2016年もGoogleは多くのアップデートを実施しました。本ブログ記事では、SEO担当者が押さえておきたい、検索順位変動を伴う/今後その可能性があるアップデート、また検索結果(SERPs)でのユーザー行動に影響を与える可能性があるアップデートを中心にピックアップして、下記5つの項目について時系列でまとめました。
2016年のGoogleは、モバイル重視のアップデートが多くありました。2月にトップニュース枠にAMP表示を開始し、10月には日本のモバイル検索結果のAMP化まで進みました。また、5月には2015年に続き2回目のモバイルフレンドリーアップデートを実施、11月にはモバイルファーストインデックスを発表しました。
Googleは日々、ユーザーフレンドリーとなるようにアップデートを続けています。自社サイトで、アップデートによる対応が必要なものがないか確認の意味も含め、2016年を振り返っていただければと思います。
1. AMP
Googleは、2015年10月に業界各社と協力して、AMP (Accelerated Mobile Pages) プロジェクトを発足しました。AMP プロジェクトとは、モバイルインターネットの高速化を目指すオープンソースの取組みです。
Introducing the Accelerated Mobile Pages Project, for a faster, open mobile web
AMPプロジェクト専用サイト
AMPプロジェクトに参画しているプラットフォーム一覧
Accelerated Mobile Pages プロジェクトについて — 導入ガイド日本語版を本日公開しました。
2016年はAMPの実用が大きく進んだ1年となり、その動きを時系列でご紹介したいと思います。
2月25日:ニュースを対象とし、モバイル検索結果にAMP対応ページを表示開始
2月25日に、モバイル検索結果にAMP対応ページの表示を開始しました。モバイルで、ニュースに関連する検索を行った場合、検索結果内の「トップニュース」の項目下に、AMPに対応しているニュースサイトが表示されるようになりました。
Google公式発表:モバイルウェブをもっと速く
モバイル検索結果でAMP対応のニュースサイトを表示
8月3日:通常のモバイル検索結果にAMPページを表示するテストを開始
8月3日に、モバイル検索結果ページの「トップニュース」枠だけでなく、全検索結果に対してAMPのサポートを拡大し、そのテストのための開発者プレビューを公開したことを発表しました。こちらはサイトの検索ランキングを変更するものではありません。
Google公式発表:AMP 化しよう: Google モバイル検索における AMP ページへのリンク機能のプレビュー
開発者プレビューでのAMPページの表示:Google公式発表記事から転載
2月25日時点ではニュースサイトのみが対象でしたが、eコマース、エンタメ、旅行、レシピなどの様々な業界でもAMP化が進みました。8月3日時点では、1億5000万以上のAMPドキュメントがGoogleのインデックスに存在し、毎週400万の新規のAMP ドキュメントが追加されているとのことです。
8月以降には、更なるAMP化推進のため、AMP PROJECTサイトにおいてECサイト向けのコンテンツやA/Bテスト対応のコードが公開され、10月13日には、AMPテストツールを公開し、AMP HTMLと構造化データが適切かどうかを簡易に確認できるようになりました。
GETTING STARTED WITH AMP FOR E-COMMERCE、日本語版
OPTIMIZE YOUR AMP PAGES WITH AMP-EXPERIMENT、日本語版
FORMS NOW SUPPORTED IN AMP、日本語版
Using AMP? Try our new webpage tester、日本語版
10月21日:日本のモバイル検索結果のAMP化を開始
米国では一足先の9月20日に、通常のモバイル検索結果をAMP化され、10月21日には、日本のモバイル検索もAMP化されたことが発表されました。年内にグローバル展開完了を予定しているとのことです。
Google公式発表:モバイルウェブを速く、快適に − AMP プロジェクト 1 周年、Search results are officially AMP’d
2月にニュースサイトのAMP表示を開始した際はAMP専用枠内の表示でしたが、わずか8ヶ月後の10月には、モバイル検索結果のAMP化開始の流れとなっています。
本リリースにより、モバイル検索結果のAMP対応ページには「AMPラベル」が表示されるようになりました。
モバイル検索結果へのAMPラベル表示イメージ:Google公式発表記事から転載
AMP化により検索順位に与える影響はありません。ただ、AMPの高速化によるユーザー体験向上により、コンバージョンやリピート率などが改善することが期待されます。ワシントン・ポストの事例では、AMP化による成果として、自社サイトに7日以内に再訪するユーザー数が23%増加しています。
参照:AMP helps the Washington Post increase returning users from mobile search by 23%
その他の事例についても、AMP PROJECTのサイトで紹介されています。
https://www.ampproject.org/case-studies/
まとめ
このように、2016年はAMPの実用化が、大きく加速した1年となりました。特に記事系コンテンツが中心のメディアサイトなどにとっては、AMP化が非常に進みました。
入力フォームなど、AMPで出来ることも増え、2017年はより一層、AMP対応するサイトが増えることが予想されます。2017年は、ECサイトや予約サイトなどが必要とする機能がAMPでどこまでカバーされ、それによって、どこまで普及するか注視していきたいと思います。
2. モバイル関連(AMP以外)
AMP以外のモバイル関連のアップデートも紹介したいと思います。モバイルフレンドリーアップデート、不適切なリダイレクトによるペナルティ、インタースティシャル表示でのペナルティ、モバイル ファースト インデックス(MFI)のテスト開始の4点です。
3月17日:5月にモバイル フレンドリーアップデートを実施することを告知
Googleは、3月17日に、5月にモバイルフレンドリーアップデートを実施することを告知しました。実際のアップデートは5月12日に行われました。既にモバイルフレンドリー対応済みのサイトでは、検索順位等に与える影響はありません。
Google公式発表:ウェブをさらにモバイル フレンドリーにするための取り組み
参照:Google Fully Launches The New Mobile Friendly Update、(日本語要約)
最初のモバイルフレンドリーアップデートは、2015年2月に告知され、2015年4月21日に実施、モバイルフレンドリーかどうかをモバイル検索でのランキング要素の1つとして使いはじめていました。2016年5月の実施は、2回目のモバイルフレンドリーアップデートとなります。
モバイルフレンドリー化促進のため、2016年5月のアップデート後に、新しいモバイルフレンドリーテストツールを公開しています。以前のツールではテスト結果のみの表示でしたが、新しいツールでは結果の他に、次のステップとして「サイト全体のモバイルユーザビリティレポート」「モバイルフレンドリーページの詳細」「コメントや質問をディスカッショングループに投稿」のリンクが追加されています。
Google公式発表:A new mobile friendly testing tool、(日本語要約)
モバイルフレンドリー化に不安のある方は、モバイルフレンドリーテストツールで確認してみてください。
尚、次のモバイルフレンドリーアップデートの時期は未定ですが、次回は表示速度もランキング要因になる可能性があります。
参照:Next Mobile Friendly Update Includes Page Speed; Coming in Months、(日本語要約)
Gary Illyes氏は、Googleが開発者向けに提供しているPageSpeed Insightsで100点満点を目指してほしいとコメントしていますので、レスポンスが気になるページは、チェックしていただきたいと思います。
5月5日:モバイルの不適切なリダイレクトへのペナルティを開始
2015年10月のWebspam Report 2015で警告していたモバイルの不適切なリダイレクトへのペナルティを開始しました。
Google公式発表:https://plus.google.com/+GoogleWebmasters/posts/g2hbY1ad9kG
参照:Webspam Report 2015:How we fought webspam in 2015
Google Developersのモバイルガイドでは、モバイル用URLが別にある場合、個々のパソコン用URLにアクセスしているモバイルユーザーを、該当するモバイル用URLにリダイレクトする必要があり、モバイルのトップページや 他のページへリダイレクトすることは、不適切なリダイレクトとしています。不適切なリダイレクトと認識されたサイトは、Googleにスパム扱いされて、インデックス削除等のペナルティを受けることになります。
誤ったリダイレクトの例:Google Developersモバイルガイドから転載
参照:リダイレクトの誤り
意図してリダイレクト設定していなくても、ハッキングにより気づかないうちにリダイレクトが行われてしまう場合もあり、定期的な確認が必要となります。リダイレクトのエラーはSearch Consoleのモバイルユーザビリティ、クロールエラーメニューで確認することができます。更に詳しく知りたい方は、Googleの公式ブログの記事を参考にしてください。
参照:望まない不正なモバイル リダイレクトを検出して除去する
8月24日:モバイルでのインタースティシャル表示で2017年1月10日以降ペナルティへ
2017年1月10日に、モバイル検索でインタースティシャル表示をしているサイトの評価を下げるアルゴリズム変更を予告しました。2015年9月にアプリのインストールに対するインタースティシャルを表示するページの評価を下げるアルゴリズム変更を発表し、2015年11月に実施していましたが、今回の変更は、評価を下げるインタースティシャルの範囲を広げたものとなります。
Google公式発表:モバイル ユーザーが簡単にコンテンツにアクセスできるようにするために
参照:Mobile-friendly web pages using app banners
評価を下げるインタースティシャルの例
- メインコンテンツを覆うポップアップ表示。検索結果からそのページに着地してすぐに表示する場合、しばらくしてから表示する場合のどちらも含まれる
- ユーザーがメインコンテンツにアクセスする前に終了させないといけない、単独のインタースティシャル表示
- ファーストビューのエリアが単独のインタースティシャルのように見えるが、実際のコンテンツはその下に位置しているレイアウトを使う場合
評価を下げるインタースティシャルの例:Google公式発表記事から転載
評価を下げないインタースティシャルの例
- 法的な義務に対応するための表示。Cookieの保存や年齢確認のためのポップアップ
- コンテンツが公開されてなく、インデックスされないサイトでのログインのためのダイアログ
- ディスプレイに妥当なスペースのみの表示で簡単に消せるバナー。たとえば、SafariやChromeで提供されるインストールバナー
評価を下げないインタースティシャルの例:Google公式発表記事から転載
公式発表後、Googleは、ページ単位のアルゴリズムであること、ページを離れる際のインタースティシャルはペナルティの対象外であることなど、補足するコメントを出しています。インタースティシャル表示への対応を進めている方は参考にしてもらえればと思います。
Google’s New Mobile Interstitial & Popup Change Applies at Page Level、(日本語要約)
Exit Page Interstitials Not Impacted by Google’s Mobile Interstitial Change、(日本語要約)
11月5日:モバイル ファースト インデックス(MFI)のテスト開始
モバイルファーストインデックスの実験を開始したことを、公式ブログで発表しました。Mobile First Indexの頭文字をとって、MFIと表現される場合もあります。GoogleのGary Illyes氏は、10月13日にPubconにおいて、数ヶ月以内にデスクトップとモバイルのインデックスについて、モバイルを基準にすることに言及していました。
Google公式発表:モバイル ファースト インデックスに向けて
参照:Google Search Switching to Mobile First Index from Desktop Index、(日本語要約)
モバイルファーストインデックスでは、ページのランキング決定、構造化データの把握、検索結果へのスニペット表示等において、モバイル版のコンテンツが使用されるようになります。モバイルのインデックスが優先されることにより、取り組む必要がある項目について、公式ブログで紹介している内容を引用します。
- レスポンシブデザインや動的な配信を行っているサイトで、主要なコンテンツやマークアップがモバイル版とデスクトップ版で同一である場合は、何も変更する必要はない。
- 主要なコンテンツやマークアップがモバイル版とデスクトップ版で異なるようなサイトの設定を行っている場合、いくつか変更の検討が必要。
- 構造化データ マークアップがデスクトップ版とモバイル版の両方で配信されるようにする。
- 構造化データ マークアップの同一性を確認するには、構造化データテストツールにデスクトップ版とモバイル版の両方の URLを入力し、出力結果を比較する。
- モバイルサイトへ構造化データを追加する際は、それぞれのドキュメント特有の情報に関係のないマークアップを大量に追加するのは控える。
- robots.txtテスターを使用してモバイル版のコンテンツに Googlebotがアクセス可能であることを確認する。
- rel=”canonical”リンク要素 を変更する必要はない。デスクトップとモバイルのそれぞれの検索ユーザーにとって適切な結果を表示するために、Googleはそれらのリンク要素を引き続き使用する。
- Search Console でデスクトップ版のサイトしか確認していないサイト所有者は、モバイル版のサイトの追加および確認を行う。
- デスクトップ版のサイトしか存在しない場合、Googleは引き続きデスクトップ版のサイトをインデックスする。モバイルユーザーエージェントを使用してアクセスする際も問題ない。
他に、Google社員たちが回答しているQ&Aについて、海外SEO情報ブログで紹介していますので、こちらも参考になると思います。
Google、モバイルファーストインデックスの導入予定を正式発表。スマホ向けページを検索の評価対象に。SEOへの影響は?
Googleのモバイルファーストインデックスに関するQ&A第2弾
また、12月7日のウェブマスター オフィスアワー(日本語)において、モバイルファーストインデックスについての約20の質問に対して回答していますので、合わせて参考にしてもらえればと思います。
もしPCサイトに偏ったSEO対策を施している場合は、早めに対策を検討することが必要になり、2017年の対応事項として重要になってくると思います。
まとめ
モバイル関連(AMP)以外では、2016年は、モバイルファーストインデックス(MFI)の発表に象徴されるように、Googleモバイル重視へのシフトが加速した1年でした。2017年はモバイルファーストインデックス(MFI)の仕様がどういったものになるか、まずはその把握から始まる1年になりそうです。
3. 検索アルゴリズム
ウェブスパム対策を目的に2012年4月に導入されたペンギンアップデートは、2014年以降更新されておらず、2016年に入ってからも、次の更新はいつになるかと、USのメディアやイベントでは度々トピックに上がっていました。
そして、今年9月に、約2年ぶりにペンギンアップデートが発表され、大きな話題となりました。
9月23日:ペンギン4.0をアップデート、今後はリアルタイム更新へ
9月23日に、ペンギンアップデートを更新したと公式ブログでアナウンスしました。更新は全言語(日本語含む)が対象です。
Google公式発表:Penguin が Google のコア アルゴリズムの一部になりました
今回のペンギン4.0で、ペンギンのアルゴリズムがコアアルゴリズムに組み込まれ、手動更新からリアルタイムの自動更新に変わりました。Search Engine Roundtableの記事によると、ペンギン4.0で順位改善したのが12%、順位が下がったのが15%となっています。また、ペンギン4.0のアップデートにより、過去のペンギンアップデートでペナルティを受けていたサイトも10月12日までに解除されています。
Only 12% Said They Saw Ranking Improvements After Google Penguin 4.0、(日本語要約)
Google: Penguin 4.0 Now Completely Rolled Out、(日本語要約)
また、ペンギンアップデート以外にも、大きな検索順位変動がありました。特に9月以降はビッグワードも大きく変動していました。分析したところ、リンク要因以外でも変動しているように見えましたので、ペンギンアップデート以外のアルゴリズムの影響も含まれていると思われます。Search Engine Roundtableでも大きな検索順位変動が報告されています。2016年秋冬にかけての順位変動について調べている方にとって参考になればと思います。
Google Algorithm Update? A Reversal Of Last Weeks Update?、(日本語要約)
Early Signs Of A Google Core Search Algorithm Update、(日本語要約)
Google Search Algorithm Update Chatter On Fire、(日本語要約)
Google Update Chatter Suggests Penguin Movement Or Algorithm Changes、(日本語要約)
Was There A Google Search Update On November 10th?、(日本語要約)
4. セキュリティ強化
Googleはセキュリティ強化を重要視していて、Google Security Blogで定期的に情報を発信しています。
参照:Google Security Blog(英語)
GoogleはHTTPS化を積極的に進めています。2月に出したレポートにおいては、世の中全体のトラフィックの25%に当たるとされるトップ100サイトでのHTTPS対応状況について紹介していました。また、2016年6月時点で、GoogleのGary Illyes氏は、Google検索結果の34%はHTTPSであると発表し、11月にMozは40%を超えたとレポートしています。
Google透明性レポート:トップサイトでの HTTPS への対応
34% Of Google Search Results Are HTTPS
Moz: 40% Of Google’s Top Search Results Are HTTPS, Up From 25% Earlier This Year、(日本語要約)
9月8日:Google Chrome、2017年1月からHTTPSではないページにアラート表示することを発表
Chromeバージョン56から、パスワード/クレジットカード情報をHTTPで送るページに「Not Secure」ラベルのアラートを表示することを発表しました。2017年1月から適用されます。
Google公式発表:Moving towards a more secure web
アラートはアドレス欄のURLの前にラベルが表示されることになります。日本語の場合は、表示が日本語になるかもしれません。
Not secureラベルの表示イメージ:Google公式発表記事から転載
Chrome56でのアラート表示対象範囲は、パスワード/クレジットカード情報をHTTPで送信するページとなります。シークレットモードでChromeを利用する場合には、すべてのHTTPページにNot secureラベルが表示されます。GoogleはHTTPSのデフォルト化のため、今後全てのHTTPページにNot secureラベルの表示を予定していると考えられます。パスワード/クレジットカード情報をHTTPで送信するページは少なくなってきていると思いますが、まだサイトのHTTPS化していない場合には2017年の対応事項として検討しておいてもいいと思います。
5. SERPs変化
Googleは検索結果(SERPs)の改良を日々続けています。5月にはモバイル検索に、リッチスニペットの新たなバージョンであるリッチカードがリリースされ、11月には対象ジャンルが拡大されました。リッチカード以外にも、ローカルパックや、ナレッジパネルといったユニバーサル検索表示も刻々と変化を続けています。領域によっては、自社サービスへ影響を与える場合もあると思うので、2016年のSERPs変化の項目も一部ご紹介しておきます。
5月17日:リッチスニペットの新たな形、リッチカードをリリース
モバイル検索に、リッチスニペットの新たなバージョンである「リッチカード」のローンチを発表しました。リッチスニペットよりも、ビジュアルで訴求できるようになります。エリアは米国のみの対応で、対象ジャンルもレシピサイトと映画サイトと限られています。
Google公式発表:Introducing rich cards
左が通常版、真ん中がリッチスニペット、右が今回ローンチしたリッチカードのSERPs:Google公式発表記事から転載
リッチカードは、リッチスニペット同様に構造化マークアップを使用します。いずれ日本にも適用されることが予想されるので、関心のある方は情報収集しておくといいと思います。
構造化マークアップについて:
https://developers.google.com/search/docs/guides/mark-up-content#content_types
構造化データテストツール:
https://search.google.com/structured-data/testing-tool
11月21日:米国でレストランとオンライン講座をリッチカードへ表示開始
5月にローンチされたリッチカードですが、11月には、対象範囲がレストランとオンライン講座に拡大されました。
Google公式発表:Rich Cards expands to more verticals
レストラン情報はカルーセル形式で表示され、各サイト専用のカルーセルに掲載されます。AMPに対応している場合は、AMPカルーセルになります。オンライン講座のリッチカードは、画像付きのカルーセルではなく、リスト形式で表示されます。
レストランとオンライン講座のリッチカード表示イメージ:Google公式発表記事から転載
レストランもオンライン講座も、リッチカードを表示させるには構造化データの設定が必要です。
参照:Googleデベロッパーサイト
レストラン版:https://developers.google.com/search/docs/data-types/local-businesses#restaurant-lists
※レストランのリッチカードはまだ試験的運用の段階のため、参加するにはフォームからの申請が必要となります。
オンライン講座版:(まだ正式に公開されておらず試験的な公開です。)
https://developers.google.com/search/docs/data-types/courses
今後、リッチカードに表示するジャンルは更に広がることが予想されます。日本でもいずれ適用されると思われるため、2017年の検討事項の1つに加えておいてもいいかもしれません。
リッチカード以外のSERPs変化
リッチカード以外のSERPs変化について、参考までに、2016年の動きの一部についてご紹介します。モバイル向けホテル検索フィルターを追加、ナレッジパネルへの商品検索項目の表示開始、Googleマップのナレッジパネルに平均滞在時間を追加、レストランのレビューとおすすめリストの表示開始、Googleマップのレビューに画像・動画投稿を追加、ローカルナレッジパネルにお店の混雑状況をリアルタイムで表示、について参考記事をご案内します。ホテルやレストラン等、領域毎のアップデートが行われているようです。
Google offers new hotel search filters, deal labels and airline price tracking、(日本語要約)
Google Showing Shopping Product Search in Local Knowledge Panel、(日本語要約)
Google Maps showing how long people typically spend at a store or venue、(日本語要約)
Never miss a “must-try” with Google Search、(日本語要約)
Google Maps Reviews Now With Photo Or Video Uploads、(日本語要約)
Google Adds Live Busy Status to Local Businesses in Search Results、(日本語要約)
まとめ
本記事では、SEO担当者が把握しておきたい、2016年のGoogle主要アップデートをまとめました。2017年に対応が必要なことの確認になれば幸いです。
- 2016年はモバイル検索結果がAMP化し、対象範囲もニュースサイトだけでなく、eコマース、エンタメ、旅行、レシピなどの様々な業界へ拡大。2017年は更にAMP化するサイトが増えていくと考えられる。
- 2016年はモバイル重視へシフト、2017年はモバイルファーストインデックスの実運用もはじまると考えられるため、PCに偏ったSEO対策をしているサイトでは早めの対応が必要。
- 9月にペンギン4.0がアップデート、今後は手動更新ではなく、コアアルゴリズムに組み込まれリアルタイムアップデート更新に。
- Chrome、2017年1月から、HTTPSではないページにアドレス欄URLの前にアラート表示へ。まだHTTPS化していないサイトでは、2017年の検討事項になるのでは。
- 5月にモバイル向けのリッチカードが米国でリリース、11月には対象ジャンルを拡大。2017年もモバイルを中心としたSERPs変化に注視していきたい。