SEOツールで平均順位とPotential Trafficを使い分けてモニタリングする方法

SEOツールで平均順位とPotential Trafficを使い分けてモニタリングする方法

2015年12月にDemandMetricsに搭載した「Potential Traffic(ポテンシャルトラフィック)」は、サイトへのトラフィックの変化や自社競合のトラフィック数の比較が把握しやすくなる指標です。 ポテンシャルトラフィックは、(キーワードの順位別想定CTR)×(各キーワードの検索ボリューム)で計算し、キーワード別、キーワードグループ別に自社/競合サイト別に集計する事ができます。Potential Trafficを活用することで、順位のトラッキングだけでは分からない、自社/競合のトラフィックの動きが分かります。

DemandMetricsでのPotential Trafficの使い方

Potential Trafficは、自社サイトの状況や成長度に応じて、平均検索順位と使い分けることで、自社の課題や施策の効果が分かりやすく可視化できるようになります。DemandMetricsの画面を交えて、サイトの状況に応じてPotential Trafficをどう活用するのかについて紹介します。 DemandMetrics Potential Traffic(想定トラフィック)画面

case1:まだサイト全体の順位が低くトラフィックも少ない

サイトを立ち上げて期間が経ってない場合などは、まだサイト全体の順位が低くトラフィックも多くありません。この状況で行うことは、主要ページのインデックスを増やし、まずは検索エンジンにランクインすることです。この段階では、まだトラフィックが大きく期待できないため、SEOのモニタリング指標としては、Potential Trafficよりは、平均順位のほうがよく使われます。 DemandMetricsには、ビッグワードからスモールワードまで幅広くキーワードを登録しておきます(どういったキーワードを登録すれば良いかは別エントリーも御覧ください)。そして、インデックスが増え、ランクインするキーワードが増え、徐々に平均順位が上がっていれば、順調に改善していると判断して問題ないと思います。 平均順位が伸びている 平均順位が上がってきている カテゴリ別にキーワードグループを作り、特定のカテゴリにおける平均順位の伸びだけが遅くないかも確認しましょう。平均順位の伸びが遅いカテゴリが見つかった際、そのカテゴリで競合サイトが多いなどの外部要因の場合もありますが、ユーザーのニーズに合ったカテゴリ分けができていない、何らかのミスでクローラビリティに問題があるなど、自社要因の場合もあります。 この段階では、インデックスされているかどうかが、平均順位の伸びに強く影響します。原因を分析する際も、まずは対象ページがインデックスされているかどうかを確認すると特定が早くなると思います。

case2:サイト全体の平均順位が高まってきた

case1を経て、主要なページのインデックスが進み、サイト全体の順位が高まり10位以内のキーワードが増えてくれば、徐々にトラフィックが期待できるようになりますので、平均順位と合わせてPotential Trafficもチェックしましょう。平均順位の伸びに合わせて、Potential Trafficも伸びていれば、サイトが順調に成長していると言えます。

平均順位に合わせてPotential Trafficが伸びている 平均順位も伸び、Potential Trafficも伸びてきている 一方、10位以内のワードがなかなか増えない場合、Potential Trafficも伸びてきません。その場合、ページ単位/ディレクトリ単位でのコンテンツが不十分(コンテンツ要因)でないか、サイトの構造に問題がないか(サイト構造要因)を確認しましょう。コンテンツは上位のサイトと比較して差分を探すと不足点が分かりやすくなります。サイト構造の問題は、カテゴリの分け方、パンくず、正規URLへのリンク、リンク切れなど、基本的なことをチェックしていきましょう。原因を調べることは面倒に思うかもしれませんが、どのカテゴリの順位が悪いかが分かっていれば、そこを中心に調べれば良いため、案外早く問題が見つかります。 順位の低いページやカテゴリを中心に調べる

このフェーズぐらいから、競合サイトとの比較が有効になります。比較で分かることは主に2つです。

1つは、上述したとおり、競合に順位で負けているキーワードやキーワードグループに対応するページ/カテゴリを、自社サイトと競合サイトで比較し、自社が不足しているコンテンツを見つけること。 2つ目は、平均順位で勝っているのにPotential Trafficで負けているキーワードグループについては、検索ボリュームの大きいワードが競合に取られています。その場合、自社が狙っているキーワードリストとは異なる(ユーザーニーズの強い)キーワードを競合が獲得している可能性があります。競合サイトのカテゴリやコンテンツ内容を確認し、キーワードリストを見直してみましょう。

case3:Potential Trafficも高まってきた

平均順位、Potential Trafficともに高まってくると、あるタイミングから平均順位は、ほとんど伸びなくなりますので、改善を測る指標としてはPotential Trafficの方が重要になります。ビッグワードの順位が5位から1位になることのPotential Trafficへの影響は大きいですが、何千ワードもの平均順位に対しては、ほぼ影響しないためです。各分野のトップレベルのトラフィックを獲得しているサイトなどが、これに当てはまります。この段階まで来たら、サイト構造、コンテンツ、外部リンクなどの総合的な勝負になります。

平均順位はほとんど伸びなくなり、Potential Trafficが高まってきている このフェーズでは、平均順位は「落ちていないか」を確認する意味で使い、Potential Trafficは「伸びているか」を確認するために使います。このフェーズでは、上述したようにサイトの総合力による勝負の側面が強いため、SearchConsoleに出てくるようなエラーやミスへの対応は運用に落とし込み、自社だけでなく競合サイトのサイト構造、コンテンツ、外部リンクもモニタリングし、自社が不足している点の強化も高いレベルで行います。 競合サイトのサイト構造やコンテンツ、外部リンクを分析する また、検索結果の1ページ目はローカルパックやナレッジグラフの影響を受けやすいため、キーワード別のCTRも確認しておきましょう。  

注意事項

上述したようにPotential Trafficは平均順位と合わせてご覧ください。