LPヒストリーという機能をリリースしました。ランクインしているページの履歴を一覧で確認できる機能です。SEO対策を行う際に、順位だけでなく、ランクインしているページを分析することで得られる気付きは非常に多いです。ランクインするページによってCTRやCVRはもちろん、順位も変動します。
SEOにおいて、順位やCTRは結果であるのに対し、ランクイするページはその原因です。原因を知らずして、結果を改善することは難しいでしょう。それぐらい、ランクインするページを分析することは重要です。しかし、ランクインしているページを分析するのは、かなり面倒です。そこで、ランクインページの最適化を行いやすくしたいということでLPヒストリーという機能を提供することにしました。
PLPレポートとLPヒストリーを組み合わせて活用
もともとDemandMetricsにはPLPレポートという、狙っているページでランクインできているかをモニタリングする機能がありました。これを使うことで、ランクインページがズレているキーワードとページだけを一気にチェックすることができます。
キーワード(検索インテント)とランクインしているページのズレを明示するPLPレポート
PLPを使うことで、どのディレクトリ間でカニバッているか、どのディレクトリ内でのズレが多いかについての傾向が分かります。ランクインしているページのズレの状況が分かれば、ページの移動、統合、ナビゲーションやその他リンク構造の見直しを行う際の指針になります。
PLPを使った対策の流れを、以前こちらの記事で、紹介しました。
このPLPレポートに加え、今回、LPヒストリー(ランディングページ履歴)という機能をリリースしました。
LPヒストリーを見れば、現状のランディングページのズレに加えて、いつからズレていたか、過去に他にどのページがランクインしていたかなど、過去のラインクインページのズレも見ることができ、何をした時にズレたのか、他にどのコンテンツと重複していたのかなども分かるようになります。
順位変動と自社サイト内での最高位ページの関係が分析できる
では、LPヒストリーを実際に使ってみましょう。
LPヒストリー(ランディングページ履歴)の使い方
LPヒストリーは、順位が上がったり下がったりしているキーワードで使うと便利です。順位変動が多いキーワードほど、ランクインページの変化も多いからです。そこで、DemandMetricsのサイトのデータを使って、順位が落ち着いているキーワードと、変動の多いキーワードの両方を見てみましょう。こちらは、「キーワード調査ツール」というキーワードでの順位の推移ですが、2016年9月1日から2017年1月31日まで、常に1位で安定しています。
5ヶ月間常に1位で順位が安定したキーワード
このキーワードのLP Historyを見ると、9月1日以降、一度も自社サイト内での最上位ページにに変更がないことがわかります。やはり安定して良い評価を得られているキーワードは、ランクインしているページも安定しているようです。
自社サイト内での最高位ページは変わっていない
一方、下記は「SEOツールとは」という順位変動の多いキーワードの推移です。日々乱高下しながら、時には圏外にふっ飛ばされながら、10〜20位あたりを推移しています。非常に順位が不安定なキーワードです。
毎日、順位が変動している不安定なキーワード
こちらのキーワードのLP Historyを見ると、9月1日から1月31日までの間に32回最上位ページが変わっていることがわかります。主に3ページぐらいのURLが日替わりで自社サイト内最上位ページになっています。
5ヶ月で32回も最高位のページが入れ替わっている
ここまで最高位のページが入れ替わっていることから、順位が不安定な理由として、ランクインしているページが一定していないということも大いに考えられそうです。ちなみに、DemandMetricsのサイトでは、SEOツールの活用方法についての記事は作っていますが、SEOツールの定義をするようなコンテンツは特に作っていません。そのため、キーワードにピッタリのコンテンツがないため、Googleもどのページをランクインさせれば良いのか困っているのでしょう。
この結果を受けて、DemandMetricsのサイトで、「SEOツールとは」の順位を安定させるには、これまでにランクインしたページを束ねるようなSEOツールの定義をするようなコンテンツを作れば良さそうだと分かります。一方、「海外SEO」というキーワード(下図)では2016年9月1日〜2017年1月31日の期間中で、9月と10月の間だけ、目まぐるしく最上位ページが変わっています。具体的にはある記事一覧ページと特定の個別記事ページが交代で最上位を取り合っています。
5ヶ月間、最高位のページが変わり続けている
ご存知のように2016年の9月、10月は順位変動が激しい期間でした。アルゴリズム変動のある期間は、順位変動だけでなく、ランクインするページの変動も多く発生しやすい傾向にあります。変動が落ち着いた11月以降は、勝ち残った記事ページがずっと最上位ページでキープしています。今回のアルゴリズムでは、一覧ページより個別記事ページのほうを評価したようです。
ちなみに、2016年の9〜10月の変動では、下層ページの評価が低いときに、その上位階層ページの順位が落ちやすくなったようです。今回の例であげた記事の一覧ページは、その下層ページが、SEOよりはソーシャルを意識した検索順位の低い記事で構成されているため、それらを束ねた記事一覧は評価されづらかったのかと思います。記事の一覧ページを上位表示させたい場合は、下層ページの評価を高くすることを考える必要がありそうです。
まとめ
PLPレポートでその時点でのズレを把握して、コンテンツやサイト/リンク構造の修正を行うことは重要です。そういった施策を行う際に、今回リリースしたLPヒストリーで過去の最上位ページの履歴も合わせて確認することで、ズレを修正する際のアクションが決めやすくなります。
ぜひ、PLPレポートと合わせてLP ヒストリーの機能も活用してみください。