Michael Gray氏は
The ReferralCandy Blog において「EコマースとSEO」をテーマにしたエントリを多数寄稿しており、役に立つ内容が多いです。
この記事では彼の一連のエントリを参考にしつつ、ECサイトのためのSEO対策について、『URL』、『ページタイトル』、『商品紹介文』、『内部リンク』、『新商品や季節限定商品のためのSEO』、『ページ表示速度』という切り口でまとめます。
SEO対策:ECサイトのページURL
ECサイトに限らない、一般的なURL最適化が重要です。 各所で繰り返される話ですが良いURLのチェックポイントはおおよそ以下のようになります。
- できるだけ短く
- キーワードを含む(ただし3〜5個)
- ハイフン(-)などを使って(キー)ワードを区切る
- URLに拡張子を入れない
- URLから拡張子を削れない場合は、「.html」とか標準的なものにする
- URLにパラメータ(例:…/?utm_source=….)を入れない
- マーケティングやトラッキングなどの理由でURLからパラメータを削れない場合はハッシュ(#)を使う
悪いURLの例をいくつか紹介します。
example.com/prod1234
example.com/prod.php?id=1234
example.com/darkbluewidget
example.com/darkbluewidget.go
example.com/buy-cheap-dark-blue-widget-cheap-online-now
example.com/dark-blue-widget/?utm_source=camp1234
次に良いURLの例を紹介します。
example.com/dark-blue-widget/
example.com/dark-blue-widget/#src=camp1234
※URL例は、
https://blog.referralcandy.com/2012/03/14/seo-for-ecommerce-product-pages/を参照しました。
SEO対策:ECサイトのページタイトル
これもURL同様に、一般的な検索エンジン対策が重要となります。 ポイントを列挙すると下記のようになります。
- キーワードを入れる
- ページの内容を伝える(descriptiveな)タイトルにする
- ページタイトルの冒頭部分にキーワードを持ってくる。
- 検索エンジン:タイトル冒頭を重視。
- 製品名は冒頭におく
架空のECサイト「Ultimate Bathroom Store」場合
Navy 3×4 Bath Mat – Ultimate Bathroom Store
のように製品名を前に置くのが良いページタイトルだといえます。
キーワードについてECサイトに即して補足すると、販売してる商品の機能名や業界用語などは悪いキーワードです。商品に興味を持ってくれるかもしれない人や購入するかもしれない人が「検索エンジンで」使う言葉が良いキーワードです。
※ページタイトル例は、
https://blog.referralcandy.com/2012/03/14/seo-for-ecommerce-product-pages/から取りました。
SEO対策:ECサイトの商品紹介文
まずは重複コンテンツでないこと、ユニークな内容であることが重要です。これはSEO全般に言えることです。ポイント列挙すると、
- サイト内でコンテンツが重複しないこと
- 他のECサイトともコンテンツが重複しないこと
となります。ポイントの二番目について補足します。
同じ商品が複数のECサイトで販売されるのが普通です。そして商品の紹介文などはメーカーから提供されたものをそのまま掲載する場合、複数のECサイトで同一の紹介文が掲載されることになります。そうなると、複数のECサイトの間でコンテンツの重複が発生していることになります。これは検索エンジン対策としてはマイナスになるため「他のECサイトともコンテンツが重複しないこと」がポイントになってきます。
しかし、現実には販売してる商品についてユニークな説明を作るのは大変手間です。そこでGary氏は(amazonの商品ページで見られるような)商品レビューを説明文に追加することを次善の施策として提案しています。
SEO対策:ECサイトの内部リンク
他のサイト同様にECサイトにおいてもサイト内のリンクを自然に増やすことが重要です。 内部リンクを増やす手法としては、ECサイトでは
- パンくずリスト
- 関連商品や売り出し中の商品へのサムネイル付きリンク
が多くの場合有効です。
SEO対策:新商品や季節限定商品のためのSEO
より個別の検索エンジン対策について新商品と季節限定商品を取り上げます。
SEO対策:新商品のためのSEO
数ヶ月後に販売開始の新商品のための検索エンジン対策にはどのようなものがあるでしょうか。
- 販売開始数週間前から商品ページを公開
- 商品ページの内容はユニークなものにする
まずこの2つがチェックポイントになります。まず、発売日よりも前に公開するのは、できるだけ早く検索エンジンにインデックスされるためで、SEOの基本を実践しているだけです。次に、ページの内容については「近日公開」といった常套句や、リリース記事の丸写しであっては「他のECサイトと比較してユニークなコンテンツ」にならないためです。
さらにいち早くインデックスされた商品ページが外部リンクを獲得するための施策の例として、Gary氏は、外部のポータルサイトやニュースサイトへ記事出稿をすることで外部リンクを増やしていく施策について書いています。
SEO対策:季節限定商品のSEO
冷房、扇風機、除湿器のような一年のある時期だけ需要があるような商品をここでは季節限定商品と呼んでいます。こういった商品のための検索エンジン対策は大部分が新商品の場合と共通します。
新商品の場合と相違する部分は、シーズン終了時にすべきことが2パターンある点です。
- 来年も販売予定の商品なら、製品ページは削除しない。購入機能のみオフにする
- 今回で販売終了する商品の場合は、サイト内の適切な代替ページへ301リダイレクト
301リダイレクトはこれまでに獲得した被リンクなどを代替ページへ引き継ぐためです。
SEO対策:ECサイトのページ表示速度
これは近年検索エンジンの順位表示において考慮するとアナウンスされたものです。 トラフィックやコンバージョンを増やすための施策が、サイトの表示速度を数秒単位で遅くさせる場合があります。例えば、ECサイトにおいてどのような施策がページ表示速度の低下につながりうるのかについて、いくつか紹介します。
SEO対策:掲載写真を高画質にしたい、色々載せたい
例えば
- 商品を高画質の写真で見せたい
- いろんなアングルの商品写真をみせたい
といったもっともな要望は、単純に実行に移すと、httpリクエスト数やダウンロードサイズの増加に直結し、ページの表示を数秒単位で遅くさせる可能性があります。
- 高解像度の画像はユーザがクリックされるタイミングで表示させ、イニシャルのロード時はサムネイルのみにする
- 非同期読み込みやlazyloadなどページ表示をブロックしない画像読み込みテクニックを使う
などが解決方法として代表的です。
SEO対策:ソーシャルプラグインを導入したい
facebook、twitter、google+、等々のサードパーティのプラグインを導入してる所がECサイトでも見られるようになりました。もちろん導入の狙いはソーシャルメディアからのトラフィックにあるわけですが、こうしたサードパーティのプラグインもページ表示速度を遅くさせる要因になりがちです。
- プラグイン1つ1つがそれぞれ、cssファイルやjavascriptファイルの読み込みを発生させる
- 読み込まれるjavascriptが読み込まれたページの表示速度に与える影響を考えずに設計されている場合が多い
解決方法は画像の読み込みのコントロールと異なり、サードパーティが提供しているjavascriptにパッチを作成して(当然テストもして)、パッチを適用することが必要となりかなりの手間を必要とします。そのためソーシャルプラグインの導入については、ページ表示速度への影響範囲を見定めつつ検討して行くことが必要となります。
SEO対策:遅いサイトは「表示される前に閉じる」という調査結果
CDNで有名なAkamaiが調査会社Jupiter Rearchに依頼して実施した調査によると、ブロードバンド接続ユーザ33%が4秒以上表示されないページは「待たずに閉じる」という結果が出ました。表示の遅いサイトには検索エンジン対策としてマイナスであるだけでなく、獲得できたかもしれない訪問者を失っている要因にもなっています。
終わりに
ECサイトのためのSEOと題してポイントをまとめましたが、大部分はECサイトに特有のものというより、検索エンジン対策の基本的なポイントを実践していくことが重要であり、まずはそこから着手するのが無難であると思います。