SEOでコンテンツが積極的に活用されるようになり、多くのサイトで、サイト内のコンテンツが増えています。一定数までは、コンテンツを地道に充実させていけば、順調に検索トラフィックが増えていきます。しかし、ただキーワードを狙ってコンテンツを増やすだけでは、どこかで頭打ちになってしまいます。最近は、検索トラフィックが伸び悩んできたといった話も聞くようになりました。今回は、コンテンツを充実させてきたサイトが、検索トラフィックが伸び悩んだ際に、SEOツールであるDemandMetricsを使って、どういったSEO対策を行っているかを紹介します。
サイト内でのコンテンツ重複の回避
コンテンツが増えると、サイト内に似たコンテンツも増えますので、コンテンツの位置づけを明確にしなくてはいけません。つまり、サイトの構造化が必要になります。サイトの構造化ができていない場合、キーワードに対して狙っていないページが検索エンジンにランクインすることがあります。コンテンツの位置づけが不明確なため、Googleが適切なページを見つけられてない状態と言えます。狙っているページがランクインしないと、CVR(コンバージョンレート)の低下や検索順位が上がり切らないという問題が起きてしまいます。対策としては、記事コンテンツであれば、下記のような対策が主なものかと思います。
- カテゴリやタグの分類を適切なものに修正する。
- 関連したページからの内部リンクがパンくずやナビゲーション、ランキングなどを通じて優先度の高いページに自然に集まるようにする。
- コンテンツテーマが重複している場合は、棲み分けや統合を行うか、内部リンクで関係性(上下関係、主従関係など)を表現する。
サイト構造の対策の進め方については、下記の記事も参考にしてみていただけたらと思います。
参考:SEO対策の取り組み方〜SEO担当になったら何をすれば良いのか〜
サイト規模が大きい場合や、コンテンツが多い場合、各キーワードで狙っているページでランクインできているかどうかを調べるのは結構大変です。そんな時のために、DemandMetricsにはPLPレポートという機能があります。PLPとはPreferred Landing Pageの略で、各キーワードで狙っているランディングページという意味です。PLPレポートでは、狙っているページでランディングできているかを、チェックしてくれます。
大規模サイトのように大量のキーワードのPLPをチェックしないといけない場合は、非常に助かる機能です。サイト内で重複してカニバリ始めたら、PLPレポートをチェックして、PLPでランクインできていないページやサイト構造の修正を行ってみてください。
コンテンツ重複により狙っているページが上位表示されていないことに気づける
下記の記事では、PLPレポートの活用法をまとめています。参考にしていただけたらと思います。
参考:SEOツールでのPLPレポート活用法
コンテンツの検索ニーズ網羅性を高める
コンテンツ量が充実し、サイト構造も適正であれば、順位が高くなってくると思いますが、難易度の高いキーワードの場合、それでも目標順位に達しないこともあります。そんな時は、ユーザーニーズを網羅できていない可能性を、もう一度疑ってみても良いかもしれません。順位が上がり切らないキーワードを軸に、Googleキーワードプランナーやサジェストワードツールを使って、周辺の掛け合わせワードを洗い出します。洗い出したキーワードリストの中から、意味的に重複しているものを除き精査し、SEOツールに登録して順位をチェックします。
ここで選定するキーワードは、必ずしも検索ボリュームの大きなものである必要はありません。逆に検索ボリュームにこだわりすぎないほうが良いと思います。ニーズを明確に表していると思うものを選ぶことが重要です。掛け合わせワードを洗い出すツールは、無料で使えるものがたくさんありますので、好きなものを選んで使うと良いでしょう。
参考:無料で使える検索キーワード調査ツール14選
https://demandsphere.jp/blog/keyword-search-tools
選定したキーワードの順位をSEOツールでチェックした時に、下記の図のように親ワードを支える子ワードが育っていないことがあります。
親ワードを支える子ワードが育っていない可能性
そして、順位が低い掛け合わせキーワードに対するニーズには、サイトとして十分に応えきれていない可能性があります。順位が低いキーワードは、その更なる掛け合わせキーワードや上位の他社コンテンツなども参考に、満たせていないニーズは何かを考え、コンテンツを更に充実させます。
まだユーザーのニーズに応えきれていないコンテンツがあることに気づく
掛け合わせキーワードの検索順位が、全体的に上位になれば、元々狙っていた検索ボリュームの大きなキーワードの順位も徐々に上がってきます。もちろん、各キーワードで狙っているページ同士が、適切に内部リンクで結びつき、サイト構造が整理されていることが前提になります。サイト構造に問題があれば、上述したように、PLPレポートでもアラートが出ているはずです。順位のチャートとPLPレポートの両方を見ながら、コンテンツ充実を続けていくと良いでしょう。
ソーシャルを活用した外部リンクの獲得
検索ユーザーのニーズを網羅すれば、全体的に検索順位が良くなっていると思います。しかし、目標が高い場合や競争が激しいキーワードを狙っている場合、外部リンクも必要になります。質の高いコンテンツが被リンク獲得につながることは、その通りなのですが、良いコンテンツがあれば、すぐにリンクが集まってくるかというと、そう簡単でもありません。コンテンツの良さが、リンクにつながりやすくなるように、ソーシャルメディアやコミュニティサイトで拡散されやすい状態にしておくことが有効です。
ソーシャルメディアアカウントのフォロワー数は外部リンク獲得にとっても重要
具体的な施策としては、Twitterや掲示板などのコミュニティサイト、Blogなどで、インフルエンサーや影響力のある人と関係を構築したり、フォロワーになってもらう活動です。Twitterのインフルエンサーは、Followerwonkなどのツールを使って調べることができます。プロフィールやツイート内容をチェックして相性の良さそうな人をフォローしていきます。フォロー返しを狙うというよりは、彼らとTwitter上で良いコミュニケーションを取ることが重要です。
日本でソーシャルを通じてリンク獲得を狙う場合は、Twitterとはてなブックマークを上手く活用すると良いでしょう。Twitterとはてなブックマークを連携して使うことで、自分がフォローしている人がTwitterとはてなブックマークの両方を併用しているかどうかが分かります。はてなブックマークは外部リンクとしてもカウントされるため、Twitterと併用している人にリツイートしてもらえれば、はてなブックマークを通じてリンク獲得につながります。
更に、どういったコンテンツをブックマークしているか(何に興味を持っているか)が分かりますので、どういったコンテンツがブックマーク/リツイートしてもらえそうかも推測しやすく、狙い撃ちでコンテンツを検討しやすいです。
上記のようにソーシャルのアカウントを育てることと合わせて、どんなコンテンツであれば、シェアされやすく、外部リンク獲得につながりやすいかを分析します。シェア数とリンク獲得数は比例しますが、シェアされるコンテンツの全てがリンク獲得にまでつながるコンテンツとは限りません。リンク獲得につながるコンテンツの傾向を調べてください。
ソーシャルシグナルと外部リンクの関係を分析
下記の記事では、外部リンクの調査方法やリンク獲得コンテンツ、ソーシャルでシェアされるコンテンツについて紹介しています。こちらなども参考に、自社のコンテンツを分析してみてください。
参考:
まとめ
コンテンツが充実してきたサイトが検索トラフィックで頭打ちに陥った時、今回紹介したような課題のいずれかに直面している可能性を疑ってみてください。また、DemandMetricsのようなSEOツールを使うことで、効果的、効率的に課題を解決できるようになります。要点は下記になります。
- PLPレポートを活用してサイト内でのコンテンツ重複やサイト構造の問題を対策する。
- 課題キーワードの周辺ワードの順位を調べ、テーマに対してのニーズを網羅的に満たすようコンテンツを充実させる。
- ソーシャルメディアのインフルエンサーと関係を構築し、被リンクが得られやすいようにする。効果検証は、リンク数だけでなく、ソーシャルシグナルやソーシャルメディアアカウントのフォロワー数なども活用する。