SERP(検索結果)調査をうまく活用することは、キーワード選定では重要です。今回は、普段、私がキーワード選定で、よく行うSERP(検索結果)調査の方法を紹介します。
SERP(検索結果)調査とは
SERP(検索結果)を調査する理由は、SERPには検索ユーザーのニーズが反映されているからです。SERPを調査すると、下記のようなことが分かります。
- どういったコンテンツが必要か
- 相性の良いキーワード
- キーワードの難易度
以下では、キーワード選定でSERP調査をどう活用するかについて説明します。
SERP(検索結果)調査を使ったキーワード選定の手順
SERP(検索結果)調査をキーワード選定作業の中で行った場合の流れを説明します。まず、キーワード選定全体の流れは下記のようになります。
- 洗い出し:関連するキーワードを幅広く洗い出す。
- グルーピング:検索意図などでキーワードをグルーピングする。
- 絞り込み:優先的に狙うキーワードに絞り込む。
絞り込んだキーワードをベースに、更に洗い出しを行い、優先度の高いキーワードの深掘りを進めます。何度かこのサイクルを繰り返して、優先度の高いキーワードの中で、新しい検索意図やニーズが出てこなくなれば、キーワード選定は完了です。
以下、各作業ステップの中でSERP(検索結果)調査をどのように使うかについて説明します。
キーワード洗い出し
まず、主要なビッグワードを少数個決め、そのキーワードごとに関連キーワードを洗い出します。洗い出しについては、Googleのキーワードプランナーなどのツールを使うと簡単です。キーワード洗い出しにおいても、SERP(検索結果)調査は活用できます。
Googleで検索すると、SERPの下の方に関連キーワードが表示されます。対象キーワードで検索した人が、併せて検索しやすいキーワードであり、検索ユーザーのニーズを反映しています。そこで、これらの関連キーワードも洗い出し対象とすると良いでしょう。
GoogleのSERP(検索結果)画面の下部に表示される関連キーワード
DemandMetricsのサジェストキーワード機能を使えば、この作業が簡単にできます。キーワードグループごとにまとめて関連キーワードを洗い出してくれます。
キーワードグループ単位でまとめて関連キーワードが洗い出せる
キーワードのグルーピング
次に、洗い出したキーワードを、検索意図ごとにグルーピングします。検索意図でグルーピングをする際、キーワードごとの上位サイトを見ると、グルーピングの基準が分かりやすくなります。検索ユーザーが、ニッチな情報を探しているのか、信頼性を求めているのか、物を買いたいのか、情報を探しているのかなどの検索意図は、SERP(検索結果)の上位ページやユニバーサル検索に反映されます。
ECサイトやリスティング広告が多ければ物を買いたい(Doクエリ)、国や歴史の長い会社のサイトが多ければ信頼性を求めている、情報メディアが多ければ情報を探している(Knowクエリ)などというように、検索意図を分類する際の手がかりになります。
自然検索、広告、ユニバーサル検索などが検索意図を反映して表示される
1キーワードずつSERPを調べるのは大変です。DemandMetricsのコンペティターディスカバリーを使えば、大量のキーワードの上位サイトのドメインやページの一覧が取得できるため、効率的に上位サイト分析ができます。
キーワードグループ別に上位サイト/ページが把握できる
キーワードの絞り込み
すべてのキーワードで上位を狙うのは難しいため、ROIの高いキーワードやキーワードグループに絞り込みます。絞り込む際の条件としてよく使われるのは下記のような指標です。
- 事業上の優先度
- 検索ボリューム
- 自社/競合サイトの順位
- リスティング広告のCVR
- 自社サイトとの相性
これらの指標の中で、SERP(検索結果)調査が役に立つのは、キーワードと自社サイトとの相性を調べるときです。キーワードと自社サイトの相性を調べるとき、キーワードやその関連ワードの上位サイトを調べます。似たようなサイトが多ければ、相性が良いと考えます。
検索上位を、大手のECサイトが占めているのか、信頼性の高いサイトが上位を占めているのか、ジャンル特化したサイトが占めているのかなどを調べ、ジャンルやドメインオーソリティなどの観点から、自社サイトと近しいサイトが上位を多く獲得しているほど、相性が良いというような考え方です。
上述したコンペティターディスカバリーを使えば、キーワードグループごとの上位を多く獲得しているサイトの一覧が把握できるため、相性の良いキーワードグループを調べる手間が大幅に省けます。
相性の良いキーワードグループ中心に更にキーワードを深掘りする
キーワードの絞り込みまで終われば、相性の良いキーワードグループを中心に、関連キーワードを更に洗い出し、詳細なグルーピングと絞り込みを行います。洗い出し、グルーピング、選定の作業を、新しいニーズが出てこなくなるまで繰り返すのが理想です。丁寧にやると手間がかかりますが、丁寧にやる分だけ、差別化できます。DemandMetricsを使って、うまくSERP(検索結果)調査を、効率化してください。
相性が良くないキーワードでのSERP(検索結果)調査
おまけとして、相性が良くないキーワードへの対処方法も紹介します。キーワード選定で、相性が良くないキーワードグループが見つかった場合も、SERP(検索結果)調査が役に立ちます。相性の良くないキーワードグループで、上位によく出てくるサイトの中に、うまく協力/協業できるサイトが見つかることがあります。例えば、SNSや掲示板・フォーラム、アフィリエイトサイトなどです。
協力/協業できるサイトを見つけたら、自社でSEOを狙う以外に、協業する方法をまず考えましょう。協業の仕方は色々ありますが、基本的には下記のように、相手のサイトにコンテンツを載せてもらう方法が多いと思います。
- アフィリエイト/アライアンスを締結する。
- コンテンツを使ってもらいやすくする。
- プラットフォームに出店する。
協業がうまくいけば、被リンクの獲得や流入の分散によるリスク低減にも繋がります。
まとめ
SERP(検索結果)調査の活用方法を、キーワード選定の流れに沿って説明しました。実は、SERP(検索結果)調査からは、キーワード選定に限らず、商品企画や営業活動などでも役に立つインサイトを得ることができます。機会があれば紹介したいと思います。