私たちは 15 年以上、検索結果画面の分析を続けてきました。だからこそ、いまの AI の回答には既視感があります。
ChatGPT や Perplexity に商品について質問すると、返ってくるのはテキストと数本のリンクではありません。商品カルーセル、比較表、引用元のリスト、追加質問の候補。どの要素をどの位置に出すかは、すべてプラットフォーム側の選択です。AI の回答は文章のふりをしていますが、実態はレイアウトされた画面です。10本の青いリンクが SERP 要素の集合体に変わっていったのと、同じことが起きています。
新機能「チャットフィーチャー」は、AI 回答の中のこれらの構成要素を、SERP トラッキングと同じ考え方と精度で計測する機能です。AI の回答を要素単位で分析できる仕組みは、私たちの知る限り、ほかのツールにはありません。

メンションと引用だけでは、何も解釈できない
この2年ほど、生成 AI 検索の計測といえば、自社ブランドが回答に登場するか、引用リンクが張られるか、という点が中心でした。日本で LLMO や GEO と呼ばれている取り組みも、多くはここから始まっています。
ただ、計測を始めた方ほど、もどかしさを感じているはずです。言及と引用のどちらをどう重視すべきか。米国でも日本でも、よく聞く悩みです。
SEO は同じ問題を一度通過しています。順位が3位でも、上に AI オーバービューと広告4本が載っていれば見え方はまるで違います。かつてアンサーボックスや FAQ マークアップが普及した際に、一定の成果をあげた実績もあります。だから DemandMetrics は SERP 要素や実際の視認位置を記録してきました。
AI 回答も同じです。プレーンテキストと画像付きの商品カードでは影響が違いますし、リンクも回答末尾に畳まれているのか比較表に組み込まれているのかでクリックされる確率が変わるでしょう。GEO / AEO はまだまだ黎明期で、私たちは様々な指標を駆使して解像度を高めて、この変化を注視する必要があります。
何を計測するのか
チャットフィーチャーは、取得したすべての回答について次の点を記録します。
- どの構成要素が表示されたか(地図、ショッピング機能、商品カード、画像、動画など24種類以上。今後さらに追加されます)
- 各要素がどのスロットに、どの順序で並んだか
- 要素のピクセル計測
- 各要素の中にどのブランドが登場したか(競合を含みます)
- 前日から何が変わったか(注目しているフィーチャーへのアラート付き)
一覧にすると簡素に見えますが、生成のたびに揺らぐ AI の回答を安定してレンダリングし、ピクセルまで実測するのは簡単な仕事ではありません。SERP 計測の経験があって、ようやく形にできた機能です。
なぜ今なのか
SERP 機能が検索結果画面を塗り替えていく過程を、私たちは最前列で計測してきました。変化は一度には来ません。小さな表示変更が積み重なり、気づけば景色が別物になっている。AI の回答はいま、その途中にあります。文脈を無視して言及と引用だけを数える計測は、遠からず成り立たなくなるかもしれません。
プラットフォーム間の差も想像以上に大きい。同じ質問でも、ショッピングカルーセルが出るところ、引用リストになるところ、文章だけのところがあり、この挙動は予告なく変わります。最近だと、Google でも ChatGPT でも、有料広告がスタートしたタイミングで無料枠が減少していることが確認できました。AI 時代以前にも見られた現象ですね。
ご提供について
チャットフィーチャーは DemandMetrics for AI サーチの一部として、UI と API から利用できます。SERP インテリジェンス(BigQuery データウェアハウス)をご契約のお客様は、そちらでもデータを扱えます。
生成 AI 検索の計測は、業界全体でまだ手探りの領域です。この機能が、何を見ればいいのか分からないというもどかしさを解きほぐす一助になれば幸いです。ご不明な点があれば、担当のアカウントマネージャーまでお問い合わせください。

