検索ユーザーのニーズを捉えたコンテンツ運用はSEOにおいて重要です。当然ながら、ニーズは時間とともに変わります。変化するニーズの一部は、「トレンド」のように大きく育ちます。継続的に成長するトレンドを抑えることはもちろん大事ですし、一時的なトレンドでも、ミドルワード、スモールワードの1年分の検索ボリュームに匹敵するようなトレンドになるケースもあります。
他社よりトレンドの兆しを素早く捉えてコンテンツ化できれば、ニーズの変化が自社にとっては検索トラフィック獲得のチャンスとなりますので、SEO担当者にとって、トレンドを捉えたコンテンツをタイムリーに出せることは、トラフィックを獲得する上で有効な武器になります。
しかし、トレンドを捉えたコンテンツでSEOを行うには、すでに一定の検索ボリュームのあるキーワードを追うSEOと異なり、「トレンドを捉える」という難易度の高い作業が必要になります。
トレンドを捉えるには、基本的には、日々流れる多くの情報に触れることが必要だと思いますが、今回の記事では、手軽に多くのトレンド情報に触れる方法をご紹介します。
1. ウェブメディア
ウェブメディアは、トレンドを発信していますので、まず最初に参考にするべき情報源です。Yahoo!ニュースのように総合的なニュースメディアもあれば、ファッション、グルメ、旅行など各ジャンルに特化したメディアもありますが、自社で発信したいテーマに関連したメディアのコンテンツは、トレンドを捉えるために、少なくともチェックが必要です。
ウェブメディアの数多くのトレンド情報から、流行のテーマ、人、言葉、思想などをピックアップしていくことができます。収集した情報で気になったものは、下記のように一覧でまとめても良いでしょう。
自社に関連するトレンドのトピックをまとめておく
手っ取り早くトレンド情報を把握したい場合は、記事のタイトルだけを中長期で集めてくる方法もあります。タイトルには、その記事のテーマや主張が端的に表現されているため、情報収集する上で、効率的です。
関連領域のニュースタイトルから効率的にトレンド情報を集める
トレンドは日々生まれるため、トレンドに日々接して肌感覚を養うことも大事です。毎日チェックできるよう対象のメディアをRSSリーダーに登録、ソーシャルメディアでフォロー、Googleアラートでチェックするなどして、各種ツールを自分の使いやすいように設定し、できるだけ負担なく多くのトレンドに触れられるようにしておきましょう。
毎日トレンドを取得するために各種ツールを自分好みに活用
2. ソーシャルメディア・ブログ
ソーシャルメディアでは、マスメディアやウェブメディアで話題になったものが拡散されていくこともあれば、ソーシャルメディア内でトレンドや話題が生まれることもあります。どちらの場合でも、トレンドを把握する上で重要な情報源です。いくつか典型的な方法を紹介します。
まずは、Twitterで、トレンドをキャッチしたいジャンルのインフルエンサー/情報の早い人を積極的にフォローしておきましょう。誰をフォローすれば良いかが分からない場合、まずはMoz社が提供するfollowerwonkを使ってみると良いでしょう。Twitterプロファイル情報から、関連領域に興味のあるユーザーを探し、更にそのユーザーのソーシャルオーソリティ(ソーシャルメディア上での信頼性を表す指標)と合わせて確認することができます。まずは、このリストに出てくるユーザーをフォローするところから始めてはいかがでしょうか。

参照:followerwonk
https://moz.com/followerwonk/
Twitterのハッシュタグもトレンドを知る上で有効な方法です。継続的にウォッチするハッシュタグを決めておき、そのハッシュタグでポストされる内容をチェックしトレンドを把握します。また、ハッシュタグのランキングサイトで、順位の変動をチェックしておき、順位が急上昇したハッシュタグがあった時に、そのポストを確認し、どういった背景があるかを把握することもできます。

参照:ハッシュタグクラウド
https://hashtagcloud.net
はてなブックマークも、ウェブ上で話題になる記事を探す時に便利です。はてなブックマークのサイトの人気エントリー(ホッテントリ)では、各テーマ(総合、一般、世の中、政治と経済、暮らし、学び、テクノロジー、おもしろ、エンタメ、アニメとゲーム)別に話題の記事が掲載されています。ソーシャルメディアでバイラルする際の最初の着火剤になることが多いはてなブックマークですので、ソーシャルでバイラルするコンテンツがどういったものかを知る上で便利なサイトです。

参照:はてなブックマーク
https://b.hatena.ne.jp
同じはてな社の別サービス、はてなキーワードでは、話題のキーワードをカテゴリー別にチェックすることができます。各キーワードが、どのニュースやどのブログ記事と関連しているかが整理されているため、キーワードが話題になっている背景も分かりやすくなっています。話題の背景やブログでの取り上げられ方まで整理されているため、キーワードのインテントを狙って記事を作りたいSEO担当には非常に助かります。

参照:はてなキーワード
https://d.hatena.ne.jp/keyword/
3. 検索キーワード
トレンドが検索キーワードとして表現されるまで若干時間がかかりますが、検索トラフィックを獲得するためにトレンドを捉えるのであれば、当然重要な情報源です。上述した方法などで捉えたトレンドが、どういった検索キーワードになったかをチェックしましょう。
ご存知Googleトレンドでは、今人気の話題と任意のキーワードの検索ボリュームの時系列推移が確認できます。複数のキーワードで比較できるため、検索ボリュームの増加率の大きさなども可視化することができて、やはり非常に便利です。

参照:Googleトレンド
https://www.google.co.jp/trends/
また、Google、ヤフーの検索結果に出てくるサジェストワードも使えます。Google、ヤフーで検索する際にテキストを入力すると、検索ボリュームが多めの関連ワードが表示されます。このサジェストワードに新しく表出してきたワードは、ホットなキーワードだと言えるでしょう。
新しく追加されたサジェストワードでトレンドを把握
まとめ
SEOを意識したコンテンツ運用において、トレンドを捉える方法を紹介しました。
- ウェブメディアで話題になったテーマはトレンドになっていく可能性が高いため、自社に関連する領域のメディアの記事やタイトルを継続的にチェックしておきましょう。
- ソーシャルメディアがトレンドの起点になることもあります。トレンドの起点になりやすいインフルエンサー、はてなブックマーク、ハッシュタグなどを利用して効率的に情報収集しておきましょう。
- トレンドは検索キーワードにも表れてきます。各トレンドがどういう検索キーワードになったかをGoogleトレンドやサジェストワードを活用して可能な限り早く確認しましょう。
自分に合ったやり方を活用して、多くのトレンド情報に触れる仕組みを作って頂けたらと思います。