ここ数年「グローバル化」や「グローバル展開」といったワードが、再度注目を集めているように感じます。事業のグローバル化に合わせて、ウェブサイトも英語版を作成する企業が増えると思います。しかし、サイトを英語で作るだけでよいのでしょうか?
このブログ記事では、当社の日本語サイトと英語サイトのトラフィック傾向、SEOやソーシャルメディアでのシェアの違いを見たいと思います。
日本語サイトと英語サイトの違い
日本企業が英語サイトを作る場合、日本語サイトとはコンテンツが別のサイトを作ることが多いと思います。当社の場合、日本と他の国で提供サービスを分けていないこともあり、日本語サイトと英語サイトは、ほぼ同等のコンテンツを用意しています(一部異なります)。
【DemandSphere英語サイト】

【DemandSphere日本語サイト】

トップページを見て頂ければわかる通り、言語が違うだけです。
日本語サイトのトラフィック傾向
国別のトラフィック傾向を見ると、日本サイトへのアクセスのうち95%以上が日本からのアクセスです。世界の中で、日本語を母語とするのは日本だけですので、当たり前といえば当たり前です。
日本以外だと、2位がアメリカ、3位が中国です。その中国でも、全流入の1%も占めません。(0.5%以下です)
英語サイトのトラフィック傾向
一方、英語サイトの国別トラフィック傾向は、
アメリカ以外の国からのアクセスが50%以上を占めます。全流入の1%以上を占める国は14カ国もあります。
その14カ国は、インドやオーストラリアといった英語圏の国はもちろん、ブラジル、ロシア、南アフリカなど、英語を母語としない国もあります。
1%以下を見るとそれこそ多種多様で、トルコ、アルゼンチン、タイ、コロンビア、エジプト、パキスタン、マルタなど、様々な国からのアクセスがあります。Ginzametricsは現在35カ国対応しているため、トラフィック元の主要なところには対応できています。しかし、もしもアメリカと日本だけでしか使えないとしたら、相当な機会損失になってしまいます。
都市別のトラフィック傾向
次に都市別を見てみます。
【日本語サイトの都市別トラフィック】

【英語サイトの都市別トラフィック】

大きな傾向としては、国別の数字と別段代わりはありません。日本語サイトは日本人向けのサイト、英語サイトは世界の様々な人向けのサイトです。このような数字だけを見ても、日本語以外のサイトを作るときは、日本人の常識に基づくのはまずそうです。
閲覧ページ数や平均滞在時間は、意外なほどにほとんど違いがなく、2つのサイトで閲覧ページ数の違いは0.02、平均滞在時間の違いは1秒でした。
誤差の範囲程度です。
日本以外のSEO
当社の英語サイトに様々な国からアクセスがあるのは、各国で広告をだしているからでは、と思うかもしれません。実は広告はだしておらず、当社がアメリカで行うマーケティング関連の主な活動は、アメリカでのプレスリリースと、Webサイトにコンテンツを作ることくらいです
。
ロシア企業からのご注文
先日、日本人の私としてはびっくりすることがありました。ロシアの企業から注文を頂いたのです。ロシアでは、一切マーケティング活動は行っていないにも関わらずです。どうやって当社のことを知ったのか聞いてみると、ロシアで検索エンジンで「enterprise seo」と検索したところ(YandexかGoogleかは不明)、検索結果の1位に当社の英語サイトのページが表示されたそうです。
1番上だからきっと良いのだろうと思い(本当にありがたい判断です)、サイトで無料トライアルに申込み、その後ツールとして有用であると判断頂き、一番上のプランをご契約頂きました。
国をまたぐシェアラブルコンテンツ
私が驚いた別の例を紹介します。以前、英語サイトに、ウェブ開発者向けのSEO & オープングラフ(Facebook向け)チートシートというコンテンツを出しました。
The Web developer’s Interactive Cheatsheet for SEO and the Open Graph
SEOMozのブログに載せたこともあいまって、私が見ただけでも300以上RTされました。RTを見ていくと、英語はもちろん、スペイン語やドイツ語、中国語や全く読めない言語でもRTされていました。
私自身、TechCrunchやMashableなどの英語記事をRTすることがあるため、当たり前といえば当たり前なのですが、様々な言語でシェアされるのを目の当たりにすると、結構な驚きです。
まとめ
当社の日本語サイト、英語サイトの違いを見ただけですが、英語サイトを作るだけで良い、というわけではなさそうです。特に私が感じたのは、日本の常識は世界の非常識だろうことです。
グローバル展開(日本以外のどこかの国に展開)する際は、日本の常識に依存せず、展開先の国に詳しかったり、グローバル展開の経験がある方などの力を、うまく借りながら進めるのがよさそうに思います。