楽天市場様によるSEOツールGinzametrics導入事例、そしてアメリカSEO先端動向

楽天市場様によるSEOツールGinzametrics導入事例、そしてアメリカSEO先端動向

10月25日に完全招待制のGinzametricsVIPセミナーを開催し、楽天市場様のGinzametrics導入事例や、アメリカのSEO先端動向について発表しました。 第1部:Ginzametricsご紹介と、SEOシリコンバレー先端動向 第2部:楽天市場へのGinzametrics導入背景と、SEO業務での活用方法 第3部:ソーシャルメディア時代のSEOと、Ginzametricsの今後  

Ginzametricsご紹介と、SEOシリコンバレー先端動向

Ginzamarkets CEOのレイ・グリセルフーバーによる開催の挨拶の後、エンタープライズSEOダッシュボードであるGinzametricsの説明がされました。 Ginzametricsが提供するベネフィットは次の3点。 (1)自然検索からの流入数とコンバージョン数の改善 (2)スケーラブルなSEO対応 (3)SEO運用業務のROIを高める 「キーワードは『エンタープライズSEOをよりシンプルに』。組織的なSEO業務の為にはコンテンツのプロセス管理が必要であり、Ginzametricsは一つのプラットフォームで一元的に管理が出来る。たくさんのサイトを管理する企業やグローバル展開する企業でもGinzametricsによってエンタープライズSEOもやりやすくなる。」とレイは語ります。 今なぜSEOなのか?検索する人の90%が自然検索の結果をクリックしている現実に対して、企業のマーケティング予算の多くがペイドサーチに振り分けられており、SEOにチャンスがあります。特にエンタープライズのSEOにチャンスがあり、大企業がSEOをきちんと実施すれば結果が出ると主張します。 次いでアメリカでのSEOの先端動向に話題は移ります。 アメリカSEOの傾向は、 (1)エンタープライズはSEOに力を入れる傾向にある (2)ユーザーの変化の傾向が早い(検索機能としての) エンタープライズマーケターの85%がSEOを重視するとされ、またSEO市場規模は約4000億円にもなると予想されています。 (参考:日本は現在200億円程度の市場規模) 「Google音声検索、ローカル検索、モバイル検索がホットな領域であり、モバイルはスマートフォンが進化し、PC検索とどのようになるかに注意する必要がある」と言います。  

Siriの影響

One Answer SEO。一番重要な情報にヒットしたい。リンクベースの検索SEOがこれまでだったが、今後は違ってくるでしょう。  

モバイルサーチ

PCの検索とモバイルの検索結果は異なります。モバイルの検索結果の半分以上はマネタイズしやすいものであり、ビジネスの観点ではモバイル検索に投資しやすいでしょう。モバイルを意識した方がよいです。  

SEOとソーシャルの関係

SEOという言葉自体が古くなります。コンテンツの質/量でマーケティングをするモデルであり、これまでの広告マーケティングとは異なります。両方ともチャンネルを使いながら全体的なマーケティングゴールに近づけるでしょう。ソーシャルで結果が出ない会社はコンテンツ制作に問題があることになります。  

楽天市場へのGinzametrics導入背景と、SEO業務での活用方法

第2部では、楽天株式会社 楽天市場事業 企画部 新村氏に、Ginzametrics導入背景をお話頂きました。 「当時、700以上の課題があった。また開発部、編成部、営業という大組織が存在し、経営層へのレポート等も大変であり、SEO施策を組織的に足並みを揃えて行うことはかなり困難であった。」と当時の問題点を語ります。 そのようなSEO上の課題を解決する為に、SEOを定着しやすい実績作りと見える化をすべく、サイト全体を巻き込んだ大方針作成とSEO推進と管理体制を構築し、流通に繋がるSEO改善と仕組み化を目指したそうです。 「人力で運用していた所を、できるだけ統一的な指標でツール導入してSEOを推進する形、つまりSEOの質的変化が必要だった。」と新村氏は語ります。 最初のステップとして、楽天プロダクトというコンテンツを立ち上げ、商品別店舗集約と商品コード/データ集約し、店舗への導線を作り出しました。また楽天の「らしさ」や独自色を出し、既存の資源を活かしつつ、かつ血流を良くする戦略を取ることで組織合意を得ました。 次のステップとして、属人的ではないサイト評価ツールを構築し、SEOからLPOまでを推進する仕組みを作ること、LPO改善点を視覚化してディレクションに繋げることが急務でした。 「SEO改善結果のレポーティング作成にリソースがかかるが、経営陣はSEOはあまりお金がかからないというイメージを持っており、これらを解決できるソリューションを、コンサルティング会社、システム会社、ツール会社などから探していました。国内外で探しましたが、大規模サイトで組織的に使え、かつグローバル対応がされている、の2点を満たすツールはGinzametricsしかありませんでした。」 Ginzametrics導入により、次のようなことが実現できたと新村氏は言います。 ・統一的な指標で判断(評価、利用、計画)できるようになった。 ・施策実行担当者も目線を合わせて改善を進めていけるようになった。 ・計測するツール、報告レポートがシンプルになった。 ・施策リストを作り、優先順位ごと/サービスごとにタスク管理や進捗管理ができるようになった。 ・細かい作業をGinzametricsでできるようになった。 ・自然に流入するキーワードと狙ったキーワードではコンバージョンが全然違うので、細かな管理ができるようになった。 現段階でこれらの成果が認められたため、現在全社的に導入しようとしている、と最後にコメントがありました。  

ソーシャルメディア時代のSEOと、Ginzametricsの今後

第3部では、Ginzamarkets日本カントリーマネージャーの清水より、昨今のソーシャルメディア時代におけるSEOについて話しがされました。 「SEOは過去5年さぼってきた。」と清水は言います。 ペイドサーチの領域では多くの代理店やベンダーが凌ぎを削り、その結果として効率性が高まりました。しかしSEOの領域は目立った進化はなく、未だに大企業でもGRCなどのツールで順位監視をし、サイトへのトラフィックはアクセス解析ツールを別に使わざるを得ず、非常に非効率なままです。これを解決するのがGinzametricsです、と言います。 次の問いは「SEOは終わったのか?」です。 ソーシャルメディア利用者は順調に右肩上がりで、企業のマーケティングリソースもソーシャルメディアを活用する施策に振り分けられています。またエンジニアもGoogleやYahooといった検索系企業から流出し、Facebook、Twitter、LinkedInといったソーシャル系企業に流れています。 しかし、アメリカでの検索数は2009年7月は136億回、2010年7月は166億回、2011年7月は192回と、実は右肩上がりです。SEOは終わったどころか、堅調に伸びています。 その結果、マーケティングマネージャーが直面する課題は、限りあるリソースの配分になります。 リソース配分を考えるにあたっては、BCGマトリクスのような考え方が参考になり、SEOはキャッシュカウ(市場成長率は低いが、自サイトへの流入チャネルシェアは高い)である、と言います。キャッシュカウにおける戦術セオリーは「効率性を高めてコスト削減し」「しかし今のボリュームを死守する」です。 「SEOはサービスからプロダクト」の流れがアメリカでも主流になってきました。SEOで自動化できることは機械に任せ、SEOアウトソースのコストを精査し、一方でソーシャルメディアは新規事業の位置づけで取り組む方が良い、と清水は語ります。 次いでソーシャルメディアのSEOへの影響面です。 FacebookのLikeやツイッターRTなどのソーシャルシグナルが検索結果に影響が出始めているとしつつも、アメリカのSEO関連企業も様々な実験段階で、また肝心の検索エンジン企業も試行錯誤段階であると話します。ソーシャルシグナルの急増により順位は上がるも、シグナルが継続しないと順位も下がる傾向にあるようです。 数学的な検索アルゴリズムだけに依存するのではなく、人々の意見や行動を参考にする方が検索はもっと良いものになる、とのBingの公式ブログでのコメントを引用し、自社ブログの中でもツイート数が多いものが検索上位に上がる傾向にあることを話します。 その結果現時点でできることは、人々がシェアしたくなるようなコンテンツをどう作るか、に集約されます。これはSEOとも共通する内容です。 「消費者の要求に対する制作」「スケーラブル」「差別化されたコンテンツ」が必要と清水は述べました。