多くの会社がオウンドメディアなどで記事コンテンツを作るようになりました。SEO目的で運用されていることも多いようです。検索ユーザーの役に立つコンテンツやニーズに見合うコンテンツを作るということは、当然必要です。しかし、役に立つ記事やニーズに見合う記事を書くのは簡単ではありません。SEOのことまで気にして書くとなると更に大変です。そこで継続的に成果を出し続けるには、自然にSEOに強い記事ができてしまうような仕組みが必要になってきます。
今回は、SEOツールであるDemandMetricsをご利用頂くSEO担当の方が、SEOに強い記事コンテンツを作り続けるために、どうやって仕組みを構築しているかについて紹介します。
いきなり量産化に走らない
いきなり記事コンテンツを量産化する場合がありますが、量産化の前に、まずは勝ちパターンを知ることが重要です。勝ちパターンというのは
- どの領域(キーワード)であれば勝てるか
- どういったコンテンツであれば勝てるか
を整理することです。
成果の出せない記事コンテンツを量産しても、順位が上がらない、流入が増えない、リピーター化しないなどの課題が後から出てきてしまいます。後から記事をリライトするのは面倒な作業でもあります。まずは、勝てそうな領域(キーワード)を見つけ、更に勝てるコンテンツとは、どんなコンテンツなのかを見つけてみてください。
勝てそうな領域(キーワード)を見つける
SEOを駆使して検索でユーザーを連れてくるのであれば、検索上位に表示できなければいけません。そこで、キーワード別に検索ボリュームと競合性を調べると、SEOの難易度が分かってきます。SEOの難易度調査は、キーワード数が少なければ、手作業で競合状況を調べても何とかなると思いますが、キーワード数が多い時は、大変です。検討しているキーワードが多い場合は、DemandMetricsのコンペティターディスカバリーのような競合調査系の機能を使ってみましょう。DemandMetricsの場合は、コンペティターディスカバリーを使えば、キーワードグループごとの上位サイトや上位コンテンツを一覧で表示してくれるため、調査業務が非常に効率的になります。
SEOの難易度を調査すると、その分野の専門サイトだけが上位を占めるキーワードや、専門メディア、EC、Blog、キュレーションサイトなど色々な種類のサイトが上位を分けあっているようなキーワードなど、キーワードごとの特徴が見えてきます。自社が作れる記事コンテンツが、どの領域(キーワード)であれば、上位を獲得できそうかを、まず把握してください。
コンペティターディスカバリーで検索上位のサイトを調べ勝てそうな領域を把握
記事コンテンツの勝ちパターンを見つける
勝てそうな領域が見つかれば、次は記事コンテンツの勝ちパターンを見つけます。記事コンテンツの勝ちパターンは、成果の出ている記事コンテンツと出ていない記事コンテンツを比較することで見えてきます。記事コンテンツのABテストのようなイメージです。
狙ったKPI(順位、流入、CV、リピーター化など)を達成した記事と、そうでない記事を比較し、成果の出ている記事コンテンツのパターンを見つけます。DemandMetricsを使えば、順位、流入、CVなどの検索トラフィック指標以外に、ソーシャルシグナルや外部リンクなどの指標でも勝ちパターンの分析ができます。順位やリンク数などは、他社サイトも含めて調査することができますので、コンテンツの少ない初期段階から行い、早い段階で勝ちパターンを把握することができます。
検索トラフィック系指標とソーシャル&リンク系指標の勝ちパターンを把握
※リピーター化に貢献したコンテンツの測定は少しテクニカルなため、以前、別記事でまとめました。
参照:オウンドメディアで良質なコンテンツとは?〜GoogleAnalyticsでリピーター獲得コンテンツを調査する方法〜
記事コンテンツの勝ちパターンの見つけ方例
次に具体的に記事コンテンツの勝ちパターンを見つける方法とそれを運用に乗せる方法を説明します。記事コンテンツの勝ちパターンを見つける際に、コンテンツ内の比較する要素は、タイトルの付け方やタグの使い方、記事自体の構成(アウトライン)や情報量などがよく使われます。例えば、下記のような項目などが比較でよく使われます。
比較項目の例
- 記事パターン:まとめ、インタビュー、ノウハウ、ニュースなどのコンテンツ形式。
- 情報量:記事自体の文字数など。
- 構成要素:どういった項目で構成されているか。
- 詳細度:各構成要素についての詳しさ。
実際に当社のとある記事を上記の項目でチェックすると、下記のようになります。
記事例:無料で使える検索キーワード調査ツール16選
https://demandsphere.jp/blog/keyword-search-tools
- 検索順位:「キーワード調査」2位
- 記事パターン:まとめ型記事
- 情報量:5286文字
- 構成要素:3個の大分類と14種類のツールを紹介
- 詳細度:各ツールについて概要と特徴を図を交えて数百文字程度で説明。
こういった具合に、色々な種類のキーワードで上位のものと下位のものをたくさん比較し、勝ちパターンを探ります。
※この超絶アナログな作業をすると、だんだんと検索ユーザーはどういった情報を欲しているかが、肌感覚としても分かる気がしてきます。
記事コンテンツの勝ちパターンのガイドライン化
調査で見つけた勝ちパターンを、継続的に実現できるよう記事作成/編集時のガイドラインに反映させます。ガイドライン化するにあたり重要なことは2点あります。
1つ目は、SEOに詳しくない普通の編集者やライターが普通に使えるガイドラインにすることです。細かすぎるテクニックは、実務上、ワークしないため、SEOに詳しい人にとっては、多少妥協するぐらいの感覚が必要です。クラウドソーシングなどを使うケースもあると思いますが、厳しすぎるルールでは、対応できるライターが少なくなり、スキームがワークしないか、コスト高になってしまいます。SEO上、大事な要素は、可能な限りテンプレートなどに組み込んでおき、コンテンツの構成を決める上で、SEO観点でどうしても譲れない重要な点に絞ってガイドラインにするイメージです。よくSEO担当の方が、記事コンテンツ作成の際に使われている仕様シートのイメージが下記の図になります。このシートの内容に加えて、全体の文字数なども指定されることが多いかと思います。厳しすぎず、緩めすぎずの絶妙なガイドラインを、制作の担当の方と調整して決めていただけたらと思います。
記事コンテンツ依頼の際の仕様シートのイメージ
また、仕様シートの内容が、全てコンテンツに反映されているかをチェックする際、DemandMetricsのアドバイス機能を使えば、便利です。titleタグやhタグでターゲットキーワードが使われているかなどのチェックを自動で行ってくれます。機械的な作業は、できるだけSEOツールに任せた方が良いでしょう。
SEO上の基本確認項目を自動でチェック
2点目は、ガイドラインに縛られ過ぎないことです。ガイドラインの目的に反する気もしますが、元ネタの価値を損ねてまでガイドラインに合わせる必要はありません。元ネタの価値を発揮する上で、ガイドラインがマッチしないのであれば、ガイドラインは無視して良いことにしておくべきです。こういう柔軟な運用がコンテンツ系の施策の面白いところでもあり、難しいところでもあります。
まとめ
SEOに強い記事を作り続けるためのポイントを説明しました。いきなり記事の量産化に走らず、まず勝ちパターンを見つけることの重要性を紹介しました。今回の記事の要点は下記になります。
- いきなり量産化に走らず勝ちパターンの確立を優先する。
- 勝てる領域(キーワード)を検索ボリューム、競合性の観点から見つける。
- 成果の出ている記事と出ていない記事を比較しコンテンツの勝ちパターンを見つける。
- 勝ちパターンを実務で使える程度のシンプルなガイドラインに落とし込む。
今回はSEOの話に限定しましたが、同じ考え方で、ソーシャルシェア/リンク獲得コンテンツなどにも応用できます。参考までに、ソーシャルでのシェア獲得の多いコンテンツについては、以前調査しましたので下記2つの記事を紹介します。
コンテンツマーケティングやSEOで成果を出す上で必要なナレッジを今後も発信していければと思いますので、今回の記事に関して、ご意見などございましたら、お知らせ頂けると幸いです。