検索キーワード調査・選定のよくある失敗と対策

検索キーワード調査・選定のよくある失敗と対策

直帰率やロングテール化を意識してSEO検索キーワード「数」をチェックする人がいれば、売上やコンバージョン種類別にチェックする人もいるでしょう。ノンブランドワード比率や、想定検索ボリュームに対するSEO/PPC合計カバレッジをチェックする人もいるかもしれません。一方で、「どういう検索キーワードをチェックすべきか」は、非常に大事であるにも関わらず、参考になる情報はあまり出回っていません。 このブログ記事では、SEO検索キーワード選定の、よくある失敗と失敗を避けるための対応について説明します。  

よくある失敗と失敗を避けるための対応

SEO検索キーワード調査/選定と効果測定において、以下いくつかの”失敗”パターンを紹介します。ご自身がチェックしているキーワードが、次のいずれかに当てはまっている場合は、是非その対応策を実践してみてください。 ・失敗パターン1:ビッグワードのみを効果測定している ・失敗パターン2:流入トップ100を効果測定している ・失敗パターン3:前任が作成していたSEOレポートを踏襲している ・失敗パターン4:自社サイトのみチェックしている ・失敗パターン5:検索キーワード単位で効果測定している  

失敗パターン1:ビッグワードのみ

よくあるパターン1は、ビッグワード “のみ” 効果測定しているパターンです。「人材紹介」「アルバイト 渋谷」「ネット証券」「中古車販売」「分譲マンション」などのワードであり、成果報酬型のSEOを利用したことがある場合、このパターンになりやすいようです。(SEO会社が提出するレポートだけチェックしている) ビッグワードは、確かに上位表示されれば多くのトラフィックを生みます。しかしビッグワード “のみ” だと、実は多くのユーザーニーズを逃しています。あるサイトでは、トップ10ワード(ビッグワード)で、自然検索トラフィックの16%を占めます。一方、ミドル〜テール系ワードの合計で、自然検索トラフィックの74%も占めます。 SEOではミドルワード〜テールワードが重要 【失敗を避けるための対応】 SEO施策に力を入れる/自然検索が重要な集客経路である場合は、ビッグワード “のみ” の管理ではなく、ミドル〜テール系からもキーワードを選定して管理/チェックする方が良いです。例えば主たる事業に関連するキーワード、事業上力を入れている領域のワード、ユーザーの課題ワード、過去コンバージョンを生んでいるキーワード、何かしら意味のある掛け合わせキーワードなどです。 こういったビッグワード以外で重要なワードを選定し、順位や流入、コンバージョンについて効果測定/管理をすることで成果に結びつきやすくなります。  

失敗パターン2:流入トップ100

自然検索流入のトップ100キーワードをチェックしているパターンです。100でなくとも、トップ50でも、トップ200でも同じ状態です。通常、多くのサイト(特に大企業やブランドが認知されているサイト)では、1:ブランドワード、2:ブランドワードの誤字や英語カナ、3:ブランドワードと一般単語の組合せ、が流入上位の多くを占めます。ブランドワード(掛け合わせ含む)は、自社や自サービスのことを探しているユーザーであり、自社サイトが1位若しくは上位表示されているケースがほとんどです。(1位や上位表示されていなければ、それはそれでかなりまずいです。) このようなキーワードは、その時点のトラフィックを維持するためにチェックする意味はありますが、その一方でチェックしても新たな機会(取りこぼしているユーザーニーズ)は見つからず、SEO/自然検索経由でトラフィックを増やしたり売上増を狙うことは難しいです。   【失敗を避けるための対応】 チェックすべきは、流入トップ100だけでなく、自社ビジネスに関係する「ノンブランドワード」です。「HIS ヨーロッパ旅行」といったブランドワードではなく、「ヨーロッパ旅行 豪華客船」「格安 ヨーロッパ 航空チケット」「イタリア往復チケット 航空券」などのノンブランドワードです。PPCで成果やトラフィックのある「ノンブランドワード」500キーワード、検索ボリュームの大きいノンブランドワード300ワード、自社が力を入れている事業領域のノンブランドワードなどです。 自社事業に関係するノンブランドワードで、自社サイトの露出やサイト流入が少ない場合、それは潜在ユーザー層との接点を失ってしまっており、未来の顧客候補との接点を競合他社に取られてしまっていることを意味します。 追記:ノンブランドワード選定において、自社サイトのコンテンツ有無は考慮に入れるべきではありません。自社サイトコンテンツがあるキーワードだけを見る = 自社に都合の良いキーワードだけを見る、だからです。 重要なワードであれば、自社サイトにコンテンツがない場合であっても、新規作成したほうが工数を考えてもリターンが見合うことも多々あります。  

失敗パターン3:前任が作成していたSEOレポートを踏襲

明確な意図を持って当該キーワードをチェックしているわけではなく、実はあまり理由はわからないまま、前任が作成していたレポートを引き継いで、現在もレポート作成しているパターンです。なぜそのキーワードを効果測定/監視対象としているのか、その理由や意図を把握していれば全く問題ありませんが、そうでなければ問題ありの可能性が高いです。 【失敗を避けるための対応】 そのキーワードをチェックしている理由、キーワード順位が変化した時に取るべきアクションなど、まず前任のSEO担当者に確認しましょう。レポートはベンチマークや目標値などの基準を持って見なければ、アクションに結びつきません。どの指標が、どうなったら、どういうアクションを起こすことになっていたのかについては最低限確認し、実は前任もよくわかっていなかったり、既にいない場合は、改めて監視対象キーワード検討し直すのが良いです。  

失敗パターン4:自社サイトのみチェックしている

SEOキーワード順位のチェック対象を「自社サイトのみ」とする場合です。自社サイトのみチェック対象とする場合、往々にして自社に都合の良いキーワードを効果測定/監視対象としがちです。監視対象キーワード選定の段階で自社に都合の良いキーワードを無意識に選定しがちであり、またエクセルなどのレポートでは、トラフィックが多い順もしくは順位が良い順にキーワードを並べることが多く、その両方から都合の良いキーワードとデータを目にしがちになってしまいます。 【失敗を避けるための対応】 自社サイトに加え、競合サイトのキーワード順位も取得し、自社/競合比較しましょう。キーワード順位取得し、”競合サイトの順位が良い順” にキーワードを並べます。すると、自社サイトのキーワード順位で見るレポートとは全く違ったものが見えるでしょう。競合の順位はいいのに、自社サイトの順位が悪いキーワード、つまり機会損失をしているキーワードを知ることで、それを改善するアクションを打てるようになります。 成果に直結する重要なキーワードの場合は、自社が上位にランキングしていたとしても、更に上位に競合がいる場合には、対策を打たなければならないこともあります。コンバージョンへのハードルが低く、検討期間が短い商材/サービスでは、ユーザーが最初に辿り着くサイトであることが圧倒的に有利なことは自明です。自社順位が良いからといって喜んでいられないこともあるのです。 一方で、成果を上げたい人にとって、競合の順位も含めて効果測定することで、機会損失していることを知ることは大きなチャンスでもあります。 SEO競合比較 ※上記の青線のグラフは、左右とも同じサイト、同じ時期の順位です。 競合比較データがないと、誤った情報を見てしまっている可能性があります。  

失敗パターン5:キーワード単位でチェック

仮にウン万ワードを監視対象としてキーワード順位を定期的にチェックしたとしても、キーワード単位で見ていてはあまり意味がありません。ウン万ワードの順位を暗記できる人は滅多にいないため、ウン万ワードの順位取得をしたとしても、結局意識してチェックするワードは30とか50とかに限定されがちです。それではウン万ワードの順位取得をしていても、50ワードチェックしているのと大差ありません。 【失敗を避けるための対応】 リスティング広告では、キーワード単位ではなく、広告グループやキャンペーンで効果測定するのと同様に、SEOキーワードもキーワードグループを作成し、キーワードグループ毎にチェックするのが現実的です。漫然と全てのキーワードを眺めていても、改善点は見えません。有用な条件でキーワードをグルーピングし、順位や流入数などの各指標についてのベンチマークや目標値を設定し、実際の数値と比較して効果測定することで、改善点が明確になります。  

SEOキーワード選定と効果測定 まとめ

SEOキーワード選定と効果測定をうまくやるために、ぜひ次の方法を確認/実施してみてください。 ・成功パターン1:ビッグワード+ミドル〜テールワードまである程度広範に選定する ・成功パターン2:ノンブランドワードを効果測定/監視対象にする ・成功パターン3:前任のSEOレポートの意味を問う ・成功パターン4:キーワード順位の自社/競合比較を行う ・成功パターン5:キーワードグループでのSEO効果測定/監視を 現在DemandSphereではSEOを中心とするオーガニックマーケティングの現状分析から戦略立案、実行と分析による継続的な伴走型支援サービスを提供しています。DemandSphereのストラテジストとのオンライン相談またはDemandMetricsの無料トライアルは下記問い合わせフォームからお問い合わせ下さい。