本記事では、超高齢社会で需要が高まり続ける4領域において、多角的かつ戦略的に事業を展開するエス・エム・エス社(以下、エス・エム・エス)に取材を行い、同社におけるSEOの位置づけや体制、そしてDemandMetricsの活用方法についてご紹介します。
今回の取材を通じて感じたのは、エス・エム・エスがSEOを単独の施策としてではなく、ユーザー理解と事業価値向上を支える基盤として捉えている点です。DemandMetricsを起点としたデータ活用は、その考え方を具体的な運用に落とし込むための重要な要素となっています。
〜このようなお悩みを持つ方におすすめ〜
- チームとしてSEOをどのように運用すべきか模索している
- 複数サイト・大量クエリのデータをどのように可視化すればよいか悩んでいる
- 可視化したデータを社内の意思決定や施策にどのように活用すべきか悩んでいる

社会課題と向き合い続けるエス・エム・エスの事業領域と強み
エス・エム・エスは、「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」というミッションのもと、医療・介護・障害福祉、ヘルスケア、シニアライフの4領域で事業を展開しています。
各領域において複数の専門サイトを運営しており、特に医療・介護領域では、看護師や介護職を中心としたキャリア支援事業を展開しているそうです。全社で約40のサービス・プロダクトのうち、約20サイトがキャリア事業に該当するとのことです。
「幅広い面から高齢社会の課題を解決・支えることが会社の使命。SEOは、情報インフラを構築し、社会貢献を具体的に実現するための必要不可欠な存在である」とEA推進の多田様は話します。
SEOを“担当者の施策だけ”で終わらせないーー組織の垣根を超えたエス・エム・エスの共通思想

SEOは集客の中核を担う重要な施策として位置付けられており、佐藤様が所属するキャリア事業の約20サイト(ウェルミージョブ、ナース専科転職、カイゴジョブエージェント、保育士人材バンクなど)においてもSEOの重要性は高いとのこと。この点について、SEO推進グループの佐藤様は以下のように語っています。
「私たちにとってSEOは、単に検索順位で上位を目指すためだけの施策ではありません。大切なのは、ユーザーが本当に必要としている情報に迷わずたどり着き、そこで納得や安心感を得られることです。そうしたユーザー体験が信頼や行動につながり、最終的に売上や利益という事業成果として表れてこそ、初めて事業会社におけるSEOの価値を発揮すると考えています。」
また、EA推進の多田様はこう語られました。
「Googleのアルゴリズム変化に合わせて短期的に対処するのではなく、ユーザーが求めてる情報を的確に提供することが重要だと考えています。ユーザーの意思決定をゴールとした、本質的かつ持続可能なSEO戦略の結果として、順位や流入がついてくる、という捉え方です」
こうした考え方は、エス・エム・エスがSEOをマーケティング施策の一部としてではなく、ユーザー体験を起点とした事業基盤として位置付けている点に特徴があります。この思想は経営層から現場まで共通認識として浸透しており、ページスピードやクローラビリティといった技術的な指標についても、経営レベルで議論されるテーマになっています。
全社的な重要課題として専門性を活かせる環境があるため、佐藤様も多田様も数年前にエス・エム・エスに入社された時にはすでに社内でこのような思想が浸透していたそうです。

体制面についても、媒体ごとにSEO担当者を配置するだけでなく、横断的な支援体制を整えている点がエス・エム・エスの特徴。佐藤様は、「各サイトでSEO施策を完結させるのではなく、成功事例や失敗事例を横断的に共有しないと、組織としてのSEOの再現性が高まらない」と語っていました。
その一例として挙げられたのが、成功事例や課題を共有するため毎月社内で開催されているSEOライトニングトーク会。「媒体ごとに成長フェーズは違いますが、考え方や判断軸は共有できる部分が多い。メンバーによってSEOのレベルも異なるので、短い時間でも定期的に話す場を持つことで、個々の成長を加速させる仕組みが生まれます」とも佐藤様は話します。
また、SEOはマーケティング部門だけの取り組みではなく、プロダクトやエンジニアリングとも密接に連携しているとのことです。「部門を超えたテクニカルSEOに対する重要性の共通認識が、組織の実行力を高めています。ページスピードやサイト構造といった技術的なテーマも、SEOの話題として経営や開発と自然に会話できている」と佐藤様は振り返ります。SEOが部門をつなぐ共通言語として機能している点が、エス・エム・エスの体制を支える重要な要素だと感じられました。
こうした体制の中で、SEOデータの把握と意思決定を支える基盤として活用されているのがDemandMetricsです。佐藤様は、「DemandMetricsは特別な分析ツールというより、毎日の業務の中で自然に立ち上げ、異変や変化に早く気付ける状態にできるインフラ」と表現していました。
以下では、その具体的な活用ポイントを3点ご紹介します。
1. 同じデータを見るところから始まる、DemandMetricsのカスタムダッシュボード運用

各媒体の担当者は、日常的にDemandMetricsのレポート機能を確認し、登録されている数十万の大量のクエリについて順位推移や可視性を継続的にチェックしています。佐藤様は、「定例の場では、まずDemandMetricsのデータを見るところから会話が始まります」と話します。数値や状況を口頭で説明するのではなく、同じ画面を見ながら議論することが、チーム内の認識を揃えるうえで重要だと考えているそうです。
その一環で行なっていることが、「DemandMetricsのカスタムダッシュボードを共通フォーマットで扱う」こと。媒体間のパフォーマンス差や構造的な課題が可視化され、改善の優先順位を判断しやすくすることが目的だそうです。現在では、各部長・マネージャー層が担当する媒体以外のトレンドなど、俯瞰的に状況を確認するための材料としても活用されています。
この点は筆者であるカスタマーサクセス井上にとって最も印象的なポイントでした。
2.「何を見るか」を揃える──DemandMetrics活用を支える運用設計

複数サイト・大量のクエリを扱う運用では、
- データは見ているのに意思決定につながらない
- 担当者ごとに指標の見方が異なり、議論が噛み合わなくなる
といった課題が起こりがちです。この点について多田様は、「データが多いほど、まず“何を見ればいいか”を揃えないと、かえって判断が難しくなる」と話していました。
そこでエス・エム・エスでは、すべての指標を一律に追うのではなく、まずはチーム内の共通言語として扱える最低限の指標と画面を定めることを重視してきたそうです。
佐藤様も、「最初から完璧な分析基盤をつくろうとすると、運用が回らなくなってしまう。まずはチーム全員が同じ景色を見られる状態をつくることを優先しました」と振り返ります。先ほど登場したDemandMetricsのカスタムダッシュボードを共通フォーマットで扱うことも、まさにこの一環と言えるでしょう。
そして運用が定着してきた段階で、API連携や分析の高度化を段階的に進めてきたとのこと。「最初はシンプルでも、必要になったタイミングで拡張できる余地を残しておくことが重要です」と多田様は語ります。
3. DemandMetricsを分析ツールで終わらせない、データ連携と活用の深化

エス・エム・エスでは、DemandMetricsを単体の分析ツールとして完結させるのではなく、CSVやAPIを通じて取得したデータを社内のデータ基盤に連携しています。今後は連携されたデータは、求人件数や成約数といったファーストパーティーデータと掛け合わせて分析したいと考えているそうです。
この背景について佐藤様と多田様は、「SEOの順位だけを見ていても、それが事業にどう効いているのかは判断しづらい」「順位が上がったという事実よりも、その変化が応募や成約にどうつながっているのかを説明できる状態にしたかった」と話していました。
DemandMetricsのデータを事業データと接続することで、「どの施策が、どの指標に、どの程度影響を与えたのか」を立体的に捉えられるようになりました。単なる可視化にとどまらず、事業成果に直結する意思決定の材料としてSEOデータを扱えるようになった点は、大きな変化だと感じているそうです。
すでにDemandMetricsを導入しているものの、レポート閲覧や順位確認にとどまっている企業にとっては、SEOデータを“事業データの一部”として再定義するための、一歩踏み込んだ活用例と言えるでしょう。
こうした取り組みからは、エス・エム・エスがSEOを一過性の施策ではなく、事業全体を理解・改善するためのデータとして位置づけていることがうかがえます。役割や職種に関わらず、DemandMetricsをはじめとしたデータを起点に議論し、事業成果とのつながりを重視する姿勢が、日々の意思決定の前提となっているようです。
AI時代に向けて事業基盤としてのSEOを磨き込む、エス・エム・エスの展望

エス・エム・エスではSEOの内製化とデータ活用の高度化を、引き続き重要なテーマとして推進していく方針だといいます。その中でも、多田様は「今後はAPI連携を前提とし、社内にある様々なデータと立体的に掛け合わせてモニタリングできるようなデータ基盤づくりがより重要になる」と考えているそうです。
さらに「DemandMetricsのデータを安定して取得し、他の事業データと自然に結び付けられる状態をつくることで、分析の幅は大きく広がります。順位を見るためのデータではなく、今後はこれまで以上に事業戦略やプロダクト戦略などの意思決定に使えるデータとして扱っていきたいと考えています。検索の結果を返す、という点では広告もSEOも同じものと捉え、分析できるような基盤を整えていく想定です。」とも語られました。
佐藤様は「AI オーバービューや生成AIの普及によって、検索結果の見え方やユーザーの行動は確実に変わってきています。これまでのように順位だけを追っていても、十分ではない場面が増えていくと感じています」と話していました。その上で、エス・エム・エスがこれまで培ってきたアセットを活かしつつ「どのような形で露出しているのか」「ユーザーとどこで接点を持てているのか」を、検索エンジンだけでなく、検索以外のチャネル(SNSや動画、イベントなど)も情報接点として扱う視点が今後ますます重要になるといいます。
AI時代の検索結果の変化に対応するため、ビジネスデータとSEOデータを組み合わせた次世代のデータ活用が、SEOを単独の施策としてではなく、事業全体のユーザー理解を深めるための基盤として進化させていく重要性が感じられました。
株式会社エス・エム・エス会社概要
【会社名】株式会社エス・エム・エス(英語表記)SMS Co., Ltd.
【設立】2003年 4月4日
【市場情報】東京証券取引所プライム市場(証券コード:2175)
【従業員数】連結:4,528人、単体:3,049人(2025年3月31日時点)
【関連会社】国内:4社、海外:アジア・オセアニア等16の国と地域
【ミッション】「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」
高齢社会に求められる領域を、医療・介護/障害福祉・ヘルスケア・シニアライフと捉え、価値提供先であるエンドユーザ・従事者・事業者をつなぐプラットフォームとしての情報インフラを構築し、40以上のサービスを展開
Webサイト:https://www.bm-sms.co.jp
採用情報:https://www.bm-sms.co.jp/recruit/
DemandMetricsについて
DemandMetricsは多くの大規模サイトから支持される、SEOモニタリングの定番プラットフォームです。検索順位モニタリングだけでなく検索結果画面そのものを解析する独自技術が高く評価されています。初期費用無料で月額5万円から、本格的なSEOワークフローが構築できます。
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