brightonSEO San Diego 登壇の予定と最近のアップデートについて

9月初旬、私(レイ, CEO)は東京を訪れ、多くの素晴らしいお客様にお会いしました。Found Meetup というイベントを開催し、オフラインで多くのお客様と交流することができました。そのままロンドンに飛び、イギリスのお客様と会い、brightonSEO にも参加しました。慌ただしいスケジュールでしたが、充実した一カ月でした。

そして来月 11月に開催される brightonSEO San Diego に登壇する運びとなりました。インスピレーションを与えてくれた日本のお客様に感謝するとともに、大好きなサンディエゴで講演できることを光栄に思います。サンディエゴには 2003年から 2008年まで住んでいたので、久しぶりに訪れることを楽しみにしています。

私のプレゼンテーションのタイトルは、“Measure the whole SERP at any scale” です。この講演は、私たちが今までお客様と取り組んできた課題に関するものです。従来の順位計測は以前ほどの重要性がなくなり、代わりにSERP全体のデータが求められるようになりました。SERPデータは SEO戦略だけでなく、経営陣、製品チーム、広告チームを巻き込んだり協力しあうのに欠かせません。SERP全体を計測・監視し、いかに展開していくかについて、今までの経験を踏まえてご紹介できればと思います。

最近のアップデートについて

brightonSEO San Diego に向けて、日本でのイベントを振り返りたいと思います。Found Meetup 2023 は2019年以来のオフラインイベントとなり、日本の SEOエキスパートが一挙に集結しました。渡辺隆広さんのプレゼンテーションは、いつもながらとても興味深いものでした。

私のセッションでは、冒頭にて Google のアップデートが今年は少ないということを指摘しました。しかしその後 1ヶ月の間に、3つのメジャーアップデートがありました。この場を借りて、スライドを訂正します。

オリジナルのスライド

どうやら修正が必要なようです🥲

年末までには、過去2年間のアップデートと同等になる予感がします。ここで私が言いたかったのは、SEO全般の変化は、アルゴリズムのアップデートに直接関係しているわけではないということです。

直近の12ヶ月は特にそうでした。アルゴリズムの更新だけでなく、私たちは次のような変化を目の当たりにしました。

  • Google の AI戦略の主要製品への展開(SGE、Bard、PaLM API、Vertex AI、Workspace統合、インフラ、スタートアップイニシアチブなど)
  • ChatGPT の継続的なリリースやその他の製品など、OpenAI からの膨大な数のイノベーション
  • AI のハイプサイクルの目に見える増加
  • SERP のレイアウトや機能に対する大量の変更
  • Python、BigQuery、Python in Excel など、SEO とそれをサポートするツールにおけるデータサイエンス(形式化された)の重要性の高まり

検索マーケティングを取り巻くあらゆることが変化しており、コアアップデートばかりに振り回されてはならないのです。

SGE の存在感は大きい

また、Google SGE についてもかなり深く掘り下げました。というのも、ちょうどその前の週に、Google が日本で SGE(もちろんSearch Labsでのみ)をローチしたからです。日本での展開は予想していたよりもずっと早かったので少し驚きました。

旅行、自動車、eコマースなど、多くの具体例における SGE のポイントを紹介しました。SGE とひとくちに言っても、影響は様々です。

SEO の観点から、私たちが主に注目しているのは CSSピクセルの距離・大きさであり、SGEウィジェットがどれだけの存在感を示すかです。従来のリッチスニペット同様に、どのように CTR に影響するのかが一番の問題だからです。

そのため、SGE を見る際には、1) SGEウィジェットが存在するか、2) 自動展開されるか を知ることが肝心です。SGE は折り畳み式になっており、開いたまま表示されたり、閉じているものもあります。閉じた SGE ウィジェットはそれほどピクセルスペースを取りませんが、自動展開された SGEウィジェットはファーストビュー全体を占めることがあります。

この傾向を調査するために、私たちの技術力でいくつかのキーワードを計測し、その結果を以下のスライドにまとめました。

ここでの大きなポイントは、テストしたクエリの 81% で SGE が表示されたことです。さらに重要なのは、これらのクエリのほぼ半分(正確には44%)で自動展開されるということです。つまり、SGE は存在感が大きく、CTR に影響する可能性が高いということです。

この調査を実施してから数週間が経ちました。第二弾の調査のためにキーワードリストをさらに拡大しているところです。しかし SGE はまだテスト版という位置づけです。こうした結果は決定的な数字ではないことに留意してください。

AI を活用したソリューション、ProseVector

大々的な発表はしていませんが、ProseVectorと呼ばれる新しいサービスをスタートしました。主にマネージド・サービスの一環として提供しており、大量のテキストを自動で作成・生成します。もちろんこれはスパムではありません。手間のかかる文章作成を減らす、業務改善の意味合いが強いソリューションです。

技術的には、これは RAG(Retrieval Augmented Generation:検索機能拡張型ジェネレーション)と呼ばれるもので、LLM では不足する知識を外部のソースで補うものです。正確な知識に基づいて文章を生成するため、ハルシネーションが起こりにくく、短めのテキストであればほとんど問題のなく実務レベルのクオリティで出力できます。大量のページのメンテナンスや、機械がやってほうが効率的な文章作成は ProseVector で劇的に改善されます。

アップデートがあり次第、さらにご紹介していきます。

私たちの価値観

最後に、私たちが製品開発に取り組む際に守っている価値観を、スライドで改めて説明しました。

これらは、私たちが他のプロバイダーと一線を画していると考える核となる信念であり、私たちのソリューションがこれらの価値観を反映したものであるよう最善を尽くしています。

来日期間中、私たちは多くの素晴らしいフィードバックを得ることができました。皆様からのご意見を参考にしながら、brightonSEO San Diego での発表内容を練りたいと思います。

サンディエゴにいらっしゃる方は、ぜひLinkedInで連絡をください。ぜひお話ししましょう。