を目的とし、USではブランド認知や顧客ロイヤルティ向上も視野に。
  • 【効果指標】 日本はコンバージョンとトラフィックに集中、USではソーシャルでのシェアやサイト滞在時間など複数の指標で総合的に判断する傾向。
  • 【課題】 日本は「企画力」「リソース不足」が課題。USは「リソース不足」「予算不足」が課題。
USの方が、よりコンテンツマーケティングの定義的なものや、本来的なものに近しい目的意識や効果を意識し、日本の方が、より既存の考え方の延長線上に捉えがちである、と言えるかもしれません。   <コンテンツマーケティングとは> コンテンツマーケティングとは、顧客/潜在顧客/自社がリーチしたい消費者層に対して、そのような人にとって価値があり有用な情報たるコンテンツを制作/発信し、コンテンツを通じてそのような人の興味関心を惹き、自社に対する信頼感や特別感を抱いてもらい、その結果として自社商材を購入/利用して頂くことを狙うマーケティング。 参考:コンテンツマーケティングの全体像(1)大企業のマーケティングコミュニケーションのデジタルシフト  

コンテンツマーケティングの日米比較:個別トピック

コンテンツマーケティングの取り組みについて、その目的、効果指標、課題など、個々の項目について日米で比較していきます。まずはコンテンツマーケティングの実施状況について。アメリカでは、実に9割がコンテンツマーケティングを行っています。それに対して日本では、実施する企業は半分弱と、取り組みにおいて大きな差があります。 コンテンツマーケティングの活用実態の日本とアメリカの比較   コンテンツマーケティングの目的は、ブランドアウェアネス、顧客獲得、ロイヤリティやリテンションが上位に。「コンテンツを通じてそのような人の興味関心を惹き、自社に対する信頼感や特別感を抱いてもらい」という、コンテンツマーケティングのコンセプトにかなり合致した目的を持たせています。一方日本の場合は、SEO、コンバージョン、ウェブトラフィックと、既存のマーケティング活動の延長線上な感があります。 コンテンツマーケティングの目的   コンテンツマーケティングの効果指標/KPIとしては、アメリカではソーシャルのシェアが上位にあるところが、日本との大きな違いです。日本のコンテンツマーケティングでSNSの成果をKPIとする会社は少ないですよね。 コンテンツマーケティングの効果測定/効果指標   企業におけるソーシャルメディアの活用状況は、各プラットフォームの浸透度の違いもありますが、日本とアメリカで大きく異なります。特に差があるのが、動画、画像などのソーシャルメディア。アメリカでは、BtoC企業による動画活用が盛んだと聞きますが、この調査結果もそれを裏付ける数字と言えそうです。 コンテンツマーケティングにて使用するソーシャルメディア 参考:コンテンツマーケティングの「コンテンツ」とは?(US動画活用例) ※日本のソーシャルメディアであるmixiの使用率は11.0%、Lineは2.4%でした。  

コンテンツの企画・制作・運用体制

コンテンツの企画・制作・運用体制は、日本の方がアウトソース率が高く、アメリカの方が内製率が高かったものの、日本とアメリカでそこまで違いはありません。 【日本】 ・社内:41.5% ・社内とアウトソースの両方:45.1%   【アメリカ】 ・社内:53.0% ・社内とアウトソースの両方:44.0%   日米で差が出たのは、予算に関して。アメリカでは、約半数がコンテンツマーケティングに関する予算不足を課題視するのに対して、日本ではたった18.3%が予算不足を課題としています。日本では、予算が潤沢にあるからか、予算の範囲で実験的に取り組んでいるからか、そもそも予算化されていないからか、理由はわかりませんが、予算面ではなく、リソースやスキル面での課題が上位にあります。 コンテンツマーケティングの課題/解決すべきこと  

今回用いたBtoC企業のコンテンツマーケティング調査

アメリカのBtoC企業のコンテンツマーケティング取り組み動向として、Content Marketing Institute と MarketingProfs が行った2014 B2C Content Marketing Benchmarks,Budgets,and Trendsを用いています。 ■2014 B2C Content Marketing Benchmarks,Budgets,and Trends https://contentmarketinginstitute.com/wp-content/uploads/2013/10/B2C_Research_2014-withlinks.pdf 日本のBtoC企業の情報は、2014年1月に当社が実施した、コンテンツマーケティング調査レポートの内容を用いています。 ■コンテンツマーケティング調査レポート https://www.slideshare.net/ginzametrics_jp/content-marketingsurveyreportjapan201