SEOツールで検索順位からカテゴリ構造の問題に気づく方法

SEOツールで検索順位からカテゴリ構造の問題に気づく方法

SEOに強いカテゴリ構造についてのアドバイスを求められることがあります。個人的には、SEOに特化してカテゴリ構造を考えなければならないことはほとんどないと思っています。  

カテゴリ構造の基本的な考え方

サイトのカテゴリ構造は、サイト内のコンテンツが探しやすいように分類されていることが原則です。探しやすい分類というのは、選択しやすい順に選択していくと、目当ての情報にたどり着ける分類です。各業界別にざっくりとカテゴリ構造を分けると下記のような感じでしょう。

local_search_update ECサイトの例

content_operation_flow 旅行サイトの例

content_operation_flow 求人サイトの例

もちろん、同じ業界でも、サービスの特徴が違えば、カテゴリ構造も異なります。例えば、同じ求人でも、総合的な求人情報サイトと医療・看護に特化した求人サイトとでは、求人の探し方が異なります。前者はエリア以外に、業種、職種から絞って探しますが、後者は業界が決まっているため、雇用形態、資格、担当業務などが重要になってきます。そこで、カテゴリ構造も、これに従って構成します。 更に、特定エリアの求人情報が多い、求人情報のデータ項目が詳細に分類できているなどのサービスの強みや違いにより、カテゴリ構造が異なります。自社に強みのある領域ではカテゴリの分類を細かく行いやすい一方、他社は真似しづらいため、そのカテゴリが独自性を持ちます。SEOではオリジナルコンテンツが重要と昔から言われていますが、自社独自のカテゴリを持ち、その情報が充実していれば、それも立派なオリジナルコンテンツと言えるでしょう。  

カテゴリ構造の表現方法

カテゴリ構造を、検索エンジンが理解する上で、サイト内のリンクは重要です。カテゴリ構造をURLやタイトルで表現する方法もありますが、内部リンクが一番影響度として強いと思います。ですので、パンくずやメニューによるリンクの仕様が、論理的なカテゴリ構造を表現できていない場合は、検索エンジンは、論理的な構造をうまく理解できていない可能性があります。コンテンツをどれだけ充実させても、カテゴリ構造がおかしい場合は、コンテンツがうまく評価されないため、コンテンツ作成の努力が非効率になってしまいます。コンテンツを充実させることと合わせて、カテゴリ構造の課題も見なおしてみてください。

content_operation_flow 論理的な構造と、内部リンクの構造が違う場合

 

カテゴリ構造の課題の発見方法

意外とカテゴリ構造の問題が気付かれないままになっているケースもあります。特にドメインが強いサイトの場合、カテゴリ構造に問題があっても、検索順位が決定的に悪くなかったりすることもあり、気づきにくいのかもしれません。一方で、ドメインが強いサイトは、カテゴリを整理するだけで、順位が劇的に上がるのもよく見てきました。新規でDemandMetricsを導入されたお客様のデータを見た時に、最初に提案するのも、カテゴリ構造の課題に対してであることが多いです。  

1,対象カテゴリページがない

キーワードグループを、都道府県、市、区と分類した場合に、同じエリア系のキーワードグループであるにもかかわらず、都道府県と区の順位は高いのに、市の順位や想定流入数が低いケースがあります。

content_operation_flow DemandMetricsでグループ単位の順位を確認

  こういった場合、そもそも市のカテゴリページがない場合があります。「横浜市中区」、「横浜市青葉区」などというカテゴリはありながら、「横浜市」というカテゴリがないサイトは、意外とあります。カテゴリがなければ、検索順位を期待するのは難しいです。サイト内検索のキーワード検索のページが偶然ランクインしているケースもありますが、やはり構造化されていないページでは、順位が安定しません。 また、上述したように、見た目(メニュー)上のカテゴリはあっても、パンくずの設計ミスにより、リンク構造上のカテゴリとして表現が弱いケースもあります。上記で述べたようにリンク構造としてのカテゴリ表現がしっかりできていない場合、ページがないよりはマシですが、基本的に検索エンジンはそのカテゴリをうまく認識しづらくなっているかと思います。特定のカテゴリに関連するキーワードグループの順位が低い場合、リンク構造視点でのカテゴリ表現が正しいかについても確認しましょう。 1点、注意が必要なのは、検索ニーズがあるからといって、詳細ページ数(求人サイトであれば求人数)が少ないカテゴリを無理に作るかどうかは、SEOやUIの観点だけで決められない課題です。そこはニーズに対してサービスレベルが不十分な分野だと認識して、事業レベルでの対応(求人数を増やすなど)を検討する必要があります。  

2,カテゴリがかぶっている

1と違ってカテゴリは存在していて、対象キーワードグループ全体としても、そんなに平均順位は悪くないにも関わらず、同じキーワードグループの特定のキーワードだけ、ビッグワードでもないのになぜか順位が低い場合があります(市町村キーワードグループの中で特定の市町村キーワードだけ順位が低い場合など)。そんな時は、どのページがランクインしているかをチェックしてみてください。 キーワードグループをカテゴリ別に分類している場合は、ランクインするページは、基本的には対象カテゴリのページになるはずです。にも関わらず、別のカテゴリのURLがランクインしていて、そのページを実際に見ると、想定していた対象カテゴリのページとテーマがかぶっていることに気付くことがあります。例えば、営業の求人一覧と、営業の転職ノウハウの記事コンテンツがかぶっている場合などです。

content_operation_flow DemandMetricsキーワード一覧でグループ内の順位を確認

想定外のページがランクインしていることに気づいたら、それぞれのコンテンツの関係性を整理した上で、解消する方法を考えます。内部リンクで上下関係をつけてまとめる、記事コンテンツにつけているタグを変更する、コンテンツをかぶらないように修正する、noindexを設定するなど、やり方は状況に応じたケースバイケースな方法になります。カテゴリが他のコンテンツとかぶる課題は、カテゴリがないという1のケースよりはクリティカルではないかもしれませんが、サイトがせっかく持っているコンテンツを活かしきれていないという意味では、1と同様にもったいない課題です。  

3,カテゴリの分類が大雑把すぎる

カテゴリページがあり、他のページやカテゴリとの重複がなく、想定通りのカテゴリ内のページがランクインしているにも関わらず、特定カテゴリのキーワードグループの順位が低い場合、カテゴリの分類が大雑把過ぎることも原因としてよくあります。 例えば、求人サイトで、職種の分類が、「営業職」、「技術関連職」、「その他」と分けられている場合、「その他」カテゴリのサブカテゴリには、企画、管理、事務、コンサルタント、医療などと色々な職種が混在することになります。上でも述べたように求人案件数が少なければ、こういった分け方をせざるを得ないことがあるかもしれませんが、そういった場合を除き、原則的には、関連の薄いもの(一覧結果でまとめて見る必要のないもの)が同じカテゴリ内に混在することは、カテゴリのテーマ性がはっきりしなくなるため、良くないことです。上記の例では、「その他」配下の職種名でのSEOは不利になります。できるだけ、ニーズに合わせて分類してください。

content_operation_flow ツリー構造でSEOが不利になる例

 

カテゴリ構造を正しく把握するためのキーワード選定

DemandMetricsで、上記のようなカテゴリの問題点に気づくためのポイントは、自社のカテゴリ構造(場合によっては他社サイトのカテゴリ構造)をベースにモニタリングするキーワードを選定し、カテゴリにもとづいてキーワードを分類することです。もちろん、Googleのキーワードプランナーやサジェストワードからも、キーワード出しをすることも大事ですが、それだけでキーワード選定を行ってしまうと、検索ボリュームの少ないカテゴリ関連ワードがモニタリング対象から漏れてしまうことがあります。必ずカテゴリ構造は踏まえたキーワード選定を行いましょう。 モニタリングキーワードの選定やキーワードグループの整理は、トライアル段階でもしっかりサポートさせていただいていますので、お気軽にお問い合わせください。  

まとめ

DemandMetricsのご利用者様の中には、「検索順位が低い」ということから、そのカテゴリの必要性に気付き追加/修正され、劇的に対象カテゴリのSEO成果が改善するケースがあります。ということで、今回は、カテゴリ構造の問題の気付き方についてまとめました。
  • 論理的なカテゴリ構造はパンくずなどのリンク構造で整合的に表現する。
  • カテゴリ構造の問題を把握するために、モニタリングするキーワードは、キーワードプランナーやサジェストワードだけでなく、カテゴリ構造にもとづいて選定しキーワードグルーピングする。
  • 特定キーワードグループの順位が低い場合、そもそも対象カテゴリが存在するかを確認する。
  • 対象ページがあるにも関わらず、キーワードグループ内の特定キーワードの順位だけ低い場合、想定外のページやカテゴリがランクインしていないかを確認する。
  • 対象カテゴリは存在し、想定通りのページがランクインしているにもかかわらず、対象カテゴリの順位が上がり切らない場合、カテゴリの分類が大雑把すぎないか確認する。
DemandMetricsでは、トライアル時点でも、必要であればキーワード選定、ダッシュボード設定、データの見方についてのご支援を行っています。どこに課題があり、どういう原因が考えられるかを導くためのデータの見方や考え方を、トライアルで得られる実データを使って紹介しています。