DemandMetricsを使って検索インテントとコンテンツのズレを修正する

DemandMetricsを使って検索インテントとコンテンツのズレを修正する

DemandMetricsでSEOのモニタリングができるようになったお客様から、もっと使い倒したいけど、どうやって使うのが良いか相談されることがあります。そんな嬉しいご要望を受けまして、今回は、モニタリングを通して、大まかな課題に気づけるようになった段階で、更に問題点を絞り込み、アクションを行うまでの流れを紹介します。SEOの課題といっても、範囲が広いため、今回は、コンテンツや内部リンク/サイト構造の修正に絞って紹介します。ソーシャルや外部リンク、競合調査などは、また機会を改めて紹介します。

 

キーワード(検索インテント)とコンテンツのズレの最小化

検索キーワードの背景には、検索インテント(意図)があります。Googleなどの検索エンジンは、検索インテントを反映した検索結果を返します。Googleが説明するように検索キーワードは、検索インテントから、Doクエリ、Knowクエリ、Goクエリに分類でき、それぞれ下記のような特徴があります(Google Matt Cutts氏による説明)。

    • Goクエリ

特定のウェブサイトを探すために使うクエリ。
Wikipedia、Facebook、マクドナルドなど、社名やサイト名、ブランド名などがDoクエリに当たります。検索上位には、(コンテンツが多少充実していなくても)対象の社名やサイト名などが表示されやすい傾向にあります。

    • Knowクエリ

情報を探すために使うクエリ。
「ネクタイ 結び方」、「ハンバーグ 作り方」など、ノウハウや知識を得るために使うクエリがKnowクエリに当たります。検索上位には、ノウハウや知識が充実した情報系のサイト(メディア、レシピサイト、ブログなど)が表示されやすい傾向にあります。

    • Doクエリ

モノの購入やサービスの予約などのアクションをするために使うクエリ。
「ワンピース 購入」、「洗濯機 通販」などのクエリがDoクエリに当てはまります。検索上位には、モノの購入や予約ができるECサイトや比較サイトなどが表示されやすい傾向にあります。

以前、検索インテントを調べるツールはキーワード調査ツールの記事の中で紹介しました。SEOで検索上位を獲得するには、こういった検索インテントにあったコンテンツを作成する必要があります。

 

一方、コンテンツがサイトに増えてくると、ユーザーがお目当てのコンテンツにたどり着けない問題が発生してきます。コンテンツが多いことは、良いことですが、それと並行して、コンテンツはちゃんと整理されている必要があります。私は、大規模(コンテンツが多い)サイトにとってのSEO対策は、主にサイトを構造化(コンテンツを整理)して、検索ユーザーがお目当てのコンテンツにたどり着きやすくすることだと思ってます。サイトの構造化というのは、リンク構造、カテゴリ構造、URLの設計、マークアップなど多岐に渡りますが、基本的な方向性は、「大量にあるコンテンツを整理して使いやすくすること」ではないでしょうか。

そのことを念頭において、以降では、キーワードとコンテンツのズレを修正するという観点でDemandMetricsを使ったSEOのアクションを紹介します。DemandMetricsのサイトの例を出して紹介します。

 

キーワード(検索インテント)を起点にマッチしていないページを探す方法

まずは、検索キーワード起点で、キーワードとコンテンツのズレを修正する方法について紹介します。各キーワードごとにランクインしているページをチェックしてみてください。狙っていないページやマッチしていないページでランクインしているキーワードがあることに気付きます。これがキーワードとコンテンツのズレです。

DemandMetricsには、PLPレポートの機能がありますので、大規模なサイトでも、狙っているページでランクインしているかどうかを簡単にチェックすることができます。

ちなみにPLPはPreferred Landing Page(好ましいランディングページ)の略で、PLPレポートは、端的に言えば、狙っているページでランクインできているかどうかのチェックレポートです。PLPレポートの使い方については、こちらで紹介しています(SEOツールでのPLPレポート活用法)。

キーワード(検索インテント)とランクインしているページのズレを明示するPLPレポート
キーワード(検索インテント)とランクインしているページのズレを明示するPLPレポート

キーワードグループごとにPLPレポートで、キーワードとランクインページのズレを確認すると、特定のキーワードグループで特にズレが多いなどの傾向に気付くことがあります。DemandMetricsのサイトの場合は、「SEO」グループと「コンテンツマーケティング」グループでは、前者の方が若干だけですがマッチ率が良いようです(下図)。

キーワードグループ別のランクインページのマッチ率を比較
キーワードグループ別のランクインページのマッチ率を比較

もっと深掘りしてランクインページのズレを調べるには、過去にどんなページでズレていたのか、つまりズレの履歴を見ることも有効です。例えば、PLPレポートでズレが検出されている「SEO 方法」というキーワードをクリックすると

キーワードとページのズレが検出されたキーワードをクリック
キーワードとページのズレが検出されたキーワードをクリック

LPヒストリーという表があり、直近でどういったページが、そのキーワードで最上位になっていたかが、そのキーワードの順位変動と合わせて一覧で確認できます。一般的に順位が不安定なキーワードほど、最上位のページが安定しない傾向にあります。「SEO 方法」というキーワードの場合、DemandMetricsのウェブサイトでは、SEO全般的なやり方についての記事(狙っているページ)とモバイル向けのSEOのやり方についての記事が交互にランクインを繰り返していて、順位が不安定で若干低下傾向にあることが分かります。

対象キーワードの順位推移と最上位ページの履歴
対象キーワードの順位推移と最上位ページの履歴を分析

このLPヒストリーの表は、対象キーワードに対して、これまでに自社サイト内でカニバりあっていたページの直近の歴史です。今回の場合、2つのページがカニバっている例ですが、もっと多くのページでカニバっているケースもあります。更に、隣の「ランディングページ」という表を見ると、過去に当該キーワードでランクインしたことのある全てのページが確認できます。

過去に対象キーワードでランクインしていたページ一覧
過去に対象キーワードでランクインしていたページ一覧

 

これらの表を見ながら、

  • そのキーワードは本来どのページ(PLP)でランクインするべきか。
  • 他のページは、PLPとどういう関係(親/子ページ、補足コンテンツなど)にあるか。

など、重複しあっているページ間の関係を整理して、対応していきます。実際には、ケースバイケースで対応するかと思いますが、下記のような方法で修正することが多いかと思います。

 

  • 内部リンクでページ間の関係を示す。
  • 各ページのtitle、hタグなどの主要タグやコンテンツを役割に合わせて修正する。
  • コンテンツ同士に重複が多い場合は、コンテンツを役割に合わせて統合する。

今回の例の場合は、SEO全般のやり方についての記事から「モバイル向けのSEOのやり方はこちら」のようなリンクをモバイル向けSEOの記事に対して設置し、モバイル向けのSEOの記事からは「SEO全般のやり方はこちら」ようなリンクをSEO全般の記事に貼っておこうと思います。

以上が、キーワード起点でランクインページとのズレをチェックして対策する方法の流れです。

 

ページを起点にマッチしていないキーワードを探す方法

続いて、ページ起点でランクインしているキーワードとのズレを対策する方法を紹介します。各ページがどういったキーワードでランクインしているかを調べてみると、コンテンツとマッチしないキーワードでランクインしていることに気付くことがあります。これも、検索キーワードとコンテンツのズレです。

DemandMetricsでは、コンテンツ一覧の画面より対象ページを選択すると、

分析をする対象のページを選択
コンテンツ一覧画面より分析対象ページを選択

当該ページのランクインキーワード一覧が表示され、マッチしないキーワードでランクインしていることに気付くことができます。

分析対象ページでランクインしているキーワード一覧
分析対象ページでランクインしているキーワード一覧

例で選んだページは、グローバルSEOでのSEOツールの使い方の紹介記事ですが、「海外seo」や「seo 英語」以外に「seoツール 活用」や「seoツール 事例」など、あまり適してないキーワードでもランクインしていることが分かりました。「seoツール 活用」や「seoツール 事例」で検索する人には残念なページなので、もっと適切なページがランクインするように修正する必要があります。

ということで、「seoツール 活用」や「seoツール 事例」に対して、上で紹介したLPヒストリーやランディングページ一覧をチェックすると、当該ページ以外にもどのページとカニバっているかが分かりますので、上述したように、各ページの役割を整理して、内部リンクの修正、コンテンツの修正、コンテンツの統合などを行います。

意図せずランクインしているキーワードに対する重複ページの分析
意図せずランクインしているキーワードに対する重複ページの分析

先に紹介したPLPレポートからズレに気付くパターンは、キーワード起点で検索キーワードとコンテンツのズレに気付く方法であるのに対して、後で紹介した方法は、ページ起点でズレに気付くパターンです。キーワードとページのズレを見るという意味で、両者は同じに感じますが、後者のパターンは、新しいページを作ったり、修正した場合や、CTRや直帰率が悪いなどの理由で、注目するページが決まっているときの検索キーワードとのズレのチェック方法です。

 

まとめ

コンテンツが充実してきたサイトが、DemandMetricsを使って、検索キーワードとコンテンツのズレを見つけて、SEO対策を行う流れを紹介しました。ランクインしているページや順位、CTRなどから検索キーワードとコンテンツのズレを把握し、SEO対策を打つという考え方でDemandMetricsを使っていただくと、モニタリングから一歩踏み込んで、具体的なアクションにつなげていただきやすいと思います。今回の内容は、モニタリングを通じてサイト全体の大まかな課題が把握できていることが前提ですので、「まずはDemandMetricsを使ってモニタリングを」という方には、こちらでDemandMetricsを使ったSEOモニタリングの方法を紹介していますので合わせてご覧ください。

DemandMetricsをぜひ使い倒していただきたいと思います。