こんにちは、DemandSphere CEO のレイ・グリセルフーバーです。
Google は8月26日、オーガニック検索結果のリンクに google.com/goto 経由のリダイレクトを導入していることを認めました。DemandSphere でも、SERP フィーチャー機能などで同じ挙動が確認され、ユーザー様からもお問い合わせをいただきました。
検索するだけの利用者には、ほとんど気づかない変更です。しかし、検索結果を分析している専門家にとっては、大きな変化であり、SNS などでも様々な意見が寄せられています。本記事では、当社の観点から見たこの問題と対策についてお伝えします。

検索結果のリンクが中継リンクに
今回のGoogle の変更によって、検索結果画面上のリンクが google.com/goto?url=[識別子] という中継 URL を指すようになりました。クリックするといったんこの URL を経由し、その後、本来のランディングページへリダイレクトされる仕組みです。一般ユーザーにとっての検索体験はほとんど変わりません。
問題となっているのは、検索マーケティングを専門とする方々の計測です。これまでは HTML を見れば、そのリンク先がわかりました。今後は、HTML 上に google.com/goto しか現れないようになります。すると、検索順位の 1位から100位まですべて google.com ということになります。これでは、自社も競合も正しく分析できないでしょう。
弊社の観測では、Google にログインした状態でも、このリダイレクトが発生するケースとそうでないケースがありました。どの条件で適用されるのかを、Google は公開していません。
Google は不正利用への対策と説明
Google の広報担当者は、Search Engine Roundtable の Barry Schwartz による問い合わせに対し、次のように回答しています。
「私たちは、進化し続ける不正利用に対して技術的な対策を講じてきた長い歴史があります。サービスと利用者を守るための措置も、日常的に実施しています」
Google が公式に述べているのは、これだけです。”不正利用” とは何のことを指しているのでしょうか。
米国では、一般に公開されたウェブデータへのアクセスについて、CFAA(Computer Fraud and Abuse Act = 不正アクセス防止法)は限定的とする判例が重なってきました。
例えば LinkedIn の公開プロフィールにアクセスすることは違法ではない、といった判断が知られています。もちろん、公開データなら何をしてもよいという意味ではありません。利用規約違反、著作権等はそれぞれ別の論点であり、公開データの取得全般について適法性が確定しているわけではありません。とはいえ、Google の検索結果画面を取得することについては、何十年も SEO 業界のエコシステムに組み込まれ、大きな争いもありませんでした。
しかし Google は 2025年12月、自社の取得対策技術を回避したとして、検索結果の API を提供する SerpApi を DMCA 違反で提訴。やや複雑な話ですが、すでに判例が出ている CFAA ではなく、著作権関連の DMCA 違反として訴えている点がポイントです。しかし 2026年7月20日、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所は、この請求を却下。Google は8月10日に修正訴状を提出。SerpApi はこれに対して、改めて却下を申し立てている状態です。
Google は SERP を取りにくくし続けている
そもそも Google は法的措置のみに頼っているわけではありません。近年は bot 対策を強化し続けています。2025年1月には JavaScript を実質的に必須化。SEO ツール業界では、SERPocalypse と呼ばれる大問題となりました。同年9月には num=100 パラメータが使えなくなり、100件の検索結果を1リクエストで取得する方法が失われました。そして2026年の goto リダイレクトです。
仕組みはそれぞれ違いますが、Google の検索結果を大量に取得するのは困難になっています。なぜ近年こうした動きが活発なのかというと、AI ブームが関係しているでしょう。AI は大量の検索を実施し、Google に多大な負荷をかけています。さらに「AI の時代は Google は不要」などと言われては Google にとっても面白くはないでしょう。
先に触れた SerpApi も AI ベンダーにデータを提供していると噂されており、それゆえに訴訟の対象となってしまいました。
Google のこうした動きは今後も増えていくかもしれませんが、我々は Google や主要検索ベンダーの動向をウォッチし続ける使命があります。確認された変更は Google アルゴリズム・AI 検索アップデートトラッカー に記録しています。無料で公開していますので、今回のリダイレクトに限らず、Google 検索がどう変わってきたのかを振り返る際にご活用ください。
サイト運営者がいま確認すべきこと
現時点で、自社サイトの URL 設定、Google アナリティクス、Search Console について変更が必要だという情報は確認されていません。あわてて何か対策をする必要はありません。ただし今後の挙動は引き続き確認が必要です。
注意したいのは順位レポートです。8月下旬を境に自社の検索露出が急に落ちた、シェア・オブ・ボイスだけが下がった、競合ドメインの数字が不自然だといった変化が出た場合、まずサイトを疑うのではなく、計測ツールです。技術的に対応可能か、システムがその変更に耐えられるか、といった点をご確認ください。
DemandSphere の対応状況
DemandSphere では、すでに問題を検知し対応方針を決定しました。まず重要なレポートから修正を実施し、広範な機能については段階的に修正を適用します。
- Google による URLマスキングとして DemandMetrics にてバナー表示
- 順位データには修正を適用済み
- URL が関連する各種機能については順次修正を適用
- 今後終了する機能等はございません
今回の変更は技術的な解決策はすぐに見つかりましたが、製品としての変更箇所が多く、機能によっては修正されるまでお時間いただく場合がございます。ご理解をいただけますと幸いです。
レポートの数値に不自然な点があれば、担当のアカウントマネージャーまでご連絡ください。すぐに対応いたします。

