コンテンツマーケティングの成果指標(KPI)で重要視されるエンゲージメントの位置付けとは

コンテンツマーケティングの成果指標(KPI)で重要視されるエンゲージメントの位置付けとは

先日の記事で、コンテンツ来訪者とのエンゲージメントの高めるTips事例40選として、オウンドメディアの印象を強く残す/来訪ユーザーに他コンテンツも閲覧してもらう/リピーター化してもらう/ソーシャルメディアでコンテンツに関わってもらう/継続的な関係を維持する、の5つの視点についてご紹介しました。 上述した記事において、エンゲージメントを高めるための前提となる概念についての説明が不足していたため、本記事で補足させて頂きたいと思います。 エンゲージメント記事201511

コンテンツマーケティングにおけるエンゲージメントとは

エンゲージメントは、”ユーザーが企業の取り組みに積極的に関わることで構築される、ユーザーと企業の絆や関係性”を指します。 コンテンツマーケティングは、コンテンツを通じて潜在顧客との接点を持ち、カスタマージャーニーに沿って顧客化へとつなげていくマーケティング活動です。”コンテンツマーケティングにおいてエンゲージメント”は、顧客のロイヤルティ化を測る指標(KPI)の1つとして捉えることができます。 コンテンツマーケティングインスティチュートが2015年に実施した、アメリカのBtoC向け調査においては、コンテンツマーケティングの目的として88%の回答者がエンゲージメントを挙げています。 出典:Content Marketing Institute New Content Marketing Research: B2C Challenged with Measurement https://contentmarketinginstitute.com/2014/10/2015-b2c-consumer-content-marketing/

コンテンツマーケティングにおける”エンゲージメント向上”の取り組み

企業は ・理念やサービスコンセプトを「コンテンツ」に組み込む ・ユーザーが「コンテンツ」に関われる仕掛けを作る ことによりエンゲージメント向上を狙い、 ユーザーが、企業のコンテンツを ・シェア/リンク(共感)してもらう ・ 企画に参加してもらう ことによりエンゲージメント向上に対する成果を測ります。 アメリカでは、エンゲージメント目的でのコンテンツマーケティングが多いと述べましたが、日本では、まだ多くありません。しかし、エンゲージメントを獲得した企業やブランドは、非常に有利にマーケティングを進める事ができます。 そこで、企業がどのようにサービスやブランドコンセプトをコンテンツへ組み込んでいるか、また、ユーザーが積極的にコンテンツに関われる仕掛けを設けているかについて、それぞれ事例をご紹介します。  

企業の理念・サービスコンセプトをコンテンツへ組み込んだ事例

コンテンツへ企業の理念を組み込んだ事例としてレッドブルとコクヨの2社を挙げます。  

レッドブルのブランドコンセプトを表現したコンテンツ事例

企業の理念をコンテンツに組み込む事例として象徴的なのは「レッドブル」でしょう。キャッチコピーである「レッドブル、翼を授ける」にマッチしたアドベンチャーやチャレンジと紐づいたコンテンツを数多く展開しています。成層圏からのスカイダイビングについては、数多くのメディア、ブログ等で取り上げられました。 https://www.redbull.com/jp/ja/stories/1331586760763/red-bull-stratos  

コクヨの製品コンセプトを表現したコンテンツ事例

次に、コクヨの事例を挙げます。コクヨはお客様の知的行動に対し「ひらめき・はかどり・ここちよさ」を提供することをブランドメッセージとして掲げています。取り扱う製品として家具等もありますが、文房具は9200アイテムを超える主力商品です。 コクヨでは「てがきびと(その人は、夢を手で書き実現する。)」という連載コンテンツを展開しています。 https://www.kokuyo.co.jp/creative/tegakibito/ メールやFacebook、LINE等、デジタルでコミュニケーションを取ることが増えた今ですが、コクヨならではの、理念・サービスコンセプトを組み込んだコンテンツとして、ペンを使って字を書くことによる「ひらめき、はかどり、ここちよさ」を、提案しているように思います。  

ユーザーに積極的にコンテンツへ関わってもらう事例

コンテンツを通じてエンゲージメントを高めるため、ユーザーにコンテンツへどう関わってもらうのか、こちらも事例を2つご紹介します。  

エクスペディアの投票型コンテンツ事例

ユーザーが企画に関わる事例として、まず、エクスペディアが実施した「韓国イケメンホテルコンテスト」コンテンツをご紹介します。このコンテンツは、ホテルマンにイケメンのいるホテルはどこか、ユーザーに投票してもらう企画です。韓国旅行を促すのが企業側の意図としてある中で、ユーザーがコンテンツに対し、能動的に関わりたいと思う仕掛けをしています。韓国のショッピングやエステを紹介するコンテンツとは、ユーザーの関与度が変わることでしょう。 https://www.expedia.co.jp/hotel-deals/ikemen.aspx  

ユニ・チャームのムーニーFacebookコンテンツ事例

ソーシャルメディアでシェアされる事例として、ユニ・チャームのムーニーをご紹介します。ムーニーは「ふんわりぴたりでモレ安心♪」のCMでお馴染みのおむつブランドです。ムーニー公式Facebookでは2015年10月時点でいいね数が約8万人と非常に多くファンを抱えています。投稿コンテンツとしては、ユーザーから集めた赤ちゃんの写真+テキストを発信する形式を取り、テキストの内容はおむつだけではなく、寝かしつけ、離乳食等、育児をしているママ目線に寄り添っています。特徴的なのが、各投稿に対するいいね数の数。平均で2000程あり、シェア、コメントも多く寄せられています。 例えば、赤ちゃんが寝ている間にお風呂に入ることを試みたママのドキドキについての投稿では、いいね数4381、シェア106件となっていて、ユーザーであるママの共感を得ていることが伺えます。 https://www.facebook.com/moony.japan ムーニーはFacebookの日々の投稿で築いたユーザーとのエンゲージメント(絆)を元に、ユーザー参加型の動画投稿コンテンツ「はじめてムービープロジェクト」や「フォトコンテスト」コンテンツを展開していると考えられます。  

コンテンツマーケティングにおけるエンゲージメントの役割まとめ

事例で挙げたレッドブルのように、巨額の予算を必要とするコンテンツメイキングは、ごく一部の企業にしかできないかもしれませんが、ムーニーの事例は、テキストと画像のシンプルなコンテンツでも、エンゲージメントを築くことができる例と言えるでしょう。オウンドメディアを中心とした記事コンテンツでも、「コンテンツに自社の理念・サービスコンセプトを組み込むこと」で、ユーザーとのエンゲージメントを高めることができます。コンテンツに対し、ユーザーに関わってもらうための仕掛けを設け、そういった意図で発信したコンテンツへのシェア数やソーシャルメディアアカウントへのフォロワー数などをエンゲージメントの成果指標(KPI)として計測すると良いでしょう。