米PR会社マネージングディレクターが語るSEOとPR

米PR会社マネージングディレクターが語るSEOとPR

Econsultancy社のマーケター250名の調査によれば、52%のマーケターは組織内でSEOとPRは連携して業務を行っており、71%はPR会社はSEOのエキスパートだと捉えています。マーケターの61%はSEOの知識と経験が社内で不足していると答えていて、SEOのスキル面でPR会社を頼りにしているのです。  

USのPRの現状をPRスペシャリストへヒアリング

Ginzamarketsサンフランシスコ本社では、SEOを取り巻くマーケティング要素について、”FOUND Friday”としてゲストを招きディスカッションをしています。今回、IT企業をクライアントとするHotwire Public Relations社で、ニューヨーク/サンフランシスコオフィスのマネージングディレクターを務めるレスリー・カンピージ氏に、「SEOとPRの関連性」についてお伺いしました。
右:Hotwire Public Relations, マネージングディレクター, レスリー・カンピージ氏 左:Ginzamarkets, COO, エリン・ロビンズ・オブライアン
 

SEOもPRも重要性が理解されていない

まず「SEO」と「PR」、この2つに共通しているテーマは、マーケターが本当の意味で、これらの重要性を理解していないことだと言えるでしょう。「PRの役割は、ただプレスリリースを送ることだけではない。SEOはGoogleで1位を取ることだけではない。」と表現すれば、意図が伝わりやすいでしょうか。  

コンテンツSEOへのシフトはPR(広報)にどんな影響を与えるか?

かつてのSEOはとにかくキーワードにフォーカスしていました。SEOはキーワードを上位表示することだと捉えている人も、まだいることでしょう。しかし、Googleが良質なコンテンツを重要視するようにアルゴリズムを変更して以来、SEOは単なる順位のハッキングから良質なコンテンツづくりへシフトしています。 SEOがコンテンツ重視になっていることは、PRとの垣根がより縮まっていることを示すと考えています。クライアントがPRとSEOを連携させたいと考えることが増えました。  

“get found”されるための活動をしている人は、同じチームの一員

製品を作っているのであれ、サービスを提供しているのであれ、それらが”get found”されるように企業は試みている。個々のミッションが何であれ、多くの人に見つけてもらい、購入してもらう ― ファインダビリティに関わる仕事をしているのではないでしょうか。 適切なターゲットに見つけてもらうことはビジネスにおいて本質であり、そのためのアクションをとっているメンバーは、同じチームの一員と捉えられるのです。  

SEOとPR(広報)は「旬の話題」への相性でも共通性がある

今は、多岐に渡るチャネルから”get found”される時代。我々は、いつ、どのチャネルで”get found”されているのか把握する必要があります。そして、見つけられるコンテンツの多くは、「ニュース性のある旬な話題」に紐づいているものが多いです。 人々は「旬の話題」への関与度が高く、今、起こっていることを、より理解するために検索をしています。「旬の話題」はSEO、PR共にとても相性がいいのです。ターゲットセグメントは、どのチャネルを経由してあなたが展開する「旬の話題」へアクセスしているでしょうか?  

PRの目的はブランドアウェアネスだけではない

PRはいつも、ブランドアウェアネスのためだけに行われるわけではありません。リスク回避やイメージチェンジのために行われることもあります。今あるブランドイメージを”get found”されることだけがPRの役割ではなく、ブランドの新たな一面を見せたいときには、新しいクリエイティブを用意し、それをみてもらうことで、違いを伝えることにもなります。  

PRは終わったのか?

最近の記事では、SEOもPRのどちらも、「dying?(終わったのか?)」という表現をされることがあります。しかし、私はPRが終わったとは感じておらず、むしろ進化していると感じています。 PR会社の人や企業のPR担当は、以前は同じ領域の人たち同士でコミュニケーションを取る傾向にあった。ただ、ITとソーシャルメディアも活用せざるを得なくなり、PR担当者もマーケターとのコミュニケーションを取るように変わりつつあります。 今は、PR単体で動くのではなく、SEOを含む、様々な経験/スキルのあるマーケターと協力して推進していくことが必要となっている。よりドラスティックな試みとして進化しています。  

PRの効果測定をしているか?

PRの効果測定も、SEO/コンテンツマーケティングのパフォーマンスチェックの一環で行う事が出来ますね。  

まとめ

SEOとPRの関わりについて、マーケットの変化(IT化/ソーシャルメディア)、マーケターの意識の変化、PR会社の進化、と話を聞いてきました。USでは、SEOとPRは同義語で使われることもあるくらいに、密接な関係を持つようになりつつあります。そしてSEOとPRの距離が近づくことにより、面白いことに、PRの効果測定もSEO観点で行う選択肢があるのです。 FOUND Fridayの内容(英語)については、こちらよりご覧頂けます。