Google の偽の検索結果をどう見分けるか:DemandSphere の新しい判定の仕組み

Google の検索結果を自動で取得する環境が、大きく変わっています。Google は自動アクセスへの制限を強めてきており、特に2026年9月以降は、SEO 分析ツールが従来の方法で安定してデータを集めることが難しくなりました。

さらに今、取得できないこととは別の、厄介な現象が起きています。実際の Google 検索結果とは異なるページが、正常な検索結果であるかのように返ってくるのです。

検索順位が突然下がったとき、それは本当に Google 上で起きた変化なのでしょうか。それとも、データを取得する過程で起きた異常なのでしょうか。この区別が難しくなっていることは、SEO 業界全体にとって大きな課題です。

DemandSphere では、偽の検索結果を自動で見つけ、取り直し、印をつける仕組みを新たに導入しました。検索データに透明性を。オブザーバビリティ機能の追加で、偽の結果については次の記事で詳しくお伝えするとお約束していました。本記事では、いま Google の検索結果に何が起きているのか、どのように見分けているのか、そして判定の結果を画面でどう確認できるのかをご紹介します。

正常に見える検索結果が、実は正しくない

Google の検索結果ページは、SERP(Search Engine Results Page)と呼ばれます。SEO 分析ツールは SERP を定期的に取得し、キーワードごとのサイトの掲載順位と、その変化を記録しています。

これまでは、取得に失敗すればエラーや CAPTCHA(人間によるアクセスかどうかを確かめる認証画面)が表示されるので、問題に気づくことができました。

しかし、いま起きている現象は違います。取得したページにエラーは出ず、レイアウトも正常で、掲載されているサイトも実在します。ところが、そこに並んでいるのは、そのキーワードで本来上位に表示されるサイトではありません。

DemandSphere では、このようなページを偽の検索結果(英語では poisoned SERP)と呼んでいます。偽の検索結果を SEO 分析ツールが正常なデータとして保存すると、実際には起きていない順位の変動がレポートに記録されます。昨日まで上位にあったサイトが、今日突然圏外になったように見えるのです。

偽の結果の出どころはさまざまで、パターンもいくつか見えてきています。調査を続けており、改めて記事にする予定です。もっとも、Google は返し方をいつでも変えられます。特定のパターンに頼るのではなく、検索結果そのものが整っているかを確かめることが大切だと考えています。

実際に起きた例

英国の Google で、「herbal fruit tea」(ハーブフルーツティー)をデスクトップで計測している例をご紹介します。このキーワードでは、数か月にわたって同じ7つのドメインが安定して上位に表示されていました(下の図の左側)。

ところが、ある日に取得したページ(図の右側)では、7つのうち残っていたのは twinings.co.uk と ringtons.co.uk の2つだけでした。しかも、その2つも最下部に移っていました。

herbal fruit tea · 英国 · デスクトップ
通常ランクインしているドメイン
twinings.co.uk
ringtons.co.uk
reddit.com
hollandandbarrett.com
birchalltea.co.uk
pukkaherbs.com
bettys.co.uk
一致率 100%(7つ中7つ)
返されたページ
thes-traditions.com
newenglishteas.com
teapro.co.uk
caffeprima.co.uk
sainsburys.co.uk
immortalwordsmith.co.uk
tesco.com
teas.co.uk
amazon.co.uk
twinings.co.uk
ringtons.co.uk
一致率 29%(7つ中2つ) · 偽の結果
返されたページには、異常を示すものが何もありません。ページは完全で、実在する紅茶の販売店が並んでいます。ただ、どれもこのキーワードで順位がつくサイトではなく、残った2つのドメインはどちらも最下部に押しやられています。青い印は、このキーワードで通常ランクインしているドメインです。

一見すると、このページに問題はありません。実在する紅茶の販売店が並び、ページの構成も正常です。しかし過去の検索結果と比べると、いつも表示されるドメインのほとんどが入れ替わっています。

このページをそのまま記録すると、SEO 分析ツール上では多くのサイトが突然順位を落としたように見えます。実際の Google の順位は変わっていないにもかかわらず、です。これが、偽の検索結果が引き起こす問題です。

取得した検索結果の6.7%が偽の結果

DemandSphere では、偽の検索結果がどのくらい発生しているかを毎日記録しています。2026年10月23日には、取得した SERP の6.7%が偽の結果と判定されました。1,000ページを取得したうち、約67ページで、いつもの検索結果との一致率が40%未満だったということです。

6.7%
取得したページのうち
偽の結果だった割合
2026年10月23日
1つの印が、取得した1ページです。1,000ページのうち67ページが、いつもの検索結果との一致率が40%未満でした。

これは、以前の記事Google が返す偽の検索結果についてで取り上げた問題と同じ種類のものです。Google は、自動アクセスと疑われる通信に対して、意図的に質を落とした検索結果を返しています。

SEO 担当者にとってなぜ重要か

SEO 担当者は、検索順位の変化をもとに施策の効果を評価し、競合サイトの動きを把握しています。取得した検索結果に偽の結果が混ざっていれば、分析も誤ります。

たとえば、実際には順位が変わっていないのに施策が失敗したと判断したり、競合サイトが急上昇したと思い込んだりするかもしれません。アルゴリズムのアップデートによる変動と勘違いして、必要のない対策をしてしまうことも考えられます。

問題は、その日の順位が誤って表示されることだけではありません。偽の結果が過去の順位履歴にたまっていくと、将来の分析や異常検知にも影響します。

だからこそ、いまの SERP 分析には、検索結果を取得する力だけでなく、取得したデータが信頼できるかを確かめる仕組みが必要です。

偽の検索結果を見分ける仕組み

DemandSphere では、取得した検索結果を、同じキーワードの過去の検索結果と比べます。考え方はシンプルです。あるキーワードでいつも上位に出ているサイトが、新しく取得したページにも含まれているかを確かめます。いつものサイトの多くが突然消えていれば、そのページは偽の結果かもしれないと疑います。

仕組みは、次の3つの手順で動きます。

1. キーワードごとに、正常な検索結果の基準を作る

まず、キーワードごとに過去の取得結果を保持します。この基準となるデータを、ベースラインと呼んでいます。ベースラインには、次の履歴を使います。

  • 毎日計測するキーワード:直近30回分
  • 毎週計測するキーワード:直近10回分

次に、ベースラインのページの60%以上に登場するドメインを、そのキーワードで「通常ランクインしているドメイン」とします。herbal fruit tea では7つが該当します。一方、ブランド名のキーワードでは、2つほどになることもあります。

すべてのキーワードに共通の基準を当てはめるのではなく、キーワードごとの過去の検索結果をもとに判定するのがポイントです。

2. 新しく取得したページとの一致率を計算する

次に、新しく取得したページに、通常ランクインしているドメインがいくつ含まれているかを数えます。この割合を一致率と呼びます。通常ランクインしているドメインが7つの場合、次のようになります。

  • 6つ含まれている:一致率86%
  • 4つ含まれている:一致率57%
  • 1つしか含まれていない:一致率14%

一致率によって、ページを3つの状態に分けます。

一致率と判定
例:通常ランクインしているドメインが7つある herbal fruit tea
7つ中2つ
7つ中4つ
7つ中6つ
偽の結果
要確認
正常
0%40%60%100%
40%未満
もう一度取得します。最大3回までです。
40〜59%
使用し、印をつけます。ベースラインには加えません。
60%以上
使用し、ベースラインに加えます。

通常ランクインしているドメインが7つのキーワードなら、5つ以上含まれていれば正常、3〜4つなら要確認、2つ以下なら偽の結果と判定します。

3. 偽の結果と判定したら取り直す

偽の結果と判定したページは、取得し直します。最初の取得を含めて、最大3回までです。途中で正常か要確認の結果が返ってくれば、そのデータを使って終了します。

3回とも偽の結果だった場合は、通常ランクインしているドメインが最も多く含まれていた回を残し、偽の結果として印をつけます。どの場合でも、その日の順位データはお届けします。印は、そのデータをどう扱えばよいかを判断していただくための情報です。

本当の順位変動と、偽の検索結果をどう区別するか

ここで、大事な疑問が残ります。いつもの検索結果と大きく違っていたとして、それが偽の結果なのか、Google のアルゴリズムのアップデートによる変化なのかを、どう見分ければよいのでしょうか。

正直に申し上げると、一致率が低いというだけでは区別できません。アルゴリズムのアップデートでも、Google のテストでも、もともと順位の動きが激しいキーワードでも、同じことが起こるからです。そこで DemandSphere では、さらに3つの観点から確かめています。

1. 取り直すと元に戻るか

最も重要な手がかりで、再取得をする一番の理由でもあります。本当に順位が変わったのであれば、90秒後に元の順位へ戻ることはありません。2回目の取得でいつもの検索結果が返ってくれば、最初のページが偽の結果だったと判断できます。

反対に、3回とも同じような結果が返ってきた場合は、実際に順位が変わっている可能性もあります。データを捨てずに、最も良い回を残して印をつけているのはそのためです。

2. 変化が続いているか

アルゴリズムのアップデートによる変化は、その後も続きます。そこで、前後の日の検索結果を確かめます。前日と翌日は正常で、ある1日だけ大きく変わっている場合、アップデートによるものとはまず考えられません。

オブザーバビリティの記事で紹介した、一時的に順位が落ちてすぐ戻る現象(DnP)の分析と同じ考え方です。

3. ほかのキーワードにも同じ変化が起きているか

アルゴリズムのアップデートでは、関連するキーワードがまとめて動きます。多くは特定の業種に集中し、たいていは公式に確認されます。一方、偽の結果は、互いに関係のないキーワードで、同じ時期にばらばらと現れます。

あらゆる業種にわたって6.7%という割合で均等に起きているのは、アルゴリズムのアップデートとは違う形です。

Search Console など、別のデータとも照らし合わせる

DemandSphere では、取得した検索結果だけで判断せず、別のデータとの照合も重視しています。

その一つが Google Search Console です。Search Console は、Google 検索でのサイトの表示回数、クリック数、平均掲載順位などを確認できる、Google 公式のツールです。DemandMetrics では、Search Console のデータをキーワード単位で取り込んでいます。取得した順位の隣に、同じキーワードの平均掲載順位と表示回数が並ぶので、データを書き出したり手作業で突き合わせたりする必要はありません。

Search Console のデータは、実際のユーザーの検索をもとに集計されており、DemandSphere が SERP を取得する仕組みとは独立しています。たとえば、DemandSphere が取得した検索結果ではブランドが圏外になっているのに、Search Console の表示回数が変わっていなければ、ユーザーが見ていたページは、DemandSphere に返されたページとは違っていたことになります。

もちろん、Search Console のデータも完全ではありません。SEO に携わる方であれば、その問題点はよくご存じだと思います。だからこそ、一つのデータだけを信頼するのではなく、複数のデータを突き合わせて判断することが大切です。

もう一つは、DemandSphere の Google Algorithm & AI Search Update Tracker です。確認されたアップデートとその展開状況を記録しているので、アップデートが原因かどうかをすぐに確かめられます。

それでも、個々のページについて断定できるわけではありません。今回導入した印は、Google の意図を判定するものではなく、その順位データをどこまで信頼してよいかを示すものです。

ベースラインに偽の結果を混ぜない

ベースラインを正しく保つことは、DemandSphere が最も重視していることの一つです。要確認や偽の結果と判定したページは、ベースラインに加えません。

ベースラインは、そのキーワードにとっての正常な状態を決めるものです。偽の結果が混ざると、正常の基準が少しずつずれていき、検索結果を比べるための客観的な基準を保てなくなります。

画面での表示

DemandMetrics では、日ごとの順位データに、次の3種類の印のいずれかが表示されます。

最も良い回を表示しています慎重に扱い、前後の日と比べてください

印 意味 順位の読み方
なし 正常です。ページがいつもの結果と一致しています ふだんどおりお使いください
要確認 いつものサイトの40〜59%が含まれていました おそらく問題ありませんが、その日の急な変動は確かめてください
偽の結果 3回とも40%未満でした。

要確認や偽の結果の日は、たいてい1日だけで終わります。前後の日が正常であれば、そちらを参考にしてください。

3つの判定の日別の割合は、今後オブザーバビリティのダッシュボードで、データ取得に関するほかの情報と並べてご覧いただけるようにします。ダッシュボードは現在開発中で、公開しましたらお知らせします。

これから

これまでもお伝えしてきたとおり、Google の SERP をめぐる状況は大きく変わりました。DemandSphere は、複数のデータを突き合わせること、プラットフォームを素早く改善し続けること、そして状況を隠さずお見せすることで向き合っていきます。

この仕組みが、順位データの読み方を考える皆様のお役に立てば幸いです。ご質問やご意見があれば、お気軽にお知らせください。いただいた内容は、今後の記事で取り上げてまいります。