「なぜか検索順位が低い!」 Search Console をヒントに基本的な問題を修正する方法

「なぜか検索順位が低い!」 Search Console をヒントに基本的な問題を修正する方法

自社ブランドの検索順位が低いことでお悩みではありませんか?上場企業であるにもかかわらず、検索結果に表示されない。わざわざサイトをリニューアルしたのに、古いサイトに勝てない。けっこう知名度はあるはずなのに、なぜだろう?

大企業を中心にSEOサービスを提供する当社では、そんな悩みをよく耳にします。しかしながら、そうしたお問い合わせの大半はSEOの基本的な問題に起因しており、十分な理解と開発力があれば短期間で修正可能なものばかりです。

この記事では、よくある問題点とSearch Console を活用した確認方法をご紹介します。

検索エンジン目線でページが存在しているか?

当然のことですが、ページがなければ、検索結果に表示されることはありません。SEOの観点では、固定のURLがないことを「ページがない」と表現されることがあります。アクセスする経路によって URL が変わるとか、そもそもURLが生成されないとか、ハッシュ(#)のようなものを使ったURLは、検索エンジンに登録(インデックス)されないのです。

意図的にページを生成しないことも多々あります。URLは基本的には無限に増え続けるものであり、なんらかの制御をするのは当然だからです。ですので「ページがない」という状況は珍しくありません。もしも意図せずこのような実装になってしまった場合、検索結果にヒットしないという問題に繋がる可能性があります。

ページが多すぎる

先ほどの例とは逆に、ページを大量に生成している場合も、問題を起こすことがあります。

大量のページを生成することは、検索エンジンから見れば、無駄な処理が増え効率が悪くなることを意味します。すると、重要なページのインデックスが遅れたり、サイトを適切に評価できなくなります。特に近年は、ページの処理にAIが多用されるようになり、パターンや統計にもとづいて判断されることが増えています。良いページも悪いページも、十把一絡げに処理されてしまうことがあるのです。

ほとんどの問題は Search Console にヒントあり

これまで見てきた「ページがない」問題や「ページが多すぎる」問題は、Google が提供する公式ツールである Search Console を使えば、簡単にヒントを見つけることができます。サイドメニューの「インデックス作成」から「ページ」をクリックすると、サイトのインデックス状況、つまり Google への登録状況が確認できます。

サイトの状態がわかる

上のキャプチャでは、384ページがGoogleに登録され、1,293ページは未登録だということが分かります。適切な数量のページが登録されていますでしょうか?

Search Console の読み解き方

先ほどのスクリーンショットにおける、1,293件の未登録ページを深堀りしてみましょう。未登録が多いということは、無駄が多く、検索エンジンにとって処理しにくいサイトだといえます。理想は、未登録のページ(グレー)が少なく、登録されたページ(緑)が多い状態です。

ただし、未登録だからといって直ちに問題だと見なす必要はありません。グラフの下にある表を見て、未登録の詳細を確認してみましょう。

未登録のページの詳細がわかる

この表によると、未登録のうち530件はリダイレクトによるもの、440件は404ステータスによるものと、各状況がわかります。項目をクリックすると該当URLも確認できるため、おおよその問題点は調べることができます。

ちなみに筆者はこの画面を見て、リダイレクトや404はよくあることなので、いちいち修正しなくても良いかな、と感じました。1年ほど前にデザインの修正をはじめ、ページの統廃合をしているという背景もあります。

問題のすべてを解決する必要はありません。その難易度や見込める成果を天秤にかけて、総合的に判断しましょう。もしもあなたのサイトに何億件ものインデックス未登録があったり、身に覚えのない問題が見受けられる場合は、技術者に相談してみましょう。専門家の協力が必要な場合はいつでもご連絡ください。我々もしくはパートナーのコンサルティング会社をご紹介します。

正しい自己理解とインターネット理解

すべてのマーケティング戦略には、正しい自己理解が必要です。SEO の観点で言えば、自分は何ページあるべきなのか。何が多いのか、または少ないのか。こうした自己分析をせずに順位や流入を改善することはできません。その上で、技術的に適切な状態にしていくのが検索エンジン最適化、すなわち SEO というわけです。

SEO は今やテクニックで効果を得られるものではなくなっています。むしろ、正しい自己理解、そしてインターネットの仕組みの理解さえあれば、やるべきことは明確になります。

インデックス状況を改善するためのチェックポイント

検索にヒットさせたいページがなければ、作りましょう。ページが多すぎるなら、減らしましょう。SEOの基本はごくシンプルです。加えて、いくつかの小さなポイントを考慮して問題を深堀りしてみましょう。主な観点をここに列挙します。

sitemap.xml は設定されているか

sitemap.xml はサイトの地図。URLを検索エンジンに知らせるためのファイルです。検索エンジンに確実にウェブページを登録させたい場合は必ず設定しましょう。

robots.txt を見直す

robots.txt はクロールに関するルールを設定するファイルです。要するに、このページは見ないで!という指示が設定ができます。無駄なページが多すぎる場合はこちらを見直してみましょう。

リンクする

ウェブは蜘蛛の巣です。糸が張り巡らされていないと、検索エンジンはページを発見できません。ページが孤立しなよう、きちんと経路を確保してあげましょう。

メタタグを設定する

メタタグは、ページのタイトルや説明文のことで、検索エンジンが処理するときに欠かせない情報です。きちんと設定されているか、わかりやすい内容になっているか検討してみましょう。

canonical の活用

canonical は正規ページを定義するタグです。広告や解析用のパラメータが不要なURLを増殖させてしまう場合などに canonical を使えば、「正しいページはあれですよ」と表現できるわけです。間違った設定をしていたり、効果的でない使い方をされていることが多いので、不安がある方は専門家にアドバイスを求めてみましょう。

noindex の確認

noindex はインデックスさせたくないことを表現します。稀に、意図せず noindex が記述されていることがあります。間違った使い方をしていて検索エンジンが混乱しているケースも見かけます。canonical 同様、便利な技術ではありますが、専門家のサポートのもとで活用することをおすすめします。

検索エンジンが苦手な技術

例えば iframe のような技術は、SEOと相性が悪いです。iframe は動画や地図などの外部ファイルの埋め込みに使われますが、検索エンジンは外部のファイルまで見に行くことはありません。JavaScript や PHP を活用して機能性のあるコンテンツを作成した場合も、検索エンジンは作成者の意図したようには動かないことが多いです。

インフラ・セキュリティ

セキュリティの一環として bot のアクセスを制限していたとか、サイト高速化のために CDN で特殊な設定をしていたとか、そんな理由で検索エンジンがあなたのサイトを正しく閲覧できないことがあります。

おわりに

なぜか順位が悪かったり問題が起こっていると、焦ってしまうかもしれませんが、その必要がありません。ほぼすべてのウェブサイトで程度の差はあれ、同様の課題があるからです。また、こうした問題は解決すれば必ずなんらかのメリットが得られるものです。たとえ順位が上がらなくても、あなたのサイトが検索エンジンに処理されやすくなることにデメリットはありません。ぜひ Search Console を見直し、技術的課題の解消に取り組んでみてください。