モバイルフレンドリーテストをモバイルSEOの運用に組み込んでみる

モバイルフレンドリーアップデートが2015年4月21日に行われ、それから約1年経ち、2016年5月から段階的に、モバイルフレンドリーであるかどうかを、検索順位により強く反映するという意向がGoogleから公式に出ています。また、モバイルページの表示速度をモバイルフレンドリーの基準に使う可能性があるという話も出ています。

更に2016年10月にモバイルファーストインデックスの話が正式にGoogleから出ました。詳細な仕様は、随時報告されていくと思いますが、現段階では、Googleからの大まかな方針やアドバイスまでが発表されています。

参考:Googleのモバイル関連発表の一部

今のところ、Googleからリリースされるモバイル関連の情報をチェックしている限りは、モバイルではPC以上にUIやユーザビリティを重要視しているようです。モバイルは画面が小さい分、UIやユーザビリティが重要なため、合理的な考え方だと思います。Googleが提供するモバイルフレンドリーテストツールも、モバイルでのユーザビリティに重きを置いたテストです。今後、SEOにおいてますますモバイルのウエイトを大きくなることを見据えて、今のうちに、ウェブサイト運営の中に、モバイルフレンドリーテストを組み込んだ運用を作っておいたほうが良いと思います。

今回は、DemandMetricsなどのSEOツールとGoogleの公式ツールも使って、モバイルフレンドリーテストを組み込んだ運用の方法を紹介します。

 

モバイルフレンドリー

モバイルフレンドリーというのは、Googleが示すモバイルフレンドリーの基準に合格していないページは、PCサイトよりも検索順位が大きく下がる可能性があるという、2015年4月21日にGoogleが実装した検索順位決定アルゴリズムのことです。

GoogleのMobile Friendly Websitesには、レスポンシブウェブサイト、動的配信サイト、PC/モバイルで別のURLサイトの場合について、モバイルフレンドリーなサイトへの対応方法を、簡単にまとめてくれています。また、ありがちなミスについても、いくつか例を紹介しています。これから対応される場合は、まずはGoogleのMobile Friendly Websitesをよく読んでみてください。

参考:Mobile Friendly Websites

 

モバイル検索順位のチェック

モバイルフレンドリーアルゴリズムは、サイト全体ではなく、ページ単位で影響します。サイト全体をモバイル対応したと思っていても、特集ページなど個別で制作したページやテンプレートがモバイルフレンドリーの基準を満たしていない可能性はあります。とはいえ、全てのページを、モバイルフレンドリーの基準に合格しているかどうかをテストすることは、大変な作業です。そこで、PCに比べてモバイル順位が著しく悪いページを優先的にチェックすると良いかと思います。

当社のSEOツールであるDemandMetricsでは、PCとモバイルの検索順位を比較することができます。PCとモバイルの検索順位に大きな差がないかをチェックすることが、手っ取り早く、状況を知る手がかりになります。もちろん、モバイルフレンドリーでなくても、順位が下がらないこともありますので、個別に気になるページやテンプレートがあれば、それはモバイルフレンドリーテストを行ってください。

PCとモバイルの順位を比較
PCとモバイルの順位を比較

 

モバイルフレンドリーのチェック方法

モバイルの順位が低いことに気づいたら、モバイルフレンドリーに対応できていない可能性がありますので、問題点を確認しましょう。DemandMetricsなどのSEOツールでモバイルで順位の低いページのURLをエクスポートして、モバイルフレンドリーテストツールにペーストしてテストにかけます。モバイルフレンドリーでない要素があれば、モバイルフレンドリーテストツールでは、何が問題かを教えてくれます。

モバイルフレンドリーでない場合のアラート
モバイルフレンドリーでない場合アラートが出る

参照:モバイルフレンドリーテスト

 

表示速度

モバイルフレンドリーテストでは検出されませんが、ページ速度は、以前よりPCサイトの検索順位に影響することがあるとGoogleは伝えています。また、Googleの発言からも、今後はモバイルフレンドリーの基準やモバイルの順位要因として使われる可能性もあるようです。

GoogleはAMP(Accelerated Mobile Pages)の普及に力を入れているようですし、モバイルにおいて表示速度を上げる施策は、検討しておいても良いと思います。

SEO担当やマーケティング担当の方で、サーバーログまで見ることができなくても、GoogleAnalyticsのページ速度の計測レポートを見れば、どのページが遅いかは分かります。また、GoogleAnalyticsを使っていない場合も、DemandMetricsのオプション機能Deeper Crawl(ディーパークロール)のように、サイト全体をクロールし、ページの速度を計測してくれるツールを使えば、表示速度の遅いページは分かります。

DeeperCrawl
DemandMetricsのDeeper Crawlを使えば、大規模サイトでも遅いページの割合や対象URLが簡単に把握できる

 

GoogleAnalyticsやディーパークロールで、基準値より遅いカテゴリやページをピックアップできたら、GoogleのPageSpeed Insightsで、何が問題なのかを調べてみましょう。PageSpeed Insightsでは、ページ速度の改善点を分かりやすく教えてくれます。

PageSpeed Insightsで改善点が示される
PageSpeed Insightsで改善点が示される

参考:PageSpeed Insights

 

GoogleのPageSpeed Insightsで提案してくれる以上の更に詳細な課題を知りたい場合は、Chromeデベロッパーツールを使って分析をすることで、余計な通信を減らしたり、ファイルを圧縮するなどの対策を検討することができます。サーバーやネットワークの改善まで行える体制がある場合は、Chromeデベロッパーツールを使って分析した結果を、開発担当に伝えて協力してもらうと良いでしょう。

PageSpeed Insightsで改善点が示される
Chromeデベロッパーツールで表示に時間がかかっている要素が確認できる

参考:Chrome DevTools

 

まとめ

モバイルSEOにおいて、モバイルフレンドリーに対して、DemandMetricsのようなSEOツールとGoogleの公式ツールを上手く活用し、効率的にインハウスSEO業務を回す方法を紹介しました。

  • SEOツールでPCとモバイルの順位差をチェックする。
  • モバイルの順位が大きく低いページはモバイルフレンドリーテストで何が問題かをチェックする。
  • GoogleAnalyticsやDemandMetricsのDeeperCrawlのような表示速度を計測できるSEOツールを使い、速度の遅いページを把握する。
  • 速度の遅いページについては、PageSpeed Insightsで改善方法を把握する。

今回はモバイルフレンドリーをSEOのオペレーションに入れることについての記事でしたが、SEO全般について、これから本格的にSEO対策に取り組まれるサイトのSEO担当の方向けの記事はこちらです。合わせてご覧いただけたらと思います。

参考:これから本格的にSEO対策に取り組むサイトは、まず何をやれば良いか?