キーワード別にSEOの難易度を調べるツールと調査方法

キーワード別にSEOの難易度を調べるツールと調査方法

SEOでキーワード難易度を調べるツールとその機能を紹介します。SEOでは、ターゲットするキーワードに優先度を付けるためにキーワード選定を行います。その際、色々な軸で、絞り込みますが、その一つとして、そのキーワードのSEOの難易度があります。ここで言っているSEOの難易度は、検索上位表示の難易度と、検索上位に上がった上でクリックを稼ぐ難易度です。

SEOの難易度は、検索ボリュームで代替されることも多いですが、検索ボリュームが小さければ簡単なのかというとそうでないことも多いですし、本当は自社と相性の良いキーワードを選ぶことが重要です。とはいえ、キーワード別に難易度を調べるのは手間がかかりますので、検索上位表示の難易度と、上位表示した上でクリックを稼ぐ難易度別を調査するツールを紹介します。

 

SEOの難易度を調べる前にキーワードの洗い出しを行う

キーワードの難易度を調べるのは、主にSEO対策として狙うキーワードを絞り込む段階です。キーワードを絞り込む前に、まずはキーワードの洗い出しを行いましょう。洗い出しを行う方法は、以前、こちらの記事で詳しく紹介しましたが、ユーザーのニーズに基づいて、幅広く洗い出します。幅広く洗い出しを行うためのキーワード調査ツールは、Googleのキーワードプランナーがよく使われますが、それ以外にも日本語でも使える便利なツールがありますので、こちらの記事で紹介しています。キーワード調査でキーワードを洗い出したら、どの領域(キーワード)で勝負するかを決めます。キーワードの絞り込み方についても、こちらの記事で紹介しました。この絞り込みの段階で、「キーワードの難易度」も考慮します。
前置きが長くなりましたが、いきなりSEOの難易度を調べるのではなく、まずはキーワードの洗い出しをしっかり行ってから、難易度を考慮してキーワード選定を行いましょう。以下では、キーワードの難易度を調べる時に役立つツールや機能を紹介します。

 

DemandMetrics Competitor Discovery(コンペティターディスカバリー)

手前味噌で恐縮ですが、当社のSEOツールDemandMetricsのコンペティターディスカバリーは、キーワードやキーワードグループの検索上位表示の難易度を調査する上で有効です。Googleが説明するように検索キーワードは、Doクエリ、Knowクエリ、Goクエリに整理でき、それぞれ下記のような特徴があります(Google Matt Cutts氏による説明)。

    • Goクエリ

特定のウェブサイトを探すために使うクエリ。
Wikipedia、Facebook、マクドナルドなど、社名やサイト名、ブランド名などがDoクエリに当たります。検索上位には、(コンテンツが多少充実していなくても)対象の社名やサイト名などが表示されやすい傾向にあります。

    • Knowクエリ

情報を探すために使うクエリ。
「ネクタイ 結び方」、「ハンバーグ 作り方」など、ノウハウや知識を得るために使うクエリがKnowクエリに当たります。検索上位には、ノウハウや知識が充実した情報系のサイト(メディア、レシピサイト、ブログなど)が表示されやすい傾向にあります。

    • Doクエリ

モノの購入やサービスの予約などのアクションをするために使うクエリ。
「ワンピース 購入」、「洗濯機 通販」などのクエリがDoクエリに当てはまります。検索上位には、モノの購入や予約ができるECサイトや比較サイトなどが表示されやすい傾向にあります。

このようなキーワードとその検索結果の特徴を踏まえると、記事コンテンツでDoクエリを狙ったり、ECの商品詳細ページでKnowクエリを狙うのは、無理ではありませんが、難易度が高いことだと分かります。DemandMetricsのコンペティターディスカバリーの機能を使い、キーワード調査で洗いだしたキーワードリストを、カテゴリやジャンルごとにグルーピングして登録するだけで、キーワードグループごとの上位サイト/コンテンツ一覧を表示してくれます。


コンペティターディスカバリー機能で検索上位のサイトを調査

キーワードグループ別の上位サイトの顔ぶれを見れば、「EC/予約/申し込みサイトが有利そう」、「専門メディアが上位を占めていてコンテンツの質・量ともに求められそう」、「国や専門機関などが上位を占めていてコンテンツの専門性が必要そう」などといったことが把握でき、どのキーワードが、Go・Know・Doクエリかといったことが推測できます。

更に、どういったコンテンツが上位表示されているのかについても、キーワードグループごとに確認できます。検索上位を獲得するためには、どの程度の質のコンテンツが必要かということも合わせて把握していただけます。コンペティターディスカバリーの機能の、他の活用方法については、こちらの記事で紹介していますので、参考にしてください。
SEOの競合分析機能(コンペティターディスカバリー)の意外に有効な使い方

 

MozBar & Keyword Explorer(Mozバー&キーワードエクスプローラー)

対策キーワードの検索上位表示の難易度を調べるにはChrome拡張のMozBarも便利です。MozBarはSEOツールの老舗のMozが、提供するツールで、SERPs(検索結果画面)上のサイトのドメイン/ページオーソリティや外部リンク数をさくっと把握することができます(ドメイン/ページオーソリティはMoz社が提供するサイトやページの評価指標)。

外部リンクは、サイト/コンテンツの質を評価する上で重要な指標ですので、被リンク数の多いページが上位を占めているキーワードは難易度が高いと判断することができます。

MozBarを使った時の検索結果
MozBarで検索結果を確認すると上位サイトのドメインの強さやリンク数が調べられる

参照:MozBar
https://chrome.google.com/webstore/detail/mozbar/eakacpaijcpapndcfffdgphdiccmpknp?hl=ja

MozBarは、非常に有用なSEOツールのため、インハウスSEO担当の方の中でもかなり普及しているツールではないかと思いますが、1キーワードずつ検索してリンク数をコツコツ計算したりするのが手間だと思っていた方もいたのではないでしょうか?そんな方に朗報です。Moz社が2016年5月にリリースしたKeyword Explorerは、キーワード難易度の指標を1つ(Difficulty)に集約して示してくれます。キーワードの難易度は、検索結果1ページ目のページオーソリティ、ドメインオーソリティ、リンク数などから推計しているようです。

ここまで期待させておいて恐縮ですが、キーワードエクスプローラーは、日本語で確認する限り、まだ若干数値がおかしい時が多く、この数値を鵜呑みにして実務で使うには、まだ勇気が必要な状況です。ですがデータ集計が進み、徐々に精度が高まってくれば、かなりSEOの業務効率を高めてくれるSEOツールになるのではないかと思います。

Keyword Explorer
Keyword Explorer

参照:Keyword Explorer
https://moz.com/products/pro/keyword-explorer

MozのKeyword ExplorerとMozBarは、検索結果1ページ目のサイトの外部リンク情報にもとづいた強さで難易度を調べるのに有効です。他社のツールながら、便利だなと思います。

 

被リンクの獲得

被リンクの多いサイトが上位を占めている場合、確かに難易度が高いですが、自社サイト/コンテンツも被リンクを獲得できるのであれば、話は別です。被リンクを獲得するには、まず自社サイトや競合サイトがどういったリンクを獲得しているかを調査します。調査した結果は、リンク獲得パターンを見つけ、コンテンツ作りやソーシャルでの拡散方法などに活用することができます。DemandMetricsでも被リンクの調査はできますので、下記の記事などを参考に被リンクデータも活用してみてください。

 

DemandMetrics Universal Search(ユニバーサルサーチ)

また手前味噌で恐縮ですが、当社のSEOツールDemandMetricsが2016年6月にリリースしたユニバーサルサーチという機能も、キーワードの難易度を調査するために使えます。先に紹介したコンペティターディスカバリーやMozのキーワードエクスプローラーなどと違うのは、検索上位表示の難易度ではなく、上位表示後のクリック獲得の難易度を調べられる点です。

Googleの検索結果画面には、自然検索枠以外にリスティング広告やユニバーサル検索と呼ばれる、ローカルパック、ナレッジパネル、画像、動画などの枠が表示されています。リスティング広告やユニバーサル検索枠が表示されていると、せっかく検索上位に表示できても、クリックされづらくなります。つまり、クリック難易度の高いキーワードだと分かります。

DemandMetricsのユニバーサルサーチという機能では、キーワード別にリスティング広告やユニバーサル検索枠の表示状況や時系列のトレンドが把握できます。

ユニバーサル検索やリスティング広告の表示率のトレンド
ユニバーサル検索やリスティング広告の表示率のトレンド

DemandMetricsのユニバーサルサーチを使うことで、SERPs(検索結果)上のユニバーサル検索やリスティング広告の表示状況を把握し、自然検索枠の上位表示を狙うキーワード、リスティング広告で狙うキーワード、ユニバーサル検索枠も狙うキーワードを判断することができるようになります。

キーワード別のユニバーサル検索の表示状況
キーワードごとにユニバーサル検索の表示状況が分かる

 

ユニバーサル検索枠に入る対策

上述したようにユニバーサル検索やリスティング広告が表示されることで、自然検索枠のクリック率が低くなる一方で、アンサーボックや画像検索の枠の中に入ることができれば、クリックを多く稼ぐこともできます。ユニバーサル検索やリスティング広告が出るようなキーワードでも、SEOや事業の方針上、逃げられない重要なキーワードの場合は、自然検索で上位を獲得しつつ、ユニバーサル検索枠に入ることを狙うSEO対策を行うケースもあります。

このような場合のユニバーサルサーチ機能の活用法は、下記の記事にて紹介しています。
参考:SERPs(検索結果)の特徴をつかんでSEOに活用〜SERPs Feature Trendチャートの活用法〜

 

まとめ

ウェブ上に競合コンテンツが増え続ける中、SEOを上手く活用して顧客にコンテンツを届けるには、キーワードの難易度も考慮してキーワードを選定し、コンテンツを発信することが必要です。本質的には、自社のユニークさが活きるキーワードを選ぶことになると思いますが、キーワードの難易度を調べるには手間がかかります。そんな時に便利なキーワード難易度調査ツールと機能を紹介しました。

  • DemandMetricsのコンペティターディスカバリーでは、キーワードグループごとの自社サイトとの相性を調べることができる。
  • MozのKeyword ExplorerやMozBarではキーワードごとの上位サイトの強さを調べることができる。
  • DemandMetricsのユニバーサルサーチでは、検索上位を獲得した時のクリック獲得の難易度を調べる事ができる。

SEOツールは、「キーワードの順位をモニタリングする」、「HTMLタグの改善点をチェックする」、「PLPをチェックする」などSEO施策の運用が始まってから使うと思われていることが多いようです。しかし、実はSEO施策が本格的に始まる前の方針策定時や調査時点でも活用することができます。ぜひ、方針策定・調査フェーズからSEOツールを使いこなして成果につなげていただけたらと思います。