オリジナルコンテンツを活用してSEOで成果を獲得している企業の3つの特徴

オリジナルコンテンツを活用してSEOで成果を獲得している企業の3つの特徴

SEOでは昔からオリジナルコンテンツが必要だと言われますが、多くのサイトでコンテンツが充実してくるようになり、最近は、コンテンツを作っても、すぐに他社サイトで似たようなコンテンツが作られるため、コンテンツの独自性を維持するのが難しくなってきています。

コンテンツの充実に取り組むSEO担当の方から、「どこまでコンテンツを充実させ続けないといけないのでしょうか?」とご相談を頂くこともあります。サイトを運営する限りは、コンテンツの充実は、永続的に行っていくものだと思いますが、気持ちは非常に分かります。SEOでコンテンツを活用して成果を出すには、体制やオペレーションまで整備することが重要になりますが、SEO担当だけで何とかしないといけない場合は、本当に大変だと思います。とういことで、今回は、独自性の強いコンテンツを運用する上でのポイントを紹介したいと思います。

 

オリジナルコンテンツとは?

SEOで重要だと言われるオリジナルコンテンツの本質的な意味は、単に他のウェブサイトなどから無断引用していないというだけの意味ではありません。SEOではコンテンツに専門性、網羅性が大事だとよく言われますが、その専門性や網羅性の観点で、独自の価値が提供できていることが重要です。例えば、ウェブで調べるだけでなく実際に経験しなければ気づかない視点であったり、本質を深く理解していなければ伝えられない分かりやすさなどが、独自価値の例です。

以前、DemandMetricsの事例としてゲームウィズ社をインタビューさせていただきましたが、ゲームウィズ社では、ゲームが得意なメンバーが自らゲームを攻略し、攻略情報を作成しています。自ら攻略してコンテンツ化できる体制があるため、他よりもいち早く攻略情報をユーザーに発信することができます。この場合は、コンテンツの質や量だけでなく、早さも価値になっています。

急成長の背景はゲーム好きだからこそ作れるコンテンツ GameWith社SEO事例

他よりも価値の高いコンテンツがあれば、SEOでも有利になり、検索上位を獲得しやすくなります。それを狙って、多くのウェブサイトが、ユーザーの役に立つようなコンテンツをどんどん増やすようになりました。特に2012年以降、Googleのアルゴリズムが外部リンクからコンテンツをより評価するようになったことが、その流れを強めているように思います。

 

差別化が難しくなってきている

オリジナルコンテンツは、ユーザーから評価されるため、SEOでも有利になると述べました。ところが、ここ数年、そんな簡単な話でもなくなってきています。多くのウェブサイトでは、コンテンツを作成する際に、色々な調査や取材をしますが、少なくとも検索上位ページはチェックしています。そして、検索上位ページにあって、自分たちのウェブサイトで抜けている要素が見つかれば、その差分を埋めるためのコンテンツを追加します。最近は、クラウドソーシングを使って低価格でコンテンツを作ることが可能になったため、足りないコンテンツの追加が容易になりました。その結果、客観的な事実をまとめたコンテンツだけで差別化することは、非常に難しくなってきています。

とはいえ、コストを掛けて、専門家がコンテンツを作成、監修すれば、必ずSEOで成果が出るというものでもないため、じゃあどうすれば良いんだということで、悩まれているSEO担当の方が多いようです。

 

オリジナルコンテンツを作る上での3つのポイント

そんな中、着実に成果を出しているウェブサイトもあります。各社、色々な工夫を行っていらっしゃいますが、共通していることは下記の点だと思います。

  1. 他社より情報収集しやすい領域でコンテンツを作る。
  2. 営業、購買、カスタマー部門なども巻き込んだオペレーションの構築。
  3. サイト構造が整理されている。

一つずつ説明します。

 

1. 他社より情報収集しやすい領域でコンテンツを作る

コンテンツを作るには知識や情報が必要です。独自の価値をコンテンツに持たせようとすると、更に情報収集が必要になり、工数がかかります。しかし、他社より情報収集しやすい領域、例えば、普段の営業活動や顧客対応をする中で得られる情報などであれば、その事業をしていない会社よりは苦労をせずに情報収集ができます。もちろん、営業やカスタマー部門から共有してもらった情報が、そのままウェブで役立つコンテンツとして使えるかは分かりません。ウェブコンテンツとして使うために営業やカスタマー部門から特別に顧客にヒアリングしてもらわなければならないこともあるでしょう。

しかし、その場合も、普段の業務の中にヒアリング項目を追加するだけで解決できるなら、ゼロから情報を集めなければいけない企業よりは圧倒的に有利です。もちろん、大きな組織になるほど、他部門の業務を少しでも変更することは大変ですが、それでも、何もないところからやるよりは、有利に情報収集ができます。他社より情報収集しやすい領域の筆頭は、通常、商品や顧客の情報です。コンテンツ例としては、商品詳細情報、商品の選び方、体験談、レビューなどです。このあたりのコンテンツを充実させずに、その周辺領域のコンテンツばかり作っていても勝ち目が薄いと思います。

まずは、本業の業務の中で、他社よりも情報収集がしやすい領域を探してみてください。そして得意領域を見つけたら、関連するキーワードを洗い出して、どういった競合サイト/コンテンツが、それらのキーワードで検索上位を獲得しているかを調べてみましょう。その検索上位コンテンツが、これから自社で作るコンテンツのベンチマークになります。DemandMetricsでは、コンペティターディスカバリーという調査機能があり、対象キーワードの上位サイト/コンテンツを一覧で表示してくれます。競合調査がかなり効率的になりますので、DemandMetricsユーザーの方は、ぜひご活用ください。

competitor discovery
コンペティターディスカバリー機能で競合サイトを一覧表示

 

2. 営業、購買、カスタマー部門なども巻き込んだオペレーションの構築

1を実行するのは、SEO担当だけでは難しいでしょう。通常、コンテンツの元になる重要な情報は、顧客や商品と直接的に関わる部門に蓄積しています。そこで、営業やカスタマー部門から情報を引き出し、ウェブコンテンツに活用するといった、部門をまたいだオペレーションを構築する必要があります。組織が大きくなるほど、他部門の業務を変更するのは、大変です。営業担当に、顧客へのヒアリング項目をいくつか加えるだけでも、なかなか協力してもらえないこともあります。そこで、他部門に協力してもらうための工夫が必要になります。「SEO目的」だけで、他部門を巻き込んだオペレーションが作れる会社は、スタートアップ企業以外は少ないと思います。スタートアップ企業以外で、部門をまたいだオペレーションを構築できている会社は、経営者の指示、社員研修、顧客とのリレーション作りなど、SEO以外の目的を理由に行っていることが多いように思います。

また、そういった企業では、SEO担当の人は、他部門から信頼され、他部門としっかりコミュニケーションが取れています。SEOでコンテンツが重要になるほど、SEOの知識を持っているだけでなく、プロジェクトマネージャー的な動きができる担当者が活躍するのかなと思います。

私の知り合いで、以前、人材会社のSEO担当だった方は、営業担当からの信頼を獲得するために、求職者の全ての履歴書を読み込み、社内で一番、求職者に詳しくなることから始めた、とおっしゃっていました。効率化する部分は、システム化や標準化によるテクニックがありますが、組織内で信頼を得るのは、こういった地道な方法になるのかなと感じています。

 

3. サイト構造を整理してコンテンツを蓄積する

3つ目だけは、少しSEOのテクニック的な話になりますが、オリジナルコンテンツを作るにしても、サイト構造は大事ですよということです。サイト構造が整理されないままコンテンツを運用しても、なかなか成果や売上に結びつきません。例えば、ECサイトを運営している際、ECシステム内にコンテンツを入れるためのシステム改修が大変になるなどの理由で、別でCMSを構築して記事コンテンツを運用するようなケースがあります。パンくずなどのリンク構造で売場のページと記事コンテンツの関係が表現されていれば問題ありません。

例えば、下記の図のようなパンくず&サイト構造になっていれば、記事コンテンツが増える程に、親ページである売場のカテゴリページのSEOも強化されていきます。当然、売上にも貢献するでしょう。

ECサイトのサイト構造例
売場の下に記事コンテンツが蓄積されていく構造の例

一方、売場と記事コンテンツの関係を整理せず、リンクで結び付けないまま運用した場合、記事コンテンツが増えるほどに記事コンテンツ側のトラフィックは増えると思いますが、売上には貢献しない可能性があります。売場とは別の独立したメディアを運営してブランディングを獲得するといういことであれば、問題ありませんが、直近の売上を期待する場合、独立したサイト構造では、なかなか大変だと思います。

売場とコンテンツが分離したECサイトの構造例
売場と記事コンテンツが関係付いていない例

場合によっては、売場(売上に近いページ)で検索上位を獲得できていたキーワードが、記事コンテンツとサイト内重複した結果、記事コンテンツの方がランクインし、売場が落ちていたなどということもあります。そうなっては、せっかくのコンテンツが売上にマイナスの影響を与えることにもなりかねません。せっかく手間をかけて価値あるコンテンツを作るなら、トラフィックを増やすだけでなくて、売上にもつながるようにしたいと思いますので、サイト構造には注意しましょう。

DemandMetricsではPLPレポートという、キーワードごとに適切なページでランクインできているかをチェックするための機能があります。売場のページと記事コンテンツでカニバッていないかなどのチェックができます。

PLPレポート
PLPレポートでキーワードごとに適切なページでランクインできているかが簡単にチェックできる

サイト構造をチェックする上では有効な機能ですので、DemandMetricsユーザーの方は、ぜひご活用ください。コンテンツが増えてきたサイトほど有効です。

 

まとめ

コンテンツでの差別化が難しくなる中でも、独自性のあるコンテンツを使って成果を獲得するためのポイントをまとめました。

  • 他社より情報収集しやすい領域でコンテンツを作る。
  • SEO担当だけでなく、営業、購買、カスタマー部門なども巻き込んだオペレーションを構築。
  • サイト構造を整理してコンテンツを蓄積する

SEOの取り組みの参考にしていただけると幸いです。