インフォグラフィックの作り方、ツール、素材、事例

インフォグラフィックの作り方、ツール、素材、事例

インフォグラフィックを頻繁に見るようになりました。Googleトレンドを見ると、「コンテンツマーケティング」よりも先に流行り始め、最近でこそ抜かれたものの、いまだに右肩上がりで普及し続けているようです。 右肩上がりで普及するインフォグラフィック 今も右肩上がりで普及するインフォグラフィック 流行すれば、環境が整ってくるのが世の常です。今では、ツールや事例などが整備されてきました。これから取り組む際に、使わない手はありません。 そこで、今回は、これからインフォグラフィックに取り組む場合に、チェックしておきたい作り方、ツール、素材、事例について紹介します。  

作り方

データビジュアライゼーションにもとづく9つのチェック項目

インフォグラフィックは元々データビジュアライゼーションの一つの手法です。そのデータビジュアライゼーションのパイオニアがEdward Tufte(エドワード・タフティ)というエール大学の名誉教授と言われています(WikipediaによるとTufte教授は、オバマ大統領にも頼りにされていたようです)。 【参考】Wikipedia:Edward Tufte https://en.wikipedia.org/wiki/Edward_Tufte そのTufte 教授の教えに習い、SEOで有名なMozのMike Pantoliano(マイク・パトリアーノ)氏が、Webマーケティングの観点で、インフォグラフィックを作成する際の9つの重要な点を挙げています。
  • 定量的なデータを見せる
インフォグラフィックは、あくまでデータビジュアライゼーションの一つであり、データをビジュアル化したもの。定性的な情報を扱うものではない。  

自然に思考が始まるようにする

インフォグラフィックを見た途端に、自然に思考が始まる程の分かりやすさが必要。  

データを歪曲しない

データの見せ方次第では、メッセージを歪めることができるが、正直に伝える。  

多くの種類の数字を狭いスペースで表現する

一つのイラストの中に多くの種類のデータを表現する(ブログ記事では6種類のデータを1枚のイラストで表現している例が紹介されている)。  

大規模なデータを扱う

大規模なデータときれいなデザインが調和しなければならない。インフォグラフィックのデザイナーは、大規模のデータを扱えるスキルが必要。  

データの比較がしやすいようにする

何と何を比較するかということが、ユーザーに視点を提供することになる。  

複数の視点でデータを見せる

視点も一つだけでなく複数関連させ、ユーザーに新しい発見を与えることで、シェアにつながる。  

目的を明確にする

伝えたいメッセージ、ストーリーを明確に持ち、それをユーザーに伝えることにフォーカスする。  

データと口語表現を密接に連携させる

データを口語表現で表せる程に分かりやすく表現する。これらは、インフォグラフィック制作で抑えておくべき本質的なことですので、迷ったら常に立ち返るチェックリストとして使えると思います。 原文はこちらからお読み頂けます(英文)。 Data Visualization Principles: Lessons from Tufte https://moz.com/blog/data-visualization-principles-lessons-from-tufte  

インフォグラフィックを作る際の5つのステップ

実務の流れも紹介します。 USで有名なWebマーケターNeil Patel氏は、自身のブログの中で、インフォグラフィック作成の具体的な進め方を以下の5つのステップで紹介しています。  

データソースを見つける

何より重要なのがデータソース。作りたいインフォグラフィックのテーマに関係するブログでソーシャルシグナルの多いものを手当たり次第に探し、活用できそうなデータを探す。  

デザイナーを見つける

デザイン投稿サイトで、「インフォグラフィック」で検索し、評判の良いデザイナーを探してくる。  

ワイヤーフレームを作成する

ストーリーに合わせて、分かりやすくデータをレイアウトする。分かりやすくなければインフォグラフィックの意味がない。デザイナーに指示することの内、以下の点は重要。
  • インフォグラフィックは縦方法
  • 補色を使う。
  • 大きめのフォントを使う。
  • カスタマイズしたイラストを使う。
  • 3Dにする。
  • 自社のロゴを入れる。
 

タイトルを考える

タイトルが良くなければ、どれだけインフォグラフィックの中身が良くても見られない。タイトルには、「数字」か「ユーザーへの呼びかけ」を含めると閲覧されやすくなる。  

プロモーションする

ユーザーが自身のウェブサイトでシェアできるように埋め込み用のタグを用意する。更に、今回のインフォグラフィックと同じテーマを扱うブロガーやTwitterユーザーにメール/メッセージで案内する。これらは、初めてインフォグラフィックに取り組む方へのガイドになると思います。   詳細は原文をご確認下さい(英文)。 How to Create a Popular Infographic https://www.quicksprout.com/2013/07/25/how-to-create-a-popular-infographic/   Neil Patel氏は、別のポストで、更に詳細なインフォグラフィックの作り方、拡散の仕方などについてのテクニックを、自身の実証結果にももとづき、紹介しています。より突っ込んだノウハウが知りたい方は、こちらもご一読下さい(英文)。 60,000 Visitors and Counting: How to Double Your Traffic With Infographics https://neilpatel.com/2014/10/14/how-to-create-infographics-that-can-generate-5000-visitors-per-month/  

ツール

インフォグラフィックを簡単に作成するツールも提供されています。もちろん、プロのデザイナーに依頼した方が質の高いものが作れると思いますが、予算に制約がある場合は、まずツールを使って自分たちで作ってみるのも良いでしょう。  

Piktochart

テーマとストーリーに合ったテンプレートを選択し、テンプレート内の編集可能箇所に対して、データを入力、グラフ形式の選択などをするだけで簡単にインフォグラフィックが作れてしまいます。インフォグラフィックの画像ファイルと埋め込みタグが最終的に生成されます。 テンプレートを選択 テンプレートを選択する データを編集 データを編集しグラフの形式などを選択する タグが作成される タグが作成される サービスへのリンク:Piktochart https://piktochart.com/  

infogr.am

infogr.amもPiktochartのようにテンプレートを選択し、データ入力、グラフ形式の選択などだけで簡単にインフォグラフィックが作成できるツールです。Piktochart、infogr.amともに、無料のテンプレートがあります。作りたいインフォグラフィックに合うテンプレートが見つけられた方を使えば良いと思います。 テンプレートを選択 テンプレートを選択 データの編集 データやグラフの形式の編集 サービスへのリンク:infogr.am https://infogr.am/  

easelly

easellyも上述したツールと似た仕組みですが、Piktochartやinfogr.amに比べて、カスタマイズできる要素(箇所、色、フォントなど)がかなり多いです。微妙な色合いなどまで変更できます。既存のテンプレートにあまり縛られずに、こだわって作りたい場合には、マッチすると思います。 テンプレートを選択 テンプレートを選択 多様な箇所を編集できる 画面で伝わりづらいですが多様な箇所を編集できます サービスへのリンク:easelly https://www.easel.ly/  

素材

Photoshopを使える方であれば、フリーのテンプレートをダウンロードしてきて、自分で好きに加工するという方法もあります。 日本と比べて、海外の方が、多くのインフォグラフィックの素材サイトがあるようです。テーマとストーリーに合うテンプレートを探してみるのも良いと思います。  

素材サイト検索(海外)

海外にはインフォグラフィック用のフリーテンプレートの素材サイトが多くあります。海外の素材サイトを探す場合は、「free infographics templates」などと検索すると多くのインフォグラフィックのフリーテンプレートサイトにたどり着きます。 Googleでのインフォグラフィック素材サイト検索 「free infographics templates」と検索すると多様なフリーテンプレートサイトが見つかる  

事例

初めてインフォグラフィックに取り組むなら、先行事例を参考にしたいと思います。インフォグラフィックに特化した事例紹介サイトも多くありますので、ここでは、国内外の主要な事例紹介サイトを掲載しておきます。

infogra.me

主に国内のインフォグラフィックの事例をまとめたサイトです。投稿することもできるサイトで、色々なインフォグラフィックの事例が集まっています。単に事例調査で使うだけでなく、制作したインフォグラフィックのプロモーションにも使えます。 infograme infogra.me サービスへのリンク:infogra.me https://infogra.me/  

visually

インフォグラフィックだけでなく、eブックやビデオ、プレゼン資料などの海外事例が検索できるサイトで、とにかく、事例の数が多いです。海外のインフォグラフィック検索サイトは、他にもありますが、まずはvisuallyを見ておくと良いと思います。 visually 多様な事例を検索できる サービスへのリンク:visually https://visual.ly/  

reddit

redditにもインフォグラフィック(Infographics)というSubreddit(カテゴリ)があります。使うには少しコツがあり、ソートを「注目(Hot)」から「トップ(Top)」に変更し、期間を全期間指定すれば、コメントの多いインフォグラフィックを中心に見ることができます。 redditのインフォグラフィックsubreddit コメントや論争の多いインフォグラフィックをチェックできる コメントが多いということは、良くも悪くも論争が巻き起こりやすいインフォグラフィックということができます。インフォグラフィックはシェアされることが重要ですので、ここで、論争が起きやすい企画の傾向を分析するのも面白いと思います。 サービスへのリンク:reeditのインフォグラフィックSubreddit https://www.reddit.com/r/infographics/  

Google画像検索

Google画像検索もインフォグラフィックの事例探しには便利です。「テーマを表現するキーワード(日本語/英語) + インフォグラフィック(or infographic)」などで画像検索すると、多くの事例を探すことができます。 Google画像検索「インフォグラフィック」 「computer infographic」で検索した結果  

まとめ

今や日本でも当たり前になり、事例も蓄積されてきたインフォグラフィック。環境が整い、かなり実施ハードルも下がってきました。これから取り組むのであれば、この環境を活かさない手はありません。今回は、作り方、ツール、素材、事例についてまとめました。上手く自社のコンテンツマーケティングで活用して頂けたらと思います。参考にして頂けると幸いです。