昨年10月に、Googleが世界のスマートフォン調査結果データとそれを分析する機能を持つ「
Our Mobile Planet」を無料公開しました。世界30カ国で行ったスマートフォンユーザーに関する調査結果データであり、スマホSEOに関する内容も含む、非常に有用な情報ソースです。実用的なデータも多く含まれるため、日本における、特にスマートフォンSEO/検索周辺に関連する内容を紹介します。
Our Mobile Planetとは
Our Mobile Planetは、2011年10月にGoogleがモバイルマーケティング協会などと協力して実施した、世界30カ国30,000人のスマートフォンユーザーを対象として実施した、スマートフォンに関する意識・行動調査とその結果データ、並びに自由に分析することができるGoogleの公式サイトです。
※Googleブログ:
世界のスマートフォン利用に関する大規模調査サイトを公開します
※TechCrunch記事:
Google、世界のスマートフォン利用データと分析ツールを‘Our Mobile Planet’で無料公開
Our Mobile Planetがどういったものかの詳細説明は、公式ブログやTechCrunch記事を見て頂くこととして、さっそくいくつかのデータを紹介します。
スマートフォンの利用シチュエーション
いきなり検索関連のトピックをはじめる前に、スマートフォンの利用シチュエーションとして、利用理由、利用場所、接続時間についてみてみます。
スマートフォンの利用理由

利用理由の上位3位は、
1.通勤通学や外出時でパソコンなどのネット端末が近くにないから
2.電車やバスの待ち時間の暇つぶし
3.すぐに答えを知りたいときに瞬時に答えを教えてくれる
暇つぶしはガラケー時代から言われる通りですが、1と3は、何か気になることがあるときに、手元にパソコンがない、でもスマホがあるから使っている、そんな利用理由が見えてきます。
スマートフォンの利用場所

利用場所の上位3位は、
1.自宅
2.外出先
3.店内
この3つ以外でも、会社(74%)、公共交通機関(67%)、レストラン(66%)も、多くの人が利用する場所として回答しています。自宅と会社以外は、一般的にはパソコンでのインターネットはできず、スマートフォンのいつでもどこでもメディアの本領発揮です。
接続平均時間:スマートフォン vs パソコン

オンライン接続の平均時間をスマートフォントパソコンで比較すると、じっくり使うパソコンと、ささっと使うスマートフォンという違いがあります。このあたりは、自分自身の肌感覚とも同じですし、各種一般公開されている調査結果とも同じような内容です。
検索時の閲覧ページ数、検索対象、検索後の行動
検索関連の調査結果は、やはりGoogleならではです。
閲覧する検索結果ページ数

ここは、正直思っていた以上にスマートフォン利用時とパソコン利用時で違いが出ています。端的に言うと、スマートフォンでは検索結果2ページまでしか見られません。これはスマートフォンを意識したSEOを行う際、PCのSEOとは違った点を考慮する必要があることを意味すると思います。
※スマートフォンの検索は、位置情報に基づく違いはありますが、現状PCと同じ結果であり、必要とされるSEO施策は、別段スマートフォン検索特有のものはないのが現状です。SEMリサーチさんにQAでうまくまとまっていますので、是非
こちらを参照を。
検索対象

検索対象の上位3位は、
1.ウェブサイトの検索
1.一般的な検索
3.ルートや地図の検索
個人的に一番知りたい情報でしたが、、、色々なものを検索しているということですね。
地域情報の検索後の行動

地域情報の検索後の行動の上位3位は、
1.地図をチェック
2.お店を訪問
3.ウェブサイトを訪問
地域情報の検索後の行動ということで、かなり限定的なシチュエーションではありますが、お店を訪問というのは、外出時に利用されるスマートフォンならではではないでしょうか。確かに個人的にも、お金をおろしたいからATMのある近くのコンビニを探す、ちょっと休憩したいから近くのカフェを探す、といったことは、常日頃行っています。
補足
個人的には、スマートフォントパソコンの検索キーワード自体・検索結果の違いがわかるデータがあればと思いましたが、無料で使えるデータにそこまで無理は言えません。(私の知る限り、パソコンとスマートフォンで検索キーワードが相当違うサイトも多いです)現状、スマートフォンのSEOは、施策自体はPCと変わりません。
しかし、検索結果の閲覧ページ数の違い、また検索キーワードの違いなどもあり、今後スマートフォンからの検索流入の増加に伴い、スマートフォンSEOも無視できない存在になりそうですね。(もともとガラケー利用の多かった、例えばアルバイトやエステなどの領域では、既にスマートフォンは本丸だとは思いますが)